ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1945】 超純水採麺 天国屋 (東京・成瀬) 焙煎ウルメ正油麺

 妙に引っかかる店と一杯がありまして、とある週末に突撃してしまいました。それは、「超純粋採麺 天国屋」さんの「焙煎ウルメ正油麺」。とあるラ活先輩のレビューから、妙にひっかかっていた次第。横浜線成瀬駅近くというのもあって、個人的には地縁もありましてね(へへへ・・・)、すぐ場所がわかるので、思わず訪問ですよ。それにしても、パチンコ屋のすぐそば・・・というか敷地内にあるラーメン屋というのは、なんだか色々肩透かしな予感もよぎりますね。買った負けたのどさくさに腹が減った客がいるとは思いますが。それ狙いというわけでもなかろうと思いつつ行ってみたら、店前はパチンコ店の喫煙コーナーだったりして、ちょっと何だか怪しく感じてきたりもします。しかし、評判ははやり真実でありました!













【店;地獄には天国があるもんだ!和やかな雰囲気〜】


 訪問したのは、実に中途半端なおやつタイム前。なのにそこそこ盛況ですよ。パチンコで早々にキリをつけて遅い昼飯くってる方もおられれば、しっかりラーメンを写真にとっているご同輩もおられます。家族ずれもちらほらと・・・町田は人種の坩堝か?と思えていしまいます。私の狙いはすでに訪問前に決まっているので、すぐさま券売機で千円札を投入。しかし、何回も何回も裏返したり表にしたり、札を変えてもこれが券売機が吸い込んでくれんのよ・・・・。 千円札を吐き出すチカラがあるのなら、吸い込むチカラに転換してくれても良さそうなのに・・・・。背後に後客の気配を感じて「早よせえよ、ボケ!」的な威圧感。地獄です。すると、スタフさんか、ご店主か、五百円玉を二枚差し出してくれて、「申し訳ございません、両替させてください」とフォローいただけてなんとかその場をしのぎます。ま、私は客側なんだけど、こういうの嬉しい。さらに食券を差し出した直後に、「ウルメもう終わりね」という厨房内部の会話も耳に挟んだりして、まさに地獄から天国な気分であります。天国屋・・・・やるな!












【スープ:旨さの設計が二段仕込み!ウルメ煮干しの裏表を味わったかのごとき】


 最近、地元近くの西荻窪で焼煮干しなる風味の強い味わいにはまっている私。「焙煎」となればどのように風味が違うのか興味深々ですよ!ま、片口もウルメも区別がわからん素人なんすが、そこは大目に見て欲しい。まず、味わった直感は以下の通り。








<ニボニボしない優しい香ばしさに、正油の円やかさ絶品!>

 ひとえに、煮干し感は、「香ばしさよりまろやかさと甘みの濃ゆさ」ですな。甘みというと糖に近いイメージを持たれてもこまるけど、煮干し由来の甘さが心地よい。ストレートに煮干しが香ります。どうやら白醤油という手法も影響しているような感覚。醤油ダレのカエシならではの塩気がとても柔らかであり、風味は具材に譲ったようなほのかな味わい。ま、もっと簡潔に言えば、「ニボニボしない」上品なウルメ煮干しを、「白醤油ならではのまろやかさ」がバックアップするという構図です。なのでナチュラルな煮干しの世界観を味わえる次第。なかなかやるな・・・天国屋。しかし、これだけではなかったっすよ! これは表だけの表情。丼の縁にある、ワサビを投入すると、イニシエーションラブならB面に突入するかのよう。俺も静岡で下宿したかった・・・・。


<ワサビ(※)が煮干しをこれほど昇華させるとは!>

 ワサビと溶く・・・。すると全体が化学変化か地殻変動を起こすよう。春の穏やかさから一変して、秋の涼冷なる爽やかさに風景が変わる! 白醤油の下支えが・・・、隣がパチンコ屋だから例えると「カクヘン」したかのようにブーストがかかる一方、それによって、ウルメ煮干しの裏方だったニボ感が透けて見えるという感想です。スープ全体では凛として、さらに飲みやすい! あ!そうか!天国屋・・・・天国を二枚天井にしとったわけやね・・・・。天国屋・・・やるな!

 ※ワサビではなく、柚子胡椒だったっけ??? すみません、過去の記憶で書いてるもんで間違ってたら笑ってください。












【麺:激動のスープ感から・・・穏やかな麺の世界観へ・・・・】


 波乱のスープ感の後は、オペラで言うと麺は間奏曲ですよ・・・。意外にこの間奏曲が歴史的にはいいのが残って伝わっているのよね〜。ベタだけど、カルメンの間奏曲が好き! ピンクレディや都倉俊一のではありません。ビゼーです。音楽室で見たメガネのおっさんの方です(メガネと言えば、シューベルトの方がメジャーですが)。








<美しきかな流麗なフォルム、それに裏付けのしなやかスベリ>

 麺は、「カルメン」のように力強いというより、「マダム・バタフライ」と例えたほうが良いかも。本当に丼の中では流麗な流れで美しいです。いつもはこういうのを、龍安寺枯山水と例えるのですが、今回だけはライン川の流れと例えましょう(行ったことない)。箸でリフトすると、絡まりが一切ございません。コマが揃ったような整列ぶりも美しく、口当たりと内頬にタッチする柔らかさとしなやかさが異常です。自家製麺だったらすげー天才かもね。

 
<細ストレート麺のクツクツクチクチと小気味よく切れる快感さ!>

 ちょうどアルデンテの峠越えという感覚。クツクツっとした歯ごたえの小気味良さが前半にだけは前歯に残る感覚。しかし後半には失せてしまうが、その反動として滑らかさが生きます。この滑らかさから、「多加水の中の低加水」というようなニュアンスを感じます。若干、練り水任せな締まりよりも、粉というかグルテンの風味も感じますし。












【具:やっぱり定番の二種チャーシューはいい!それにプラスアルファ!】


 天国と地獄・・・とくれば、本当は運動会等でのおなじみ・・・オッフェンバックの喜歌劇「天国と地獄」のあの曲ですね。そんなテッパンで上質で、なくてはならないトッピングで幕を閉じる一杯です。しかし、どんでん返しも仕組まれておりました!


<流布した二種チャーシュー盛り!ここは肉厚さがいいね!>

 豚と鶏の二種。豚はバラ肉でトロトロでして、スープ製造に相当貢献した後と思えど、それなりにジューシーでして、しかもあとからスープを吸い込んでホロホロ加減で柔らかい。タレも薄味ながらも深く染み込んでいてナイス!鶏肉に至っては単なるパフパフを通り越して、肉厚そのもの!歯ごたえを十二分に感じるほどにパフパフ度もMAXなのであります。無論スープの吸い込みはスポンジの如し。うまいに決まっている!









<大根が堪らん!ブリ大根ならぬ「煮干し大根」>

 しかし、素直に終わらんかった・・・どんでん返しあり! それはまるで黒澤映画「天国と地獄」を観るようです。すごく緻密に計算されとったわ、この一杯! 大根が奇想天外です。ぶり大根か、おでん大根か・・・・。それらと匹敵するかも??と思えるほど、煮干しの旨味が十分に染み込んでいて、口にほおばると零れ落ちるほどの汁!この美味さで、この一杯のコストパフォーマンスが決まったかも!ちなみに、ランチタイムは麺大盛りがサービス。750円でこの感動でございます。












 総じまして、「場違い覚える純粋なる一杯」、または「地獄から天国への登り龍!」かと!これは穴場かもしれませぬ。しかし意外にパチンコ屋の駐車場利用可能とあって、クルマ便利で家族連れもひっきりなしに訪れるかも。悪いような、良いような。ラヲタを唸らせる一杯を、パチンコで負けて頭を抱えて掻きながら食うおじさんたちや、また家族連れのお子ちゃまが取り分け皿で食しておられる展開。十分に味わってね〜。なので詠います!



   昼過ぎて
   街道沿いの
   遊技場



   勝ったら天国
   食っても天国



 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!





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