いろいろな人の話や伝記を読むと、私のような中年のええ年になってくると、一番ツラいと思う時期がぶつかることが多いようです。いやマジで、これまで生きてて一番ツラいと思ったもの・・・この1〜2年は。これだけの頑張りを、もう少し若いときにできていれば、もう少し違った世界が見えていたのかもしれないと思っている。だけれども、ダレもがみんなそう思ってるよう。なにも自分だけが、特別苦労しているわけでもなさそうなのですな・・・・。苦労をすること。ある有名な経営の神様なら、「そんなん苦労でも何でもない、難儀してるだけや。知恵絞ってのりきりなはれ」と喝を入れられそうだ。絶対に逃れきれることではないし、文句をいっては自分が安っぽくなるだけなような気もしてくるので、とにかくぶっ込んでいくしかないね・・・・。そんなわけで、この日。来月から新しいミッションを与えられることが判明して、一日中、ちょっと心不安定であったのは、確かである。11月からは、また尋常でない忙しさにハマる。
・・・などと考えていたら、妙にまた麺が食いたくなってきた。今回も中央線に揺られての帰り道、急にある店の一杯を食いたくなった。阿佐ヶ谷の「つけ麺処 三ツ葉」さん。よく残業きつくて晩飯食いそびれたときに、一時期ハマって通っていた店であります。なぜかというと、夜遅くまで営業していて、駅から近いという立地。それに、こちらの麺がとても好みであったから。あわせて、キンキンに冷えた生中がとてもお気に入りだったわけ。今回は、ちょっとふて腐れてた私を同僚が慰めてくれたプチ宴がありました帰り道だったため、生中は遠慮しときましたが・・・。
こちらは、不思議な店でいつもそこそこ客入りがあるのに、満席ということは少なく、逆にガラガラってことも少ない。なので入って寂しくもなく、うるさいということもない。むしろ、妙な居心地がいい店なのでありまして、いかにも中央線沿線って雰囲気もありなむですな。ふてくされた私をやさしく包み込んでくれるような一杯・・・・なので「あっさり醤油ラーメン」を今回はチョイス。つけ麺の塩とどちらにしようか、正直相当迷ったのだわ(笑)。
【スープ:「あっさり」という以上に「やさしい」味わいに心和む!】
<誠に柔らかい豚コクと僅かな魚介感が甘く・・・>
実に久しぶりな麺顔・・・しばらく忘れておりました優しいお顔を拝顔という感じです。不自然に湾曲した丼がまた素朴感を演出しとりますが、いかにも「やさしい醤油」といった、ちょっぴりパステルちっくなブラウンがとても印象的です。見るからに和やらかい醤油だと伺い知れます。レビ以外にも何回も食っていて・・・これまた一時期この店のストーカーと思われるほど通い詰めておりましたが、忘れたころになって無性にくいたくなるってやつですよ。
相変わらず・・・アッサリさが実にいい!淡麗さとはまたちがったアッサリ味でして、味の丸みにひときわ特徴が伺えます。まず醤油がカエシ柔らかめでして、塩気をあまり感じさせず旨味と塩気の区別すらしにくいといった感覚。とてもナチュラルすぎる塩気と申せましょうか。あとは出汁の味付けに任せた!といった塩気感覚なのであります。そしてその出汁ですが・・・やはり豚コク主体とした動物感が実に柔らかと受け止めます。更に加えて仄かな魚介。これは節か小魚か・・・・。ま両方なのでしょうが、私的にはこの甘みに小魚系を感じます。かたくち鰯系というか、細かくすり潰したようなほのかなパウダリーっていう感覚でしょうか。豚魚とはまた別物の、あっさりとした出汁加減で陰の存在。この陰の存在的なナチュラルさがまたええねん!
<映える焦がしネギ油とフレッシュ有機玉ねぎも香しく・・・>
質実なスープ・・・という単純なキャラクターでもない。そこにはちゃんと色気もあったりして・・・・。まず焦し葱油。この香ばしさは、食欲をそそるだけでなく、どこかメラメラっと陽炎さが際立つような感覚。そして、それに相反して、テーブルセットに配置されているフレッシュ玉ねぎ粗微塵。この清涼感がまた陽炎さとは真逆な立ち位置であれど、別の角度から感じる甘さがまたいい。
食べ進めると、レンゲや麺に引っかかる焦し葱の部分でビビッとくる。そしてスープを飲み干すタイミングで玉ねぎ粗微塵がひっかかり「シャリ!」という歯ごたえのあとにじわりとする甘み・・・・。真っ赤ルージュと、ピンクの口紅ってほどにも感じるその差が、また一体化して気持ちよろしい。あと、ところどころ、一枚乗りの風合いが溶け出していて、そういうところもスープの中では総合的な一体感があって・・・・あっさりとは言え、実に複雑な計算を感じます。
【麺:加水やや多めに感じながらもクッシリとした固さがまさしく好みなのです!】
<相変わらずデフォルト固めなクッシリ太麺!風味豊か!?>
中盛無料サービス!こちらのお店のサービス精神ですな!しかもこの麺は、よく出来ているとおもいますよ!うんちく書きによると、北海道産小麦「ホクシン」の全粒粉ブレンドとのこと。100%国産素材というだけで、安心感を与えます。そしてそのうんちくに負けることのない質実とした麺。まずその風合い。あっさりスープということもあってか、小麦の風味を如実に感じ取れるようです。こちらの麺は、固めな茹で具合がデフォルトのようでして、その中のグルテンの中に・・・・どくとくな小麦の熟成が、鼻孔を駆け抜けるようです。
それにしても、相変わらずなクッシリ麺だこと!ラーメンにしてはとても太い麺で、言わば強麺に近い風貌なのだけど、決してやっつけにくくない。そこそこのハードさ止まりといったところで、あとはしなやかな性質もあわせもつというかんじかなと・・・。前歯の千切りにおいても、ひと噛みひと噛み毎に、少し刺さっていくように感じる千切り感覚であります。
<汁を吸い込んでもぶるん!とした力強いコシつき>
ところが後半は少し汁を吸い出して、強麺が滑らかになっていくのだから面白い。小麦の風味にスープが混じるのと同時に、スープにも小麦の風味を移していて、それは相乗効果なのだけど・・・・汁を吸った麺の柔らかさもまた「プルン!」とした優しい反発であり、これまた楽しい。やや捩れている風貌がまた汁の吸い込みにより、やや膨らんでいるようにも見えなくもない食の後半戦。
基本的には、麺は咀嚼そこそこで、あとは飲み込んでしまうもの。そののど越しの感覚にかけるのだが・・・これまた、このちょい固めの捩れ太麺は、適度な刺激を与えてくれて食う方としても楽しい。とくにこの強い反発、固めのテンピュール感覚が、実にのど越しに映えるのであります。
【具:ひとつひとつに手抜かりないところが印象を上げるね】
<ほぐれるようなスポンジ風のチャーシューがいいね!>
肩に近い部位なのか??分からんけど、いやはや・・・・大ぶりの赤身部分がややスポンジ状にも思える咀嚼感。その奥にじんわりと感じる煮汁と肉の風合い。塩辛くなく、肉そのものの味わいを感じるタイプ。醤油タレもあるのだろうが、基本的にはそのナチュラルな塩味に支配されているのがまたいい。
汁を逆に吸い込んだりして・・・・熱で段々と脂身が溶け出して行くと、急速にほぐれ出していくブロック一枚肉。箸でつまむと適度な反発のあとに崩れてしまう(笑)。それをかき集めて原型に戻したりしてね(爆)。ともあれ、こういうハードボイルド系のチャーシューは、大勝軒系列と同じくらい好きであります。
<コリコリめんまと海苔の風味が手抜かりなし>
いつもの3兄弟・・・・チャーシュー、メンマ、海苔。味玉は高級品なので、毎回トッピングに加えるわけには行かない。私にとっては、肉、メンマ、海苔が大体の定番トッピングなのであります。まずメンマについては、いつまでもこうあって欲しいという安堵感と期待感。適度なコリコリ感の中に、フレッシュさを感じる程度のやつがいい! そして海苔についても、ハードな肉厚さはないものの、風合いとしてはなかなかに満足させてくれましたよ!まさに、どれも手抜かりなしという感覚ですね・・・。
総じまして、驚天動地な仕事の業務変更に戸惑う私を・・・やさしく包んでくれた一杯に感謝。思えば、関西から東京に帰って来て、慣れるまでの間はこちらによく通っていたものだと今更ながら思い出しました。そんな、ちょっと不安定な心が、呼び寄せたのかこの一杯という感じ。旨い食べ物ってその時々の心情で強烈に心に焼き付けられるものかもしれません。苦労してたときに食ってたもんが、後になって印象深かったりしますもんね。なので詠います!
久々に
通う常連
リラックス
束の間余裕の
秋の夜長
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!!
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