<ラーショ・デビューは、YAMANAKA@箱根ヶ崎でーーー>
これまで、3,000杯近くレビューしてきて、一度も食ったことない「ラーメンショップ」。思えば関東各地、それも郊外にも展開し、以前はゴルフ場を目指す時には、ちょくちょく街道沿いで見かけた赤いビニール屋根であります。よく黄色い文字で「うまい」と表記されてますよね。そういうのがずーっと気になっていて、うがった言い方するならば「自分で言うか?」「自分でハードル上げよったわい」などと感じてこれまで敬遠してきた次第です。この度、ちょっと遠出の用事があったため、その帰り道に立ち寄った訳で、本当にどこでもよかったー。決め手は安さ!400円ってところが、どんなラーメン出して来るのかと興味が湧いただけです。おやつ的感覚でしょうかねー。
訪問時は昼飯ピークを過ぎたあたりかと思えど、コの字カウンターが8割程度埋まっているような状態。おばちゃん2名のオペレーションでナイスコンビネーション。思い描いていた男臭さとは無縁です。そのせいか客層は皆地元客ではあるのだけど、家族連れとか壮年カップルなどが多く、時々世間話などされてるのが、非常にローカル的で和みます。適当に座ったのですが、おばちゃんがさっと厨房内で立ち寄ってきて注文を受ける体制になっとります。予定通り「ラーメン」を注文。
「ゆでたまご 1コサービス」との表記あり。プラスチックの籠には、Mサイズと思われるゆで卵が冷や汗をかいた状態で積まれています。こういうの嬉しいよね!。ちょっと冷たくても心意気がナイス。待ち時間を有効に過ごせる上に、心も温まりますよー。しみじみとしていたら、意外と早く配膳が完了いたしますー。
<背脂エキスと塩気の蕩け具合が妙にそそる!惹きつける何かがあるね!?>
さてその麺顔、実に大衆的な面構えでいかにもラーメンたる何かを感じます。具は、海苔が二枚とワカメにチャーシュー。薬味のネギは多めで、薬味というよりスープの具かといった感じです。そして、ラーショのシンボル「青磁の丼」が実にヴィヴィッドな印象。ちなみにもう一つのラーショにシンボル、デカいレンゲも今回初めて対面いたしました。
スープは予てから知った感じの白濁スープ。いわゆる豚骨系に似ているかと思ったのですが、豚骨スープというより「背脂スープ」といった印象です。「ザ・豚エキス」なるフィーリングを強く感じますが、豚骨の髄を絞り出した感じというより、背脂のコラーゲン感覚が強く、それが全体的に撹拌されているような面持ちのスープでしょうか。なので、豚骨系の塩気を感じる一方で、強く脂の甘みも感じてしまいました。また完全乳化というより、微妙に分離しているのか?と思えるところもあって、その微妙さが「ラーショ」の楽しさなんでしょうか・・・・ビギナーが偉そうに語ってすみません。
その背脂の甘味に、醤油ダレなのか、調味料なのかの塩気がうまくブレンドされており、実はパンチが効いたというより優しい味わい。これはまさに分かり易い旨さで、若い頃ならハマっていたような感覚です。醤油控えめを塩が代替しているようなエッジングが印象的です。
さて味変、チューニングですが、「コショウ」「味塩」「業務用おろしニンニク」「豆板醤」が備わっております。家系ちっくに「ニンニク」「豆板醤」で攻めたいところですが、今回は、両方とも少しばかりに抑えておきました。しかし、ラーショにニンニクは合うねー・・・・。背脂コラーゲンの甘味に化合した塩気が、グググっと呼び覚まされるようなイメージですし、それに呼応した豆板醤が一気に別世界の味わいへと召喚させて行きますよ・・・・うまし。
<ねり水で個性的なイエローバディと密度感!背脂コラーゲンが絡む旨味哉!>
麺は、標準的な細さで緩やかなボコボコ感があるイメージ。ストレート麺とは言い難く、さりとてちぢれ麺とも遠い。ここではボコボコよじれ麺とでも表現させてもらいましょう。ねり水の個性がはっきりと見受けられるようなイエローバディーな色合い。いかにも大衆中華麺といった感じです。これって本部直送なんですかねー。・・・・そういえば、赤いビニール屋根に「のれん分け店有」と表記されていたので、これはちょいと出のラーショとは違うぜ!って意味であろうし、麺もある程度の汎用性も伺えます。
個性的なスープに対して、非常によくできたマッチングです。ギトギトっとしたスープがある程度、麺が濡れた程度に染み入るのですが、その感じが咀嚼により脂の旨味と、麺の旨味が一気に融合していくようです。前歯でのスパスパとした千切りではふわっとした程度でしたが、奥歯へ運び込んでプレスした途端に、スープと麺の旨味合唱が始まるー。これは脂と糖質の融合ってやつですかね・・・うまし。
あとは夢中で啜り上げるのみですよ!脂の海をくぐり抜けてくるわけですから、滑りが良いに決まっているし、ズボボボボボーーーと啜り上げて、後半は興奮しすぎたせいか、ほぼ飲み込んでいたのではないか?と思えるほどにー。落ち着け落ち着け、いい歳してるんだから!。気がつけば・・・また相当数の先客を追い越して食べきってしまった。
<脂少なく程よい薄味のロース肉!スープが染み込んでなお旨し!>
海苔は、両端に対称的に置かれるが、あっという間にスープを吸い込んで溶けてしまう。またワカメはそれとは違って、微妙に乾きを残した部分もあるが、スープを吸い込んでからが生き生きとしだす。同じ海藻類でも真逆の展開を面白く眺めていました。
さて400円ラーメンとは言え、チャーシューは侮れません。伝承を守ったかのようなティピカルなロース肉チャーシューで、薄味で肉本来の味って感じがイメージ良いです。作り込みも丁寧さが伺えるし、スライスの厚さもケチってないし、二枚もある。これがジワジワとスープを吸い出して、生き返ったかのように旨さを感じます。やや脂身が少ないところに、背脂コラーゲンが染み入るわけですから、そりゃ生き返るよな・・・。風呂上がりにせっせと皮膚にコラーゲンを浸透させようとするご婦人方の気持ちを、ようやく理解できました。
総じまして、「また一つ見つけた旨し背脂の海!しばらく泳いでみたいラーショの系譜」と言う感覚でして、太らない程度にちょくちょくコレクションしたいと思います。さて次回は、やっぱり「ネギラーメン」に挑戦ですな。諸兄のラーショ・レビューをこれまで幾度と見てきましたが、デフォルトもさることながら、ネギがそそります。実際に右隣客のネギラーを横目で見ましたが、盛りがすごいー・・・これならネギ大好きネギ星人も納得と思われます。また左隣客のミソラーメンも旨そう・・・・。いっそのこと、ネギミソラーメンってのができるか知らんが、食って見たいともはや妄想が止まりません。そんな状況で知恵熱が出そうになる前に、最後に今回の感動をちょろっと詠ってから、明日に備えてもう寝ますー。
背脂の
甘み塩気が
染み入りて
青空映える
真っ赤な看板
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
ラーメンショップ路線バスの旅 [デウスエクスマキな食堂17年夏号]【同人誌: 52ページ】
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