<住宅地に異様な待ち列発生の注目店>
新たな名店誕生というニュースを聞いつけ、ようやくとある週末に訪問してまいりました。長い大勝軒連食呪縛から離れて、今いちばん食いたい系統が、こういう普通の醤油らーめんです。さて・・・勢い余って開店時刻からかなり早めに駅に来てしまって、どこかで時間を潰す前に、場所を確認しておこうととたどり着く。するともう客が並んでる。看板がなく、普通の寂れたお好み焼屋の風貌に、表札だけが「麺屋 坂本01」と下げられてるので、逆に並びが無かったら見つけられなかったかも。早々に行列に連結して、営業開始までの時間は、店の前で過ごすこととなりました。
しかし、並んでいる最中は、通りすがりの人から奇異な目線を送られるばかり。本当に目立つものも、コンビニもない住宅地に、ぽつねんと行列が発生しているわけだから、歩道の邪魔になるだけでなく、変な人たちと思われているに違いない。みなさん、行列中はなるべく静かにしましょうねー、周囲の住人だけでなく、お店にも迷惑をかけることとなるので。
汁:「醤油のエッジと透明度!鶏ガラ芳醇にして、なんと山椒が美しく響く!」
配膳時には、ときめきを隠せません。この美しさはなんぞや!。琥珀色で透き通ったスープの中には、美しき巻き巻きスタイルの麺が、綺麗に整って沈んでおります。その麺の巻スタイルは、麺や食堂、柴崎亭、たんたん亭、果ては柳生博の後頭部などを想像させます。それにしても素晴らし。この美しさを崩してしまうのが勿体無い。
なのでまずは、麺巻きを崩さないようにレンゲをスープの中に静かに沈めて、いつもよりゆっくりサルベージして味わいます。ううう!・・・うまい。鶏ガラスープのスパッとした煌めきある味わいが沁みる。それにコクが芳醇なのにキレがあるような感じなので、ライトとすら覚える。そこに醤油ダレの塩気がにじむのだから堪らない。さらに熟成の「綺麗な香味」と「淡い酸味」を醸し出してくれます。実はこの時点でもう、「これのワンコインラーメンはバケモノか!?」と頭の中でつぶやいている。きっと、シャーが、初めてRX78ガンダムに出会った時の驚きはこんな感じなんだろうね・・・・。魚介は入っていようが感じる暇なく、鶏ガラ清湯の凄みにただ浸ってた・・・。
冒頭の2ー3クチで、スープを見切ったつもりでおりました。ところが、トッピング薬味を全部溶かした時から、一気に味の風景が変わった。実は最初から和なスパイス感を漂わせていたのだが、ここではっきりと「山椒」と「玉ねぎ」の個性が加わり、味がシフトアップ。いやトップギアに。実は私は京都人なので、子供の頃から、うどんには微妙に山椒を効かせて食って育っており、麺類に山椒が加わると無性に嬉しいのです。鶏ガラと醤油清湯に、こんなに綺麗に山椒が合うなんて、全く想像していなかった。また玉ねぎは極微塵で半分摩り下ろしに近い状態で、スープを汚さずに溶けます。甘みがこれまた映えて、野菜エキスの力を今更ながら再認識いたしました。ひょっとして、この山椒が好みの分かれ目であったりもしますが、一般的には受け入れやすいと思いました。
麺:「流麗極まれりなストレート細麺の流れ!シルキーなスベりがナイス!」
もう今の若い人は、柳生博の後頭部みたいなーって言ってもわからないだろうね。だから前半の訂正も兼ねて、もう少し真面目にコメントします。私は、麺を茹でる時、絶対に泳がせながら茹でるのが絶対に美味いと思っている。だから平ザルの湯切りだと少し興奮してしまう。最近は「テボ」も進化していて、クチと底が広く取られ、湯切りもしやすいようにもなっているのだけど・・・泳がせて平ザル湯切る方がやっぱり安心感がある。こちらは、そういう私の好きなタイプ。店主の湯切りの後ろ姿を見てたら・・・なるほど、そういう具合に丸め込むのだと技に感心してしまった。たんたん亭では、それが見抜けなかった。
姿だけでなく、麺自体も大変うまし!。とても色白な細麺で、表面は微妙に薄皮一枚が透き通ってるような感じで滑らか。切り口は正方形だが、この透き通った部分のせいか、とて滑らかで丸麺かと思うほどにスムースな口当たりと舌ざわりです。加水はやや多めってくらいで、多少モチモチしているが密度感が失われず。スープの熱さに熱だれすることもなく、前歯でプツプツプッツンと切れ込み、奥歯では束になったそれをプレスすると、順序立ってずれながらクチクチクチ・・・っと潰れこむイメージです。
啜り上げは言わずもがな、なめらかの極致。いや、シルキーと言った感覚で、「もっとくれ、もっとくれ」と脳内麻薬が発生されとります。ドーパミン最大発生!
具:「隙なし!メンマも極上、肩ロース肉も薄味で淡麗なうまさ!」
一般的な、格安ラーメンやワンコインラーメンは、トッピングで限界を露呈してしまうのが常。それでも、そのコストの限界に挑んだ店側の努力、度量、計算力などに、私は拍手をこれまで送ってきた。しかし、今回は、そう言ったビジネス感覚を全く意識せずに食えたことに、むしろ驚いております。
例えば、このメンマ。二本だけですがとても凛々しく質感が高い。繊維質が細かく、味わいは素材感とつけダレの味が調和している上に薄味。スープとの相性もバッチリ。うまい。そして肉だがサイズや厚さがどうのこうのと考える意識が飛ぶほど質実。レアじゃないけど温かみのあるピンク色。ロース肉で割と淡白な味わいなれど、スープに浸れば残存した脂が復活したように旨味と呼応する感じ。二枚あるのでこれで十分です。
しかし、ここの段落でこれを言ってはいけないかもだが、この一杯は、「素ラーメン」として提供しても、ワンコインで十分通用すると思う。逆説的に言えば、そこに質実なトッピングが載っていてワンコインという素晴らしさを認識してもらえれば幸い。
総じまして、「東京で一番美しいワンコインラーメン」と言う毎度毎度、何のひねりもない感想でごめんちゃい。いや、言い得て妙かも。この質感で500円というのは、むしろ申し訳ないような気もしてくる。減価償却仕切った老舗でもあるまいに。次回は単価の高いものを食って貢献したいと思います。ところで、券売機にある「ハンドタオル100円」ってとても気になる。いわゆるビニールに包まれた巻き状態のおしぼりのあれ?そして持って帰っていいの?またはおの店オリジナルのエンブレム刺繍入り??誰か試してみた人がいれば、教えてください。え、自分でやれよって???「白御飯100円」の方が魅力的なので、そちらへ逃れます・・・。といことで、都合のいいことばかり言ってますが、とっとと詠ってもう寝ます!。
花曇る
休日朝の
住宅地
長閑かき消す
ラヲタの熱気
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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