<文化財的昭和大衆中華屋>
先日、クライアントに誘われて訪れた「中華 市番」でしたが結構混んでた。どうも大将の姿が見えず、老齢な女将さん一人でオペレーションしているではないか!?。他のテーブルを見やるとバックオーダーがまだかなりありそうな状態。こりゃ待たされるな・・・と言うより、なんだか女将さんが可哀そうに思えてくる。その時はご遠慮して別の近くでサバ味噌煮定食を食って帰りました。そして、今回また来てみたら・・・やっぱり、大将の姿がまた見えない。常連でもないので、事情を訊くのも憚れるため、とりあえず「ミソラーメンお願いします」とだけ伝えて、テレビの昼ワイドショーなんぞに目をやって過ごします。400円であります。商売というより、ボランティアにも感じます。高いメニューでも上限500円という格安なのもあって、結構昼時は混むのだけど・・・・。
わざわざ厨房から回ってテーブルまで配膳。おまたせしましたと優しい声のあと、腰のあたりをさすりながら、また厨房へと戻っていき、また仕込みを続けておられる。まったく頭が下がります。仕事がお好きそうな感じも見受けられ、自分の引退を自分で決められる仕事ってのも、ちょっと羨ましかったりもします。
汁:「ライト味噌味!レトロな食堂的味わいに和む〜!!」
さてそのミソラーメン、お味はまさしく「食堂的味噌ラーメン」という感覚。突き抜けるものはないのだけど、「味噌風味のラーメン」感覚がたまらなく和みます。塩気は薄く、味噌の酸味はないタイプ。味噌汁同等のライトなフィーリングの中に、挽肉炒めとモヤシ炒めのエキスが滲みます。後から喉が渇く心配は全くありません。それでもそれは、まさに丁度良い塩梅なのでして、無理なく食欲が進む。最近胃拡張だから、ミソラーメンのお代わりができそうです。
麺:「細くて加水多め・・・・長い付き合いを感じるような馴染みある中華麺」
麺は、非常によくお目にかかるような街中華共通の、ストレート細麺。これもきっと長年付き合っている製麺所からの仕入れなんでしょう。加水が多めで、やや柔らか目の茹で上げ。ブツリと前歯で切ると淡い反発があり、奥歯で束になったそれをプレスするとクチッと容易に潰れこむタイプです。
ご愛嬌だが少々麺が絡みあってダマに近い状態の部分もある。しかし、ご老齢の女性が、大きな平ざるを駆使し、チャッチヤと湯切りするには、相当のエネルギーを消費するはずであります。湯切りが甘いなどと言えばバチがあたりそう。それはオーバーな表現ですが、誠実な仕事ぶりは伺えます。柔らかさにしても、ライト系味噌スープにはすごくマッチするし、モヤシと絡んだときの複雑な歯ごたえもたまらん。
具:「安くても寂しさを感じさせない・・・愛情ってのを感じます」
具は、キャベツの粗千切りともやし、そして挽肉を炒めたもので、価格を抑えながらも工夫を感じるボリューム感覚です。スープにも出汁として貢献し、麺とは歯ごたえのコラボで十分に楽しませてくれます。あっさり味の中で、最後に私は辣油をひとかけしてみました。多少味にシャープさが生まれ、冬場にはありがたい味わいに変化します。
総じまして、「いつまでも大切にしたレトロ系味噌麺」という感覚で、これは保存したいような気分ですね。味にとどまらず、店内の全てのものや空気感も含めて。紹介し過ぎて、女将さんの負荷が増えても迷惑なのだろうけど・・・、こういう見事に昔気分で和める街中華屋は、温かい目で応援してゆきたいものです。混まないような時間を狙ってまた来ますね。感謝の気持ちを込めて詠います!。
北風が
立春過ぎて
冷たくも
優しさ溢れる
市番味噌麺
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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