【今週のラーメン１７１０】製麺rabo （東京・西新宿五丁目）塩らーめん

　今年の最後までいろんな「塩の旅」を続けてみたいと思いたって一か月以上経ったものの、「あの店旨かったな〜」なんて未練たらたらだったりします。もう一回食いたいと思うとそこには塩ラーメンがなかったりする。塩ラーメン追加展開情報などをチェックすることが増えるのですが、そうやってだらだらとネットで思いつくところをチェックしていた。すると、「製麺rabo」さんで塩メニュー追加情報をゲットした瞬間から、もう瞬時に訪問を決意です。「西新宿五丁目」界隈へ直行！

　この辺り、夜は意外に暗いんですよね〜。中野坂上と都庁の狭間って感じで、クルマでも素通りするばかりですから。風が少し冷たかったけど、突き進んでい行って、角を曲がったところに「ラーメン」という提灯を見るととてもホッとさせられます。訪問すると、先客２名のサラリーマン。話ながらつけ麺をゆっくり食って、まったりと一日の疲れをいやしておられます。聞こえるのはテレビの音声。一日の終着駅という落ち着きが支配します。座るなり「塩ラーメン」って注文通したけど、目の前のメニュー表の隅っこに、注文とるまで待つのがここのスタイルだと書いてあった：汗。

【スープ：鶏ガラの味わいに甘辛と香ばしさがバランスする出汁感覚】

＜割とキッパリとしたソルティー感覚に、焦がしねぎ香味が甘く香ばしく＞

　配膳の瞬間、ちょっと乱れた感じもしないでもないが・・・、スープのしっかり感は伝わってきます。薄黄金色に少し褐色がかった透明度が第一印象で、麺を啜りあげるにつれて、グルテンのエキスが混じり出す。そして、霞がかってくるような、時間差で風貌が変わってきます。

　割としっかりとした塩の輪郭があると思うのだけど、尖っていない。ソルティーと一言で片付ければ単純すぎるけど、割ときっぱりとした塩加減がむしろ好印象で、〆の一杯的にはやみつきになりそうな塩分補給という感覚。そこに、焦がしネギ油がササーーッと広がり、独特の甘さを纏う。その上、焦がしの香ばしさがまた食欲をそそる系なので、塩気 VS 甘み VS 香ばしさの三位一体という味の構成。淡麗ではなく、そこそこ濃ゆい味わいなので、これは単純に食欲をそそりあげます。

＜鶏ガラメインの出汁感覚に、極僅かで仄かなスパイシーな後味＞

　また、結構熱さがあって個人的にはとても好印象。こういうのは動物エキスがキリっとするんだよね〜・・・。味わいは他にも「鶏ガラ」のコクのゆったりさがいい感じ。丁寧な煮出し感があり、脂の透明さでとてもキラキラしていえる輪が美しいです。塩味が割とキッパリとしていると申しましたが、これは鶏コクとの結びつきの強さを感じるかも。鶏塩というベストマッチな相性を感じます。しかも、塩気の奥に・・・・個人的には、少し・・・仄かに・・・・・僅かなスパイスのエッジングを感じまして、これがまた食欲アップの決め手となっているのではと勝手な妄想をしております。真偽は不明・・・というか、ほぼ妄想じゃろうがな。

【麺：やさし〜い・・・・口当たり！そして淡泊な歯ごたえ感は、とても上品系】

＜冒頭から啜り負担少なく、シルキーなオープニング＞

　麺が実は意外であったかも・・・。前回訪問時の印象は、少しクツクツとした冒頭のイメージから、汁吸ってしなやかへ変わっていくクラデーションを楽しんだような。しかし、今回は、冒頭から「イキナリしなやか」でんがな。２回しか訪問していないんで、どちらが本当かは不明なのだけど、しなやかをシルキーと前向きに捉えられる感覚。舌触りは完璧に丸麺のごとしの優しいタッチ。箸の上でも揃いやすいので、口当たりもスムースで、すすり上げる抵抗感はとても低い。本当に、するすると抵抗感なく食えるとは、このことかもしれません。

＜淡白にクチクチ！スパスパっと切れ込むリズミカルさが楽しい＞

　きっと加水自体はやや中加水より多めで、潰しこみ感というか密度感がそう高くないのでしょうね。前歯の契りでもスパスパと、とても小気味よく、奥歯に送り込んではプレスで面白いようにクチクチと潰れるし。そのリズミカルな歯ごたえがとても楽しい。

　また、麺の煌めきがとても良いね〜。白いめの地肌ってとても上品に感じるし、しかも淡白な潰れや切れ込み自体がそれに感じる。焦がしネギが張り付く様も、天目茶碗のような落ち着きを払うか・・・・（うそです）。

【具：塩の程よく染み込み香ばしいバラ肉チャーシュー】

　とまあ・・・・一通り味わって分析してみたところで、無条件にうまいと思える「バラ肉チャーシュー」へ・・・・。これはまた、いつもながらテッパン級のうまさです。これも意外でしたが、こんなに香ばしかったっけ？前回の心象と比べてしまう。いや、前回も今回も旨いに違いないのだが、塩気のシンプルさ溢れる旨みと、外周の微かな焦げ目がとても香ばしい。塩ダレが滲んでまた、滲むと旨みが優しくなるね〜。脂身があまりないようで、しっかりと隙間に溶け込んでいるような、ジューシーさも見逃せないし、これは、ライスでいただきたいかも！

　総じまして、「キッパリ感としみじみ感がバランスする鶏塩清湯・・・温まる感覚」という印象でしょうか。おそらく・・・というか、きっとまた来ます。順番からすると支那そばかな。この界隈の昼間はわかりませんが、専門学校もあったりして若い方やサラリーマンも多い界隈でしょうか？夜は西新宿へ流れるのか、暗がりの多いエリアですが、ちらほらと光る看板や提灯が温かくも感じて、また風の冷たさも知るかも・・・・。これから、寒くなるにつれて、ラーメン寄り道がが厳しくなりましょう。しかし、たどりついた先の喜びはまた格別。なので詠います！

　　　年の瀬が
　　　迫る夜道に
　　　ぼんやりと

　　　灯り招くは
　　　ラーメン提灯

　お粗末！ということで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！