着ていく服が無い。だいぶ春めいて来たので、春夏のスーツを押し入れから引っ張り出すと・・・ポケットがすり切れていたり、型がいかにも古かったりして戸惑う。なんだか感覚が変わって来たのかもしれません。ネクタイがそもそもしなくても良い職場になったからでしょうかね。おしゃれな職場とはほど遠いのだけどね・・・。この年齢にして、こういう感覚は初めてで自分でも違和感を覚えます。それなりのをいつも着ていて、格好を考えるのが逆にポリシー違反なような気がしていたはずなのに。ちょっと思い切って新宿に出かけて、思うままに選んでみたけど、結局販売員の思うつぼだったかもしれない(笑)。春になって、オモロい格好をしていたら、妙な気遣いは無しにして、アドバイスをいただきたい次第。
・・・・などと考えながら、思いのほか新宿での買い物が順調に進んで、時間が1時間も余ってしまった。なので・・・妙な虫がうずきまして、どうしても食いたい!っていう一杯を求めて即行動です。新宿三丁目から西早稲田へは、副都心線で一本!すぐそこ!! 勢い余って開店10分前に到着したら、あとから客が来るわ来るわで・・・・・流石人気店!ってのをまざまざに感じました。期待が高まります!
【スープ:ハイグレードな魚介感!煮干し+追い鰹マジック!!】
<まさに追い鰹!煮干し感クリアリーにアクセラレート!!>
店先に流れる煮干しの香りで、通りすがりの人たちも思わず振り返る。調理場のスキマから覗きみるに、大量の煮干しをシノワで濾すところなど、煮干し醤油の崇高系なオーラが垂れ流し状態の店内です。これは久しぶりに待ち侘びる・・・という気分にさせます。長細いコの字状のカウンターが対面式風になっておりまして、カメラの出し入れも少し恥ずかしくもあり・・・・躊躇していると配膳が完了。大凡10分少々という待ち時間がいつも以上に長く感じてしまう期待度の高さです。
さて麺顔。意外にも明るく濃い煮干しでやや濁りすら感じる・・・ランチョンマットのせいか和!という感じもあまりしないのだが、まずレンゲですくってひと飲み。・・・・!おおお!ぶわーっと明るく魚介が攻めて来ますがな!単なるニボニボというやつでなく、明るい魚介感!これがその「追い鰹」の仕業とすぐに分かります。いや〜・・・追い鰹で煮干しが明るく引き出されたという感じがありありでっせ!しかも、苦みがクリアーでいい感じで抑えられているというバランスの良さにただ唸るばかりです。
<塩気も映える!醤油酸味も余韻を感じる>
しかも濃い味なのだ。塩っぽくなく鰹等の魚介成分の旨味が濃く、それが塩気を誘うという感じか・・・。確かに塩気が多いと感じるが、一切塩っぱいという感じはなく、映えたという感じかな? それに醤油のあの独特の発酵からくる酸味も微妙に感じられているではないか。確かに醤油ラーメンたるキャラクターを失ってはおらぬと分かりやすい感覚です。煮干しそばと中華そば。その微妙なラインがぎりぎりで鬩ぎあっている?その境目はまさにシームレスで、追い鰹が覆い尽くすかのよう・・・。
<意外と豚煮出しもしっかりしてて・・・>
魚介系と単に片付けたくない気持ち。意外にも豚コクがしっかりと出ていて、食後は動物感らしいお腹の落ち着きも感じる。ゆったりとしているようで、キラキラしている油の泡がまた実に食欲をそそる。チャーシューから滲み出る肉エキスも貢献か?鶏がらのアッサリ感もありなむが、はたまた、ひさしぶりにスープを残すのを勿体ないとすら思えた崇高なる微濃厚な液体です。
【麺:微妙な平打ちの表情がとてもナイス!スープとのマッチングの良さも光る!】
<やや平打ち型でストレート!ナイスなコントロール>
さらに私を喜ばせるのはその麺!標準太さで、小麦の色合いが少し濃いような錯覚を覚える。そして何を隠そう・・・微妙な平打ち型になっているのが嬉しい!その表面の薄〜い一枚部分が、少しだけ透明になっているような感じで、中心は芯を感じない茹で上げ。麺の密度もそこそこあるため、クシリ!と前歯の当たりで感じる。茹で上げのコントロールもよくできています。こちらは大盛り設定はないようで、替え玉制。こういうところ、麺の配膳時の仕上がりに気を配っているのが良くわかりますな。
<スープの絡みを感じるほどに味わいもあり>
また、スープを適度に吸い込むのだわ・・・。それがまるでスープをからめとっているかの様にも感じ取れる。麺が旨いと素直に言えますな。ぬるつきも少ないようなで、中加水麺どくとくのさらっとしたツルツル感を感じます。そう、「そば」という感覚が少しある。和そばとは全く違うのだけど、キレイな水で〆あげたときの蕎麦のごときの、凛とした雰囲気がそこにあるかのよう。
【具:チャーシューのテクニックもあるが、他もまたなかなかな仕上がり具合!】
<耳たぶのごときのパフパフ感なのだ>
チャーシューがまた立派です。かるくレアっぽい仕上がり加減でして、肩ロースあたりか、肉の脂と繊維質の混じり合った加減がまたよろしい。パフパフとした柔らかさで肉厚感もあり。味わいとしては、つけダレの個性より肉そのものの味わいといった感覚でまるで薄塩味。特製でしたが、都合4枚はあったかな?これはお得感ある特製でした。
<メンマの柔らかさとコリコリ感のバランスよし>
メンマもまた何気にやるのであります。見た目以上に太く、程よい醤油の染まり具合で、柔らかい感覚ありつつも、コリコリ感がまた品質の良さを醸し出します。確かに丁寧に作ってある感じがする。ビールのあてというより、ちゃんとした紹興酒でいただきたいという気もいたしまするな。
<味玉の黄身のトロミが三段階? ナイスコントロール>
味玉がまた・・・・茹で加減がナイスコントロールなのであります。白身部分は醤油にあまりそまらないタレがさらりと染み渡った感覚。そして黄身は、固ゆでからトロミまで・・・・徐々に変化してゆくグラデーションがまた美しい。この中でも特にジェル状になったトロミ加減は、大好きなのでありまして、味玉に腕前の良さを感じます。
総じまして、さすがわ今都内で噂になってる人気店という感じ。単に流行っているとか、テレビで紹介されたとか、そういうのでもなくしっかりとした品質感と実力感ある一杯。久しぶりに食った満足感に興奮をプラスしたような充実感を味わいました。ああ、最近いろいろともやもやしとったもんな・・・・。食って気が楽になったのは久しぶりかと。なので詠います!
春霞
先行き不安で
靄のよう
会心一杯
憂さ晴らしナウ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!
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