<ほっこりさせる店と麺!正統派な東池袋系>
所詮私はそういう男。・・・・動物に好かれない。これ昔っから。子供のころ、友達の家に遊びに行って、猫を飼ってたりするとそれが苦痛でならなかった。怖かったのもあるが、猫が何もしていないオレを背中を丸めて毛を逆立てながら睨みつけること多し。犬だってそうだ。オレだけ懐こうとしない。先日、犬が人気のラーメン店に行ったとき、吠えられるの何のってもう・・・ラーメンの味がしなかった(というのはウソでちゃんとレビューした)。最近、会社の近くの喫煙コーナー近くの藪に、猫が棲みついたらして、実はこいつが喫煙者の間ではアイドルとなっている。動物に好かれなくとも、別にこの年になっても嫌いなわけじゃなく、何とか好かれたいと思っている。この猫、野良猫の割には実にいい顔かわいい顔をしており、なんとか好かれたいと、最近思うようになってきた。かといって餌付けをしては問題化するのでそれはご法度。ちょうど出逢って2ケ月くらいにはなるが、まだ3m以内に近寄ってはくれない。最近、この猫に会うために、たばこの本数が微妙に増えつつある・・・・。
実はこの日も、千葉県柏市方面で仕事があり、そこで夜の宴がある予定でしたが、先方が急用とのことで急遽キャンセル。まあ、実はその方が良くて、気を使って飲むのが苦手。さっさと常磐線快速に乗って都内の大勝軒へと向かいます。実は「綾瀬大勝軒」を目指せばよかったのだが、快速にのってしまったもんだから、北千住で引き返すつもりだった。ところが座ってしまって爆睡してたら上野に着いてしまった。これも流れのままに過ごそうと探し当てたのが、「入谷大勝軒」さんです。わずかの距離をメトロに乗ってしまって入谷駅に到着。そこからちょこっと歩いていくのだが、「麺屋 晴」をスルーしていくのが実は非常に後ろ髪をひかれたりする。通常ならあり得ないが、今は求道者気分なので、そのまま大勝軒へ。
汁:「王道のライト豚骨魚介に微妙なコラーゲン感覚が懐かしい」
さてこの「入谷大勝軒」さん、いかにも台東区な民家と中小ビルに囲まれた雰囲気に、ぽつねんと「ラーメン赤ちょうちん」が風にゆれていい雰囲気。ある意味ソウルフル。店内はこじんまりしていて、民家改造型の飲食店の風景が実に文化的であります。老齢にはまだ早いご店主と若い跡継ぎのような二人体制。メインオペは若い方で、すでに世代継承済という安心感がある古めな店です。初訪問の店では、デフォルトを食ってみるべきだよね!と意味ない拘りがもたげてきて、今回は「中華そば」とさせてもらいました。
きびきび明るい接客が好印象の若い方から配膳された麺は、実にいい雰囲気の渋い麺顔です。明るさよりも「落着き感」をアピールするというか・・・・腹減ってたのもあって、見ていて泣ける。メンマの色合いがそう感じさせるのもあるが、スープもなかなかの落着きお黄土色です。ライト豚骨魚介が見ていてわかる。レンゲですくい上げて、予定調和の味わいを頭の中で描きますが、後追いで実際の味わいで、デッサンがトレースされていくような痛快感。この瞬間は大勝軒ヲタクとしては、もはや悦びの域です。
文字通りの「ライト系豚骨魚介」。のちに、松戸とみ田等が、濃厚豚骨魚介つけ麺ブームなど巻き起こしていなければ、これが基準だったのかもしれませんが、時代が変わった軸足からすると「ライト」。軽やかな煮干しの甘みがじわじわっと滲みわたり、その支えとして豚骨の煮出汁たエキスがしっかりとカバーしています。醤油系のタレの主張は控えめ。塩気を感じさせないけど、塩気が旨みと同化したような存在感です。基本的にはサラサラしている。魚介の粒子も細かくて舌触りには表れないなめらかさ。しかし、ほんの少し、びみょーーーーに、ほのかに・・・・コラーゲン感が滲む。ここがこの一杯のポイントのようで、上手なところのような気がします。
そしてまた、後半になって自家製辣油を少し垂らして味変を楽しむ。ふつうは餃子で楽しむものだろうが、豚骨魚介との相性も良いと補足しておきます。
麺:「汁系に合った中太ストレート!縦伸びするほどにモチモチモッチリー!」
スープも王道でありましたが、麺も言わずもがな。つけそばしては細い、汁そばとしてはやや太い、そんなサイズ感で、健康的に発色した薄い黄色が魅力的に映ります。少し表面にヌメリっぽいのがあるのも、スープを呼び込む毛細管現象を誘因して、絡みがすごくよい。ちゅるちゅると啜る中太麺が、やわらかな腰つき、すすること自体が楽しくてたまらん。
また密度感低めで加水が高めな麺のため、モチモチ度も半端ない。前歯や奥歯で千切ったり潰したり・・・・そんな中での弾力は半端ないのですが、啜って千切るときに、縦伸びするような感覚がすごい。デフォルトで300gとのことだが、これがいとも簡単に胃袋に収まり、スープも平らげてしまう。夏に向かってダイエットをしなけらばならないのに。水着が恥ずかしいからではない。健康上もあるが、夏服をこれ以上サイズオーバーで買い替えたくないだけの話。むなしい理由。
具:「脂抜けた感覚のチャーシュー! 深い浸透のメンマ!イメージ通り!」
私的なイメージにぴったり。チャーシューはロース部位で、スープ生成にも寄与したかのような、脂の抜けが程よい感じ。脂のさしが余計部分だけそぎ落とされた感じがして、食ってて重くない。また肉繊維部分は、ある程度スカッとしているところを、スープ浸透させて食うのが相変わらず美味い。肉の元味と豚骨魚介のうまさの融合がすばらしく、歯ごたえもほどほどあって、食べごたえを感じさせてくれる。
深く醤油系のタレに浸かったメンマ。関西オリジンの私としては、こういうの関東っぽいと思えてなりません。なにせ、大阪時代は、らーめん熊五郎系や、塩元帥等で、無料サービスメンマを山ほどくってきましたので、あのあっさり味が脳裏に染みついておりますので(関西ラーメンラバーなら分かってもらえるか)。それとは真逆な醤油味系です。実は、再び東京に戻ってはや5年以上たつと、こういうのも美味いと思える。そして、酒とあわせたいなーって思う。ところで、中華そばが「680円」で、メンマラーメンが「960円」という価格差がどうも気になる。通常なら「780円」か「830円」でもよさそうなのだが、280円アップってどういうこと!?。それだけ大量にメンマに埋め尽くされているのか、はたまた、今回食ったメンマは2軍で、実は1軍のメンマが控えているということか!?。なぞは深まるばかりだ・・・・。
総じまして、「気兼ねなく食える上質感覚!そしてソウルフルな王道豚骨魚介の味わい!」と言う何だか何のひねりもない感想でごめんちゃい。帰りは上野まで歩いて帰りましたが、もうすっかりと暖かくなって、ラーメン探訪としては、ベストなシーズン。先日、築地で痛めた足がまだ完治しておりませんが、ゆっくり歩くにはいい気分でした。帰りに、首都高入谷ランプの下を闊歩しますが、この一帯って中古バイク屋がとても多いのね。初めてしりましたが、大昔、MB50っていうバイク乗ってた若いころを急に思い出しました。高校は自転車通学してたから、バイク乗ると急に行動半径が広がって、すごく大人になった気分になったもんだ。高雄とか比叡山をよく流したもんです。何だか引退したらバイクにのってラーメン屋めぐりするのもいいなーーなんて。そんな夢気分を抱えつつ詠います!。
仕事はけ
日の入り前の
入谷にて
のどけき春の
王道豚魚
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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