【東京都内の格安天津麺シリーズ その6】
<高円寺では街中華と若者達が違和感なし>
また高円寺に来てしまった・・・。ワンコインラーメンにハマった以外には、「鳥貴族」か「カラオケの鉄人」利用でしか降りない駅なんだけど、確か天津麺が安く食える店があったはず。そんな訳で途中下車して、今回の狙いは「登龍園」さんへ向かいます。PAL商店街から、ルック商店街へとブラブラと歩き向う・・・。
これらの商店街はなかなか、いつの時間でも週末などは混雑しており老若男女がうようよ。バルっぽい店もあれば、古着屋なんかあったりしてなかなかデートとしても楽しめるようです。駅前へ外れるとビールケースを椅子にしたような飲み屋もあったりして、世代を超えた混雑ぶりがとても心地好さそうです。一人じゃとても輪に入れないので、いつも鳥貴族へ逃げ込むオレですが、嫁誘うのも勇気がいるし、いつも「ぼっち酒」「ぼっちラーメン」で過ごす。引っ込み思案な生を送ってしまったなーって自省しております。そんなオレにはとてもフィットするというか「微妙な寂しさが馴染む」店があるとしたら昭和レトロな「登龍園」さんでしょうかね。ややこしい酔いつぶれ客もおらず、どの客も一人静かにビールや餃子、そしてラーメンをすする。そんな店ということです。
でも今回は、そんな雰囲気なお店に、若いカップルや、街中華探検みたいな若者が、ポツポツと先客として賑わっておりました。こんなこともあるのねと、夕方時間帯の街中華の雰囲気を楽しみましたよー。
<我が憧憬を彷彿とさせる馴染みの色合いと焦げ感!庶民派「かに玉」風・・・>
さてさて、このお店の最初のお楽しみは奥様がその日の気分でご用意される「お通し」。もちろんサービスでして、この心配りとセンスが嬉しい限りです。今回は、サツマイモの甘煮。季節の手頃なものをチョイスされますが、これがなかなかお手製でうまい!。下味とは別に蜂蜜を少し忍ばせたのもちゃっかりと分かりますし、加えてレモン汁の隠し味も見逃せません。この甘甘で仄かな酸味が、なぜか醤油スープの箸休めには最適と思えるから、偶然の妙というか・・・侮れません。
そんな感じで暇つぶししつつ、厨房の奥では大将がごそごそと調理を始めている気配が感じつつ、突然厨房が少し静かになったなと思った数分後に、奥様が恭しく配膳されます。それがこの麺顔。
敢えて言うならものすごく庶民的なかに玉であります。焦げ目がなんとも言えず、私の大好きな永谷園に連想が飛んでしまいます。かに玉の雰囲気は感じられませんが、人参のオレンジ色が目を引きます。今回は餡掛けタイプではないため、醤油スープがダイレクトに染み込むのが、冒頭から見て取れます。
早速箸で割ってみると、なかなかの具だくさんのようです。人参も表面の見た目以上に入っているし、ちょっとコリコリした根菜類?があちこちにあります。蓮根??いや、そう言う高い素材はどうなのだろう・・・、じゃかいも??いやいや水煮タケノコ???。なんだか判別つかずに感触だけを楽しみました。気分はすでに「かに玉そば」というのだからカニはどこだ?と言うところに飛んでおりまして、それがなかなか見つけられずに、集中力を欠いてしまいました。
<魚介封じの豚コクメインの煮出し感覚! 醤油ダレののっぺり感が愛おしい!>
ラーメンでも感じましたが、なかなか平べったい味わいのように最初は思える。ですが、徐々にこれがクセになると言うか、馴染んでくるのです。鶏ガラと豚肉のエキスはほんのりと溶けるとうレベルでしょうか。どちらかと言うと今更ながら、野菜類の甘みの方がストレートに出ているかもしれません。それに加えて、やっぱり醤油の輪郭が柔らかく出ています。まさしく醤油スープという感じで、昭和レトロな味わいと言えば何となくしっくりと合点が行くと思いました。
今回は、この上に玉子焼のエキスがコクをプラスし、炒めの油が香ばしさをプラスするので、以前より増して味に厚みがあります。これでゴクゴクと気持ちよく飲み干せるというもので、途中でお通しで口休めなどしながら、ゆっくりと平らげて行きました。
<主張を感じる計算通りの柔麺なのだわー>
なかなかの柔らかさです。柔らか好きな方はぜひお試しいただきたい。確かにこういう麺も多くあったのでしょう。私の生まれの関西では、ラーメン店ではこういう柔らかさはなかったけど、街の中華屋ではこういうタイプの麺に出くわしたような昔の記憶です。私の親父が実に柔らかい麺が好きな男でして、料理の好みではよく口喧嘩したことを、懐かしく思い出してしまいました。
もうとても軽やかにスパスパと前歯で切れ込みます。奥歯でプレスするとクチリと一気に潰れる感覚も悪くないですね。そこに「かに玉風」の欠けらと一緒に食うと、もはや具材の一部かと思うほどの一体感ですよ。表面も透明感が少しあるほどツルツルさなので、ズボボボボーーっと啜りあげても汁跳ねなど無縁のようにスルルルルルーーっと大人しく啜り上がって、一気にのど奥へと嚥下の過程に入ります。
総じまして、「懐かしの子供心に焼きつく玉子焼き的天津麺」と言う個人的感想でごめんちゃい。どんなに街が賑わってても、ここならいつでもほっこりと特等席が確保できるという安寧さ。それってとても大切な気がして、これからもちょくちょくと寄せていただくこととなりましょう。食べ終え清算しようとしたら、また若者客が一人入って来て「ラーメン!」って速攻で注文したりすしてた。世代違えど同じような若者もおられるのかなーって思うと、「あなたもひょっとしてラーメンブロガーですか?」と聞きたくもなる(笑)。変なおっさんがこっち見てると思われないうちに、さっさと退店いたしました。誰にでも「ほっこりとできる」場所が必要さ・・・なんてこと、忘れないうちに最後に詠って締めることといたしますー。
ほっこりと
散策疲れ
老若男女の
笑顔溢れん
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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