<ビストロで・・・醤油のキレと節の濃ゆさに魔力を感じた秋の平日>
混む前に訪問してしまえ!ということで、今回は上野で途中下車。比較的近い場所「東上野」に新規オープンした「Ramen&Bistro ushio ueno east」さんへ行ってまいりました。「潮」の別ブランドでして、ビストロなんだとか。ラーメンは昼間だけか?。そういうハードルの高さも感じて、わざわざランチタイムに突撃したら、なんとかすんなりとすぐに入れました。狭いようで効果的に座席が配置されてるので、結構キャパも多めな店内。上野だから客層がオヤジばかりなのだが、食の感度が高そうなマダムっぽい客も、パラパラとおられます。きっとこの感覚なら、夜は女子比率が昼と逆転するでしょうねー。
それにしても、近年のラーメン店は本当にかっこよくなった。そもそもラーメンと言うのは、どこか哀愁が漂う食べ物であったり、嬉しい時や寂しい時に、いつも傍にあるソウルフード的なもの。それが今ではこのように、昼間の太陽が燦々と降り注ぐような明るさで、堂々とオサレな雰囲気で食する。当然、単価も上がって、デフォルトで870円。今回は、「にほんいち醤油そば」とさせていただきました。食券を買ってから、小川町の1号店でも同じもの食ったなと、思い出してみました。
【醤油の透明感あるカエシに、複雑じっとりした節の甘味!アニマルオフのすっきりスープ!】
以前の1号店での食った記憶がすっかりと飛んでいる状態。それでも、配膳の瞬間には少しばかり思い出すから、脳ってのはすごいです。キリリとした透明感と、かすかに浮遊する粒子を見ると、相変わらず変わらんと思う。その一方で「鴨肉」なんて、以前は絶対入ってなかったもんねー・・・って差異も認めたりして過ごす一瞬。こういうのが楽しい。
さて「にほんいち」と言うけど、NO.1 ではなく「日本一醤油」と言うブランド醤油のこと。このキレが相変わらず痛快にも思えるのだけど、以前より増して今回は「節系」の味わいに今回は唸ります。真実ではないけれど、今回は「うお!これ鮪節のラーメンかい!」と思ってしまった。先人のレビューによれば、サバ・うるめ・宗田鰹・昆布などのエキスの溶け込みだそうです。すげー・・・節系のカオスだと言うのがよくわかる。焦がしネギの浮遊かと思うほどに、節系のエキスの欠けらがすごいことになっています。それでもしつこくないところが、センスと計算力の高さが伺えまし、海の世界の野趣を感じる節の味わい。確かに、ありそうで他には絶対真似できない、オリジナリティーがある節の使い方が、インパクト大です。
気がつけば動物感覚を計算してないオレ自身。すごい・・・アニマルオフに近いのか、完全にアニマルオフなのかは不明。油のペイズリー文様を眺め、これが魚介系のコクの正体か?などと考え込んだら・・・アッと言う間にスープの残量が少なくなってる。今回は、なんじゃこのスープは!と言う感動が深かったのか、謎が深かったのか、そんなところです。とにかく、エキスの中に「知恵」も溶け込んでいるのではないかと思えるほどです。
茗荷とミツバの薬味相性・・・このトッピングに、試行錯誤の行き着きと言うか、達成感すら覚えますが、ちょっとハイな気分かも。魚介・節系の個性が豊かなスープですが、動物系の融合が低く?無く・・・魚介単調なスープになりそうなところを、「茗荷」と「三つ葉」がいい抑えになっとります。この薬味はものすごい仕事をしています。カオスな節系の味わいの中に、シンプルな薬味がシャープに広がる感じがまたいい。この一杯に関しては、ネギの排除が成功してます。ネギ大好き「ネギ星人」な私としては、公約違反な気分。
【軽い口当たりでしなやかさ印象的なストレート細麺! エキス貼りつくザラつきもナイス!】
風合い、見栄え、色合い、表面の質感、歯ごたえ、口当たり、すすり加減(口元・内頬・舌触り・喉奥)などなど、印象を植え付ける麺はこれまで様々あれど、今回は全て平均点以上の優等生的なスタイルです。
風合いは、芯を感じさせない程度のクチリとした潰れ込みで、密度感も軽い。
見栄えは、ビストロのラーメンらしく、すっきりとしたストレートの流れ。
色合いは、スープの濃ゆいブラウンとは、コントラストを覚える色白。
口当たりは、丸く膨らんだような形状で、これまたソフト。
すすり加減は、様々で粗い魚介の欠けらが適当に張り付き、それがザラつきとなって面白い。
おまけに・・・・後半には、しっかりと汁を吸い込んで、しなやかな感触となり、またグルテンの味わいにも少なからず影響を感じさせます。先人のレビューで大盛りサービスと言うことを後で知りましたが・・・無念!。食券渡すときに、聞いてくれよ・・・・大盛りにいたしますか?とか。
【鴨と豚ロース肉の2種チャーシュー!柔らかく!コク深く!】
鴨肉は、うまいに決まってます。お歳暮とくれば、ハム詰め合わせですよ。私はそう言う小市民的な喜びを感じるんです。決して料理店で食する鴨肉のイメージではありません。それが、「柔らかく」て「炙りも入れられて・・・皮部分」、そして「野趣」なんです。思わずワインが欲しくなります。さすがビストロ品質!。
一方のチャーシューは、ロース系でなかなか頑張っているタイプ。写真の見栄えよりは、大きめで肉厚です。薄味タイプをわざとスープにダイブインして、味と温度を写して食うのが幸せです。
味玉も丸々1個デフォルトでイン。なんだ・・・これが前提なら870円デフォルトに多少なりともうなづけます。軽い漬け込みでさっぱりした白身。半熟まろやかな黄身は、塩気が染み込んだのに甘さがある。ジェルっぽい部分と、スカスカっとした部分が、後で口の中で混じり合うのが素晴らしいかも。
総じまして、「海と山のダブルの野趣を感じさせるジットリ醤油そば」と言う感じですかね。これは普通以上にうまいっす!。でも・・・個人的には、「麺巧 潮 上野店」としての提供だったら、もっと共感を覚えていたでしょうかね。私には、お洒落過ぎました。ここは、ビストロとしての評価をしてみたいですね。やっぱ夜だ。今度、常磐線への外出があったら、同行者と突撃してみたいです。駅から近いし便利だし。ああ・・・・「さんじ」の店主の顔が浮かぶ。両方行きたい。と言うことで・・・なので詠います!
秋空に
空腹抱え
ビストロに
むらさき深く
潮出汁そば
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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