「えーーーと、中華麺、麺カタメでお願いします。」
・・・と言ってすぐに気がついた!ここではそういうのやってないんだった!!分かっていたのに思わず口から出てしまった。常連でもないし気にすることもないのだけど、永福町系大勝軒をちょいと研究の様に食い続けているとあっては、ポカをやらかしたもんです。「麺の調整は受付いたしかねます」と丁寧に、しかも淡々と応じられては・・・、さぞかし関西で言うところの「イチビリ」と思えわれたのかなと、少し凹む気分です。恥ずかしまぎれに、目の前の高台に置かれた、手垢まみれでくたびれ気味な「週刊朝日」を手にとって、意識を飛ばします。
しかし、そこそこ少し待つのね・・・10分少々。収容人数と生産ロットの都合もありましょうが、麺の茹で時具合に掛ける時間は、妥協できないというところでしょう。うやうやしくも銀のお盆にのった一杯は、レジ札とともに運ばれてきて、目の前に着陸するかのように、スローモーション気味に配膳が完了いたします。むううう・・・・、これが「正統派」永福町系大勝軒の中華麺! 数ある同系統の中でも、この一杯が【基準】となるのでしょうか。永福町系のアイデンティティーを探し求めるように、いざ箸とレンゲを両手に対峙するのです。
【スープ:デフォルト永福町系は、ちょっと軽やか、ちょびっとスパイスな塩気】
<クリアーで軽やかな煮干しにラードのコク深く・・・ちょいとジットリ感覚>
いやはや・・・・配膳直後のひとすすりで、前回実食とはまるで違った印象!もはや関東の舌になってしまったのか。以前は、軽やかさが「薄い」と感じていた煮干しの出汁加減が、今ではなんとなくホッとする。そして・・・味が思い出以上に濃ゆくて、ゆったりとした濃密さもそこそこ併せ持った一杯だと気がつきます。
つまり「煮干しの甘み」がとても筋が通っているようにスッキリと感じさせる。煮干しの苦味を感じないわけではないか・・・。最小限に煮干しがつけダレには漂っている風合いは確かに認めます。しかし、煮干しは苦味がとても淡白で丸いといった印象も片方ではありです。その一方で、意外と醤油ダレの味わいが煮干しを分厚くアクセル効かせてまして、「苦味」「甘さ」「香ばしさ」それぞれが一体化したような豊か。どこか懐かしい味わい。
そんな色々な味のエキスを受け止めているのは香味油である「ラード」かもしれません。軽く油膜を張っているようで実は、相当すっきりともしているかも・・・・。
<わずかの柚子皮が風味よく、ちょっぴりスパイスな塩気が堪らん>
そんな中で新たに2つ気になった点があるとしたら、「柚子皮」と「親近感ある塩気」。すっかり忘れていました。1センチ四方の柚子皮が、じわじわと香りだけでなく味わいに響く・・・と思うのは、麺を平らげてからスープをすする一瞬だけ。その一方、塩気の方は、醤油ダレだけでは説明がつかない、独特の間合いがあるような・・・。最初から最後まで、スープのカエシが気になるのです。そしてそれは、馴染みのある味わいかも!それは別のスパイス感。 いやいや、スパイスの味がするというより、味の余韻だけとして受け止めてみました。実際はどうなのですかね〜。
【麺:柔らかさが何か教えられた様な気分にさせる】
<王道のやわ麺!消化に良さそう〜>
冒頭のオーダータイミングでしでかした一杯を、覚悟を決めるような思いで無心ですすり、食い続ける。巷には溢れている細麺の縮れ麺なのですが、どこかその加水の高さと丸麺の形状には、親しみを覚えます。想像以上にヤワ麺であったけど、それがこの永福町系の一杯を食い続けていくうちに、「こういうのもいいかも」と宗旨替えを誘います。本当に最近、麺のかたさに関しては、節操がなくなりつつあります、私・・・・。
まさに王道のようなヤワ麺。太さも縮れのRも・・・本当によくイメージする麺。加水が高い一方で、モチモチ度合いも低い。奥歯ですり潰せばたちまちクチリと淡白に潰れてしまう。そんなヤワ麺に、はかなさを覚えるのか? いやいや、単に軽い麺がスープの重さとはコントラストを形成して面白いだけ。
<ラードをまとった緩やかなスベリで口火傷>
その面白さがすすり上げるたびに、だんだん増してくるかも。熱々のスープがとても麺に絡むので、温度がダイレクトに口の中に飛び込んでくるよう・・・・。しかも、ラードの膜が上顎の内側を攻め立てるので、軽く火傷してしまう。みなさんは、注意しましょう。
【具:誠に基本形で清々しくも思える定番さ】
<醤油ダレの香ばしいあっさりタイプのチャーシュー>
脂のコクが抜き出た感じがする、さっぱりとしたロース肉。薄さもある一方で、周囲の焦げ具合が、醤油の香ばしさを連想させて、いくらでも食える感じがいたします。なるほどこれなら、チャーシューメンのオーダーが多いわけだ・・・。常連さんのチャーシューメンオーダー比率が異様に高い気がいたします。
<昔ながらでも凛とした雰囲気あるメンマ>
特段書くほどでもないかもですが、正直言って「昭和の美味しいメンマ」という感じがしました。水っぽくなく、かといって頼りなくなくて、素材の風合いをきっちりと残している感じがします。色合い以上に味わいが淡白で、繊維質もきめ細かいため、歯の隙間には入りにくいと考えている。
総じまして、「デフォルトの味わいは愚直なまでに基本に忠実」と感じ入る次第。丼の大きさ、麺の量・・・・・それぞれ、個性的です。意外と「永福町系」って都内は関東全域では広まっている様で、見つけて訪問するのは大変です。単調な様式に見えても、いろいろ店個性がちょっとづつ違ったり。いろんなところを感じると、ちょっとラ活も楽しくなる。そんな一杯を長い目で、一杯づつ探訪してみたいと思います。なので詠います!
何時も
行列絶えない
駅前で
煮干し漂う
街のシンボル
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
永福町大勝軒草村賢治 奇跡のラーメン店は、どのように誕生したか。―23坪・23席で日商100万円。初任給手取り60万円
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