ある日、完全に自宅でゴロゴロ休もうと思うが、やっぱり自宅にいてダラダラとただ過ごすことが出来ないのです。じっとしているだけでは、魂は浄化されない(笑)。そういう性格は貧乏性と言うのかもしれない。ただ本当に、天気もまあまあだし、クルマ好きな私が、最近あまりにもクルマを動かしていないのは異常だろう!多少、自分とクルマが心配にもなりまして、家族には半日だけ自由時間をもらいまして、ただただ・・・一人でクルマを転がしてみました。新緑の季節、窓を開放して早朝から甲州街道を西へ西へと、曲がりくねった道をひた走る!目に青葉が眩しい季節。生き返るようです。
しかし、ファミリーカーでも、山道を走らせると、血がうずくね〜。これでも若い日、「86」で京都比叡山を走ってた頃を思い出しましたわ。走れば走るほど、気持ちが軽くなる!しかし気がついたら「石和」まで到達してもうた!さぁ・・・・、気分も晴れたし帰るとするかと、流石に東京方面へ引き返します。
するとアクシデント!お腹が急に痛くなる・・・・・。
本来の計画では、八王子当たりで気分が晴れて、「あずき」か「圓」で食ってから引き返す予定だった。ところが調子のったて遠くに行き過ぎたばかりでなく、腹が痛くなって来た・・・・。20号線を走ってもガススタンドは、妙に閉まっていていて泣きそうです。
とある信号待ちで、焦ってiPoneの地図アプリで現在地を確認しますが、「あずき」「圓」は遠すぎる。しかたない、今営業していて、クルマが置ける店で、欲望を一気に処理しましょう。だってこの街道沿いで理想的なコンビニがない。・・・・という運びで、いろいろ某有名サイトで探しだした結果が、20号線からすぐ近い、こちら「喜楽」さんにピットンです。べつに蕎麦屋でも何でも良かったが、中華屋さん!そういうこと!しかし、突撃したら、店の外観いっぱいに足場がいっぱい組まれています。改装中で休業中か!!!!絶望感溢れて不安でしたが、「本当に開いててよかった!!!!!!」。
トイレだけ貸してくださいってのがってのが言えない雰囲気だった。・・・・なのでこんなアクシデントでしたから、入店して適当に席を選び、メニュー選ぶこともなく、「中華そば!」と告げて厠を探しだして、そそくさと行こうとする。しかし、こういう時に限って事はスムースに行かない。
店:「中華・・あ、ラーメンですね」
私:「・・・はい、それで結構です!」(既に厠を見つけて行こうとする)
店:「大盛りにしないでいいでいい??」
私:「ええ・・・・、それで結構です。」(もう歩き出す!)
店:「あの・・・、あちらの席に移らなくていいですか?」
私:「・・・・・・・・・、はいぃ????」
後で悟ったことだけど、店のおばちゃんは、テレビが見やすく、また整っている席を好意をもって勧めてくれたのだ。そして、大盛りの確認は、男なら、この店では当然の所業らしい。店からすると、私はかなり変わった客だったようだ。いやはや、実にバタバタした状況であっけど、これも縁だろうからと、事が終わってからこの一杯とゆっくり対峙いたしました。
昼下がりというより、午前の部が終るような終息気分がただよう店内には、地元の郵便局員さんがようやくありつけたような昼飯をがっつく。そして、バイクツーリング客が2名ほど満腹感を反芻している。そんな心地よいだるい雰囲気の店内が、日頃東京の喧噪を忘れさせてくれます。奥には座敷席があるが、どうみても普段の日常生活感がありありなこたつ部屋。まだ朝夜は寒さが残る山間の生活感が漂います。そんな中をすーーーっと、「ハイ、ラーメン!」ってな感じで配膳されます。
おおーーー、どこから見ても、トラディショナル!街道沿いに昭和レトロな煮出し感覚漂う大衆系中華そばやん!旨そう!!
【スープ:やさしいというより、割としっかりとした円やかさ・・・煮干し感そして豚コクと醤油の味わい】
<トラディショナル感とローカル色溢れる・・・ふれあいの中華そばという雰囲気>
それにしても、中途半端な時間に立ち寄ったため、ピークアウトなまったり感!・・・・というより、牧歌的と思える、のどかな店内。先ほどまでの私の焦りとは対照的に、時間の流れをゆっくりと感じます。
その麺顔たるや、店内の雰囲気をそのまま映し出したような、穏やかなローカル中華そばそのものです。使い古された丼が、貫禄をも感じさせる麺顔です。スープを啜り出すと・・・気持ちが軽くなったのも影響してか「和む」。そして「染みる」のである。
和むのはその煮干感。甘み主体で円やかさをアピール。崇高とまではいかないまでも、程よい煮だしの感覚が昭和を彷彿とさせる感覚。「甘み>苦み」を強く意識した煮干感覚が、私にとっては分かりやすい。西日本の味覚体を持ち合わせる私でさえ、この味わいには「昔ながら」というトラディショナル感覚を覚えます。急がば回れだよなと・・・・私に訴えかけるようなスープ感。心の中で頭と垂れそうになる。そして、豚コクもなかなか繊細で染みるような味わい。微妙に濁った感覚が、一部豚の仕業でもある。こいつも中々しっとりくるぞ。創業者の味の趣向ってのを感じる瞬間ですね〜。ほかに椎茸なども配合されとるのか不明なれど、日本の中華食堂的な味わいが、実に染みる。
<醤油ダレに、円やかさと力強さを感じる>
乾物の影響か、醤油が強いのか丸いのか、判別がつかないような微妙なバランス感。たしかにじっとりとしているように感じる濃口醤油感あるカエシのエッジング。一方で乾物系の丸みある甘みが醤油と結びつている。しかも結構、どちらも強めなので、バランス感というより、せめぎ合いという感覚。定番なる醤油スープなのだが、意外と問題作か?(考え過ぎですな)
【麺:イメージしやすく安心感を覚えるやや黄色い姿、ちゅるんとしたスベリ心地】
<昔ながらのMellow Yellow な色合いに、かっちりとした歯応えが馴染む・・・なぜかなつかし>
自家製麺やブランド製麺所が花盛りな今にあって、地元の食材!取引先!!という地域経済を感じる、やや黄色い麺。風貌は懐かしさを覚える風貌です。とは言っても関西人の私は、こういう懐かしさとは実は無縁なのだが。
細麺ですが、やや捩れがある風貌。切り口は丸い。多加水系な感覚ですが、モチモチっとはせず、意外なほどに引き締まり感がある。前歯で千切ると、クッチリ!という擬音語を感じるほどの密度感。奥歯でもそう。程よいカタさといったところかも・・・。
<カタメであっても、定番なるチュルチュルとしたスベリ心地>
微妙なれども、外カタな雰囲気を持ち合わせております。なので啜り上げの抵抗感はなかなか優れている。その一方でスープの持ち上げ感も多少あって、ずぼぼぼぼぼぼぼーーーーーーっと一気に啜り上げるとスープ感がもの凄く溢れるような感じ。願わくば、レンゲが欲しい。スープをかき込みながら啜ると面白い麺かもしれない。でも、無いほうが「らしさ」があっていいかな・・・。
【具:肉は歯応えがあるものと教えられる気持ちになるしっかりした味わい】
<昔はこういう歯応え感があったっけ!と・・・実体験なくともそんな納得感>
一見、バラ肉の解れを感じさせるが、実はしっかりと引き締まっている。周囲が割と濃いめの醤油ダレの漬け込み感があり、浸透圧の均衡により、肉の水分が奪われたのかね・・・。噛むとシッカリ感がある。そして筋肉繊維の方向にそって、ゆっきりと解れて行く。奥歯で強く噛みしめると、醤油ダレの濃ゆさがジュワ〜・・・と滲み出て、スープの醤油感と混じり合い、キッパリとした塩気を感じます。
思えばこういうチャーシューが昭和ではテッパンだったのだろうか?判別つかんが、固いというのでは決してなくて、「歯応えがある」「醤油タレ・エッジング先行」のバラ肉とロース部位は、なぜか懐かしいほどに美味かった!
<サッパリ系のメンマが妙に馴染む>
これは単に、あっさり系のメンマで良かったというだけの話。こういう全体感のラーメンには、漬け込みが特に深いメンマが合わせられることが多いのだが、サッパリ味なメンマで箸休めになって良かった。というだけの話。
総じまして、ひょんなことから「体も心も救ってくれた朗らかな大衆中華そば」という感想。地元には相当根付いているのであろうなと、確信を覚えました。
さてさて、後でレビュー(ブログ)を更新しようとして気づいたのだが、某サイトでは、この店は「山梨県ラーメンランキング1位」ではないか! 何〜・・だったらもっと・・・感情移入して味わうのだったよ。どこかラッキーだったような、取り逃がした感があるような・・・釈然としませんが、とりあえず感謝な一杯。なので詠います!
五月晴れ
山に目をやり
青々と
立ち寄る山里
時間も止まる
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!

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