ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン865】 ラーメン凪 煮干王 渋谷店 (東京・渋谷) 特製煮干しラーメン

【心意気あるサービスには礼儀と節度をもって】

  煮干王という名前を見て、なんとなくワンピース的な関連性を見出したのですが、なんとなくそうみたい。店内POPを拝見するとそんな感じ・・・・。ワンピースの本だけで年間100億円は下らんそうでして、どういう試算か知らんが、全体的な経済効果はその10倍だそうです。もう終わったけど、ゴウカイジャーや、大河ドラマ平清盛もその影響というのは有名な話で・・・・・・、こうやって、ラーメン屋の名前なんかにも及ぼしているのだから、凄いもんだね・・・。わが社もあやかりたいもんです。 最近めっきり来なくなった渋谷ですが、「煮干王」に行くという目的なかったら、降りない駅だもんね〜。そして何より駅から近いというのがありがたく、今回の訪問になりました。訪問時、待ち5名に連結。もう彼岸というのにビル風が冷たく、身に染みましたが・・・・・評判高い煮干もそうそう来れないので、辛抱しがいがあるもんです。

  それにしても、50円でライスお変わり自由という心意気のあるサービスは褒めるべきですね。お隣の学生さんなど嬉しかろう・・・・と思い見てみると、どうも不可思議な行動・・・・・。どうも一人のライスをまわし食いしてるらしい。イカン!これはイカン!と思っても、中々注意できないもんです。我ながらへタレですわ・・・・・。結局、店員さんが気付きビチッと注意喚起されました。




【苦味でグイグイと食わせるとはこのこと!しかしそれだけでなしの工夫なのだ!】

 ・・・とまあ、煮干を食う前に、苦い思いをするアタクシでしたが、配膳の瞬間には、一気にモヤモヤが消し飛んでしまいましたから、我ながら単純な男です。いかにも煮干〜なスープカラーに目が釘づけ・・・・。静々とまずスープを味わいます。その感想は・・・、


「旨いがな!(*゜0゜)ハッ・・・・めっさ旨いがなぁぁぁぁ・・・・ 」
「いろんな個性強い味が、まさにぶつかり合ってナイス・・・結局一気に飲み干しですわ!」


1)まず「苦み」。ライト豚骨を突き破る、ハラワタ苦味が痛快な煮干し!

  脂の層が豚エキスな感じがいたしますが、切れ間にのぞく半濁りなスープ感は、どことなくライト豚骨に煮干しを砕き溶かしたようなニュアンスです。そんな感じの第一投目のテイスティングは、動物系を突き破ったかのごとく、如実な煮干しの苦みをストレートに感じますな・・・・。ちょっとやそっとの煮干しとは違う・・・・・何やら上質なハラワタのサッパリした苦みの凝縮のような旨味です。炙っためざしが、非常に苦くて香ばしくて旨い為に・・・・酒がすすむというやつとどこか同じような感動です・・・・。この苦みと旨味が不可分なのですわ〜。ガッツリと煮干しの海に使ったダイブ感がまた痛快です。


2)そして「塩味」。強いカエシと、ジョッパイ塩味でボディーが決まってる!

  次にしみじみと感じ入るのは、塩味。この塩味もどこか野太い感じがいたしまして、醤油のカエシが少々塩辛い系に傾斜しています。塩汁(しょっつる)とまでは行かないけど、存在感ある塩味が響く・・・・。そして、やはりダイレクトな塩そのものの味わいもエッジが深く決まっています。ただ単に苦いだけじゃない、もうひとつの基軸があるという感じでして、この塩味がしっかりしているから、特徴的な苦みがビシッと決まるというもんでしょうね。なかなかやります。


3)さらに「辛味」。隠し味の辛味噌が、苦味と共鳴するハイテンション!

  アタクシは、実は最も感心したのは・・・・隠し味である辛味噌です。ドンブリの底の方に入っていて、前半はなにもその存在を感じません。なのでダイレクトな煮干しの味わいを堪能できます。しかし、後半になってきて徐々に辛味噌が溶け出して来て・・・・、「苦み」と「塩味」の距離感を埋めつくすように、まったりと味噌辛味が染み渡ってゆきます。そして、一体感を成すような・・・。苦みが途中で飽きて来るどころか、その苦みが、辛味噌とあいまったところから、さらに旨味がヒートアップしていきますがな!これは、面白い!


 ※味のまとめ:「苦み」と「塩気」をとりもつ「辛味噌」が何気に良い仕事をしておる!実は本格煮干し一辺倒じゃない工夫がええねん!




【スープ感とは一転したしなやかぶりに思わず笑み】

 一方の麺ですが、凪系トレードマークの「いったんもめん」は健在ですな!とまずは確認してしまうアタクシも相当な凪ファンの証か?さりとて好きなものは仕方ないよね(笑)。


「あーーー!やっぱりこういうのも好き!(*′ω`)b゛大OK!!」
「しなやかやで〜♪ それに遊び心も嬉しいやん!ミスマッチな一体感がナイス!」


1)まず見た目・・武骨な中に・・・しなやかなフォルムが印象的

  麺顔全体的にも武骨ですが、スープ自体がガッツリ煮干しですから、対抗軸としての「麺」の役割としても、それ相応な覚悟はいるというもの。されど、剛とくれば柔とくるように、そこから引きづり出したその麺は、じつに穏やかでしなやか・・・・そして素朴な風貌です。中太縮れ麺と言ってしまえば単純ですが、その縮れの中に捩れが、ここかしこにありまして、それにつるつるな地肌がとても旨そうです。そして、和やかとすら思える丸みが特徴的です。やや黄色い感じもするところが、濃いスープと相まって似合っています。


2)そして歯ごたえ・・武骨な中に・・・優しいモチモチ肌がナイス!

  実際に食してみても、また地肌のつるつる感が喉越し楽しいし、また縮れ具合が刺激的です。前歯の刻みもクチリと小気味好く、奥歯感がまたモチモチとしていてとても楽しい感覚!そう、もちもち感が割と長く楽しめるといったのが特徴的で、持ち上げて来た煮干しスープもまたその行程で旨いと味わえる次第です。スープが特に色濃く絡んでいるところは・・・・・どこかしら飴色とすら思えるマッチングです。


3)更にプラスアルファ・・・武骨の中に・・・「刺身」というトレードマークな遊び心

  「凪」とくればあの「いったんもめん」のような平たい麺?ワンタン皮?紐??ですが、これは「麺の刺身」と言うそうですな。この訪問時に初めて知りました。カウンターのPOPにそう書いてありました。なるほど・・・・「刺身」とは雅な遊び心ですな〜。この武骨なスープの海に、「刺身」を浮かべようなどとは、なかなか洒落が利いているじゃありませんか。麺とは打って変わった歯ごたえ無視な、スベリ100%命というところが、また憎めないほどに「ちゅるりん!」と刺激とも言えない余韻だけを残して、あっという間に離れて行ってしまいます・・・・。

 
 ※麺のまとめ:中太縮れ麺は、捩れ多くてモチモチタッチ!すべりがとにかく高速で楽しいので、食べるときはあまり気を抜かないでね(笑)




【具は素朴であればあるほど、全体にマッチしうると思うのだ!】

1)チャーシュー(トラディショナル!)

  色濃いなかで、実はあっさりとした風合いですね。そとだけ濃い醤油ダレでコーティングしたような縁取りですが、中身は脂肪分すくない繊維質多い部位で、歯ごたえもあっさりです。4枚は入っておりまして、作り方全体としては、割と定番的な感じがいたします。この濃厚なスープにあっては、濃厚同士で喧嘩しないような計算があってのことか? この中の存在としては、まとまりが合ったかと思います。特に濃い煮干しですからね・・・・。動物系油ギトギトというよりは、こういう赤味主体のカッツリ香ばしい系の方が似合っているといえば似合っているかなと・・・・。


2)メンマ(コリコリエキストリーム

  何やら覚悟があるメンマともうしましょうか、「コリコリいわしたる」がために存在しているようなメンマですね。懐古的にも感じるほどに、深い醤油ダレで味付けされたものです。浸透も深いし、その分締まりが十分でして、コリコリ度合いがハンパではありません。細めで長めでもありまして、麺ともよく絡んできて、麺のもちもちと相反するようなハーモニーを奏でます。


3)味玉

  箸で割ると独特な潰れ方をしましたが、これはアタクシが下手なだけ・・・。なかなか面白いと思ったのは、ジェルっぽい部分が多くみられたのと相応して、黄身が熱で黄化している部分もわりと厚めであったことかな。さりとて、白身部分の濃いめの醤油ダレの浸透はそこそこありまして、褐色系な旨玉でしたよん!こういう黄身だったら、スープに溶けて濁らないからいいね!

  

4)薬味

  薬味と言えば「ネギ」ですが、こちらの特徴は、わりと・・・・「大きめ」「正方形」「白ネギ」というところでしょうか・・・・。これは見映えを狙ったのか、はたまた歯ごたえや、その他のからみ等も考えての事かは不明・・・・。でも考えて見ると、個性が強烈な環境にあって、普通では存在感を無くしますからな・・・・歯ごたえも見映えも大げさでOKということでしょうか!

 
 ※具のまとめ:全体的に古風にまとめあげられた感じ。とくにメンマは・・・それを狙っていると思われる確信犯です(笑)




 総じまして、本格的な春はまだかまだかと待ちわびながら、北の国を連想する煮干のエキストリームを食って大満足な夜というだけの話です。それにしても・・・・・3月も終わりに近づくというのに、寒い上に・・・・・春闘の妥結もいろいろ各業界・各社で情報が出揃うようになりましたな・・・・。冒頭、ライスサービスで苦い思いもしたと申しましたが、こちらでも苦い思いをしましたぜ・・・・・。されど、苦くて旨い一杯を食っている間は、救われますな・・・・・。なので詠います!



  渋谷まで
  煮干しもとめて
  彼岸花


  春の苦渋を
  苦汁で忘れる


お粗末!ということで合掌!今日も本当にごちそうさまでした。 






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