ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン5949】下北沢 あはれ(東京・下北沢)仙台辛味噌まぜそば 卵黄のせ + サッポロ赤星 〜下北沢に還ってきた"あはれ"!端正な出汁の記憶だけではなく仙台味噌を武器にした大胆で骨太な新章!

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仕事の予定が空振りに終わり「哀れ」オレ・・・悔しさと空腹を抱えながら仙台から還ってきた「あはれ」へ向かう!

 
 午後、川崎方面へ向かっていたはずの一日が、思いがけず予定が急遽崩れまくり。現場での下見打ち合わせが、先方の都合で急遽キャンセルのメールがスマホに届く・・・実に虚しい。まさに膝ガクとはこの心境。忙しい時期に昼食まで抜いて動いていた身としては、時間を失った悔しさと、宙ぶらりんになった身体の置き場のなさが、じわじわと胃のあたりに集まってくるようでした。こういうとき、人は「空腹」だけではなく、「腹いせ」でも店を探すのです。これは、決して心のどこかで予定していたものではありません。
 

 
 そんな遅すぎる昼食の受け皿として、私が向かったのは下北沢南口商店街。もうこの日の仕事は切り上げて自宅へ向かう移動の途中下車です。駅前のざわめきは相変わらず軽やかなのに、こちらの腹の虫だけは実に重々しい。けれど、そんな気分だからこそ、今日の一軒はちょうどよかったのかもしれません。
 

 
 向かった先は「下北沢あはれ」。かつて2020年の師走、この街で曲がり営業としてひっそり産声を上げ、知る人ぞ知る実力店として評判を集めながら、2021年に惜しまれつつ仙台へ移転。そして2026年、古巣・下北沢へ再び帰還した店です。移転前の記憶を辿れば、あの頃の「あはれ」は、出汁の崇高さと麺線の整いが印象的でした。端正、繊細、そして少し孤高。そんな像を抱いていた店が、今回引っ提げてきたのは「仙台辛味噌まぜそば」という、なんとも骨太で挑発的なメニューです。優美な記憶を持つ店が、復帰作としてあえて“混ぜる”“辛い”“味噌”という力技を選んだ。この時点で、すでに物語として面白いではありませんか。しかも大盛無料。午後四時前の遅昼には、こういう一言がやけに頼もしく響きます。
 

 
 
 

<サッポロ赤星> 身体にまず染み込ませるのはこれ!肩の力を抜き今から始まるまぜそば劇場へ期待高まる!

 
 気分をゆっくり整えてくれる、静かな助走の一杯です。席に落ち着くと、まず頼みたくなるのがサッポロ赤星です。昼を飛ばした身体に、いきなり本命をぶつけるのも悪くありませんが、ここはひと呼吸。瓶の堂々とした佇まいと、小ぶりのグラスに注がれた黄金色の一杯が、妙に気持ちを整えてくれます。
 

 
 赤星の良さは、単なる“ビール”のひと言で片づけられないところにあります。ラベルのクラシックな顔つき、穏やかな泡立ち、口に含んだ瞬間の厚み、そして後口に残るほのかな苦み。派手に騒がず、しかし確かな存在感で「さあ、ここからだ」と背中を押してくれるのです。今日の私は、仕事の予定が流れ、昼も食べられず、気持ちの置き場を探していたわけですが、その落ち着かなさを静かに着地させてくれたのが、この赤星でした。
 


 一杯目を流し込むと、乾ききっていた喉がやっと人心地つきます。そして不思議なことに、腹立たしさの輪郭が少しずつ丸くなっていく。食とは、空腹を埋めるだけでなく、気分の棘を抜く行為でもあるのだと改めて思います。ラーメン前の赤星というのは、単なる前座ではありません。むしろ、これから訪れる濃厚辛味噌の世界に備えるための、儀式のような一杯です。実際、卓上の調味料や厨房の動き、店内の空気を眺めながらグラスを傾けていると、遅い昼食がいつしか「良い時間」に変わっていくのがわかります。
 

 

 
 

<全体> 丼に盛られたワシワシ麺!それを覆う赤褐色の肉味噌!中央に輝く卵黄!骨太な表情!

 
 見た瞬間から腹が鳴るような一皿です。いよいよ着丼。白い器の中に、太めの麺がぐいと盛り上がり、その上へ赤褐色の挽肉餡がどっさりとかけられています。そして中央には、艶やかな卵黄がぽつり。これがまた見事です。視線が自然と中央へ吸い寄せられ、そこから周囲の肉味噌、麺、刻み玉ねぎ、そして潜んだ具材へとぐるりと巡っていく。実に“食わせる顔”をしています。
 

 
 ぱっと見の印象は、たしかに台湾まぜそばに近いです。台湾系にありがちなニラの青い攻勢を抜いた感覚。その代わりに主役の座を強く握っているのが、仙台味噌の気配を宿した肉味噌。見た目からすでに、辛さ一辺倒ではなく、味噌の厚みと挽肉の力感が支配する世界だとわかります。
 

 
 また、器全体の表情がどこか素朴なのも良いのです。奇をてらった盛りつけではなく、「うまいものを、うまく食わせる」ための誠実な姿をしています。大盛無料でお願いしたこともあり、麺量も頼もしい。遅い昼食どころか、もはや小さな決起集会のような気分です。腹いせで入ったはずなのに、配膳の時点で気持ちはかなり晴れてきました。良い丼には、着丼だけで人を立て直す力があります。
 

 
 
 

<仙台味噌挽肉餡> 赤褐色から濃い茶色へと沈むような色合いの肉味噌餡!味も濃密!仙台味噌らしい熟成感!

 
 塩気、香り、そして挽肉の甘みが重なり、唐辛子と山椒の刺激まで巻き込んで迫ってくる主役級の存在感です。この一杯の中心は、疑いようもなく仙台味噌挽肉餡です。色は赤褐色から濃い茶色。いかにも仙台味噌らしい、熟成の深さを感じさせる重たい色調で、見た目からしてすでに「軽くはないぞ」と宣言しています。実際に口へ運ぶと、その第一声はかなり強い。塩分はやや高め、辛口寄り。けれど単純にしょっぱい、辛い、で終わらないところが、この餡の面白さです。
 

 
 仙台味噌というのは、赤味噌系の中でも熟成の旨味と香りの厚みが際立ちやすい印象があります。その特徴がこの餡にもよく出ていて、舌の上では塩気のあとからじわじわとコクが盛り上がり、鼻に抜ける香りには熟成由来のふくよかさがある。そこへ挽肉の甘みが重なります。これが実に効いています。味噌の鋭さをただ丸めるのではなく、甘みと脂の旨味で土台を分厚くし、結果として辛さをより立体的に感じさせるのです。 さらに見逃せないのが、唐辛子系と山椒系のスパイス感です。唐辛子の直線的な辛みだけで押してくるのではなく、山椒由来の軽い痺れや香りの跳ね方が、全体に奥行きを作っています。つまりこれは、単なる“辛味噌”ではなく、味噌のコク、挽肉の甘み、スパイスの刺激が三層構造で押し寄せてくる餡なのです。かなりインパクトは強い。それでも「美味い&辛い」でちゃんとまとまっているあたり、実に巧い設計だと思います。
 

 

 
 

<麺> 選んだのはワシワシ麺!最初は少しボソッとし無骨な口当たり!噛むほどに小麦の力強さ!

 
 「もちもち麺」と「ワシワシ麺」のどちらかが選べます。他客の様子だと、このタイミングでしたが、「もちもち人気」だったかもしれません。ただ「ワシワシも素晴らし!」。ヌチヌチした腰が立ち上がり、濃厚な仙台辛味噌餡を真正面から受け止める頼もしい相棒です。こういう濃厚辛味噌系のまぜそばには、こちらの方が似合うと直感したからです。結果から言えば、この選択は正解でした。
 

 
 第一印象としては、たしかに少しボソッとした感触があります。つるり、もっちり、といった優等生的な入り口ではありません。むしろ無骨で、ちょっと乾いたような触れ方をしてくる。ところがこれが噛み始めると面白い。麺そのものの素地が強く、噛むほどにワシワシとした反発が立ち上がり、小麦の輪郭がはっきりしてくるのです。
 

 
 「ワシワシ」と聞くと、二郎系のオーション麺を連想する方も多いと思います。実際、あの方向性を少し感じる部分はあります。ただしフォルムはもっとスリムで、乱暴すぎない。力強さはあるのに、野放図ではないのです。加えて、表層のボソッとした入口の奥には、ヌチヌチとした腰の強さも潜んでいます。これがまた、仙台辛味噌挽肉餡の濃さとよく釣り合う。
 

 
 まぜそばは、タレが強いほど麺が負けやすい料理です。しかしこの麺は、負けるどころか真っ向から受け止め、むしろ餡の迫力をさらに押し上げてくる。肉味噌をしっかり持ち上げ、卵黄をまとい、噛むたびに味噌のコクとスパイスを口中に再分配していく。その働きぶりは見事でした。もしこれが柔らかく従順な麺であれば、ここまでの一体感にはならなかったでしょう。ワシワシ麺だからこそ、この一杯は“食べる勢い”を獲得しているのです。
 

 
 
 

<卵黄> 中央に鎮座する卵黄!飾りでなく味の調停役!辛味噌餡の塩気やスパイスを包み込む!

 
 荒々しい一杯に艶やかな丸みを与えてくれます。中央に置かれた卵黄は、視覚的なアクセントであると同時に、この一杯のバランスを司る重要な存在です。箸でそっと崩すと、とろりと濃い黄身が肉味噌へ流れ出し、赤褐色の世界に一気に艶とまろみが差し込みます。
 

 
 仙台味噌挽肉餡は、そのままでも十分に完成度が高いのですが、やはり尖っています。塩気、辛み、香り、熟成感。どれも主張がはっきりしている。そこへ卵黄が加わることで、味の角がただ鈍るのではなく、上から上質のコーティングを施したような質感へ変わります。鋭い刺激が、濃密なコクで包まれ、口当たりが急に豊かになるのです。
 

 

 
 特に印象的だったのは、辛さの感じ方が変わることです。辛味そのものが消えるわけではありません。むしろ、卵黄のコクによって味噌の旨味が前に出るぶん、辛さが“暴れる刺激”から“旨さに内包された刺激”へと姿を変えるのです。この変化が実に上品です。さらに、ワシワシ麺との相性も良い。卵黄が麺の表面に絡むことで、もともと少し無骨な麺肌に柔らかさが生まれ、すすり心地にも艶が出ます。結果として、濃厚で男前な一杯が、どこか色気を帯びてくる。卵黄とは、料理における“和解の技術”なのだなと、妙に納得させられました。
 

 

 

 
 

<チャーシュー> 肉味噌餡の中に潜む豚バラブロック!辛味噌の海に沈んだご褒美肉!炙りに匹敵の香ばしさ?

 
 脂身のとろける甘み、そして噛んだ瞬間に広がる肉の旨味が、まぜそば全体にさらに厚みを加えています。この一杯の具材の中で、地味に、いや実はかなり派手に効いていたのがチャーシューでした。仙台味噌挽肉餡の中へ、豚バラ肉がブロックカットされて投入されています。これがまた、噛むと見事です。
 

 
 まず感じるのは、表面の香ばしさ。炙りが入っているのか、あるいは火入れの妙なのか、脂の甘みの前にほのかな焼きの香りが立ちます。そして噛み進めると、脂身がとろりとほどけて実に甘い。辛味噌の強い味の中にあって、この豚バラの甘みは重要です。単なるトッピングとしての肉ではなく、味噌の塩気と辛さに対して、脂の甘みで対句を成す存在になっているのです。  しかもブロックカットであることが効いています。薄切りでは得られない、肉の厚みと脂の層のリズムがあり、一口ごとの満足度が高い。まぜそばという料理は、ともすれば味噌やタレに全てが飲み込まれがちですが、このチャーシューはしっかり個として立っています。
 

 

 
 

<味変化> 辛味とキレを自在に調整!辣油でさらに攻撃的!お酢で一気に軽やか!最後まで飽きず!

 


  一杯の完成度が高いほど、味変は蛇足になりがちです。しかしこのまぜそばに関しては、辣油とお酢がしっかり“第二幕”を作ってくれました。まず辣油。もともと辛味は十分ありますが、ここに辣油を少し垂らすと、辛さの質が変わります。肉味噌由来の重心の低い辛さに、油の香りを伴った立ち上がりの良い刺激が加わる。つまり、ただ辛くなるのではなく、辛さの輪郭がもう一段くっきりするのです。後半の単調さを防ぐには十分以上の効果があります。
 

 
 続いてお酢。これがまた良い。濃厚な味噌と脂の世界に、すっと風を通すような働きをします。仙台味噌の熟成感や挽肉の甘みは残しつつ、後味をきゅっと引き締める。辛味噌系のまぜそばは、後半に重たさが出てきても不思議ではありませんが、お酢を使うことでその重みが“旨さの厚み”として保たれたまま、食べ進めやすさだけが上がっていきます。
 

 
 遅い昼食であることもあって、正直、前半は勢いで食べ、後半は少し鈍るかなとも思っていました。しかしこの味変のおかげで、最後まで箸が止まりませんでした。味噌、辛み、甘み、卵黄のまろみ、豚バラの脂、そして辣油と酢の展開。ひとつの丼の中に、これだけの起伏があるのは見事です。
 

 
 
 

総じまして...「下北沢に還ってきた"あはれ"が見せてくれたのは端正な出汁の記憶だけではなく仙台味噌を武器にした大胆で骨太な新章!」

 
 空腹と腹いせで飛び込んだ遅い昼食が、気づけば心まで満たす痛快な一杯になりました。この「仙台辛味噌まぜそば 卵黄のせ」は、単なる復活記念メニューではありませんでした。下北沢時代の「あはれ」を知る者にとっては、「帰ってきた」という感慨と同時に、「戻ってきたけれど、同じ場所には立っていない」という進化をはっきり感じさせる一杯です。仙台味噌挽肉餡の迫力、ワシワシ麺の骨格、卵黄の調停力、豚バラの甘み、味変の巧さ。それぞれが強いのに、全体としてひとつの方向を向いている。
 そして何より、この一杯には物語があります。2020年に下北沢で始まり、仙台へ渡り、2026年に再びこの街へ戻ってきた店。その履歴が、単なるプロフィールではなく、料理の味にきちんと刻まれているのです。端正な店が、骨太な新メニューを引っ提げて帰ってくる。この構図がまず面白い。そして実際に食べてみると、その面白さが話題性だけでなく、しっかり美味しさとして成立しているのがまた素晴らしい。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと詠って、いつものように締めたいと思います!
 
 

 
 
 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!

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