



既に夏の陽射しと店舗の懐かしさを感じながら店へ向かう武蔵境の行きつけ

5月半ばの土曜昼下がり、武蔵境駅北口の階段を下りると、肌を照りつける夏日になっていました。夏の日差しが照り返す舗道を汗を拭いながら歩き、商店街を進むと、白いタイル張りの建物の一角に見慣れた赤い丸の看板が見えてきます。そこには「味自慢」「中華そば専門店」と書かれており、昭和の佇まいがただよう店構えです。


店先に漂う醤油ダレの香りは、まさに心が落ち着く懐かしさそのもの。駅から徒歩2分というアクセスの良さも安心材料で、長年愛されてきた老舗の風格を感じます。

<アサヒスーパードライ> 冷えたグラスと麦酒のクリアなキレを描写!まずはまずは喉を潤す!



銀色のラベルが輝く瓶がテーブルに届き、結露でぬれた表面からは涼しげな冷気が立ち上ります。グラスに注げば、黄金色の液体にクリーミーな泡がふんわりと立ち上りました。この一口はもう至福です。口に含むと舌の上ではじめに「飲みごたえ」をしっかり感じ、その直後にはすっと消えるキレの良さが追いかけてきます。まさに辛口ビールの快感です。






アサヒスーパードライは「さらりとした飲み口、キレ味さえる、いわば辛口ビール」と評されるように、爽快な余韻が軽やかに口中に広がります。丸幸のような穏やかな醤油ラーメンのお供には、ビールの苦みとキレがぴったり。ビールが余計な甘みや脂気をきれいに洗い流してくれるので、後で来るラーメンスープの香りが一層引き立ちます。ラーメン前の序章として、この一杯は最高の清涼剤です。



<多満自慢生貯蔵酒DRY> 多摩エリアの銘酒蔵!冷やした切れ味を味わう場面!福生の石川酒造が手がける生貯蔵酒!



すっきりとした淡麗な味わいが特徴です。小瓶から専用のグラスに注がれるお酒は、しずくのように透き通っています。一口含むと、米の旨みの輪郭がほんのり感じられながらも、後口は非常にキレがよくすっきり。『冷やし辛口』の謳い文句どおり、まるで白ワインのような軽快なフルーティ感と鮮烈な辛口さが爽やかに広がります。






前のビールよりもさらに静かに時が流れる感覚が味わえ、昼下がりの贅沢なひとときをより味わい深いものにしてくれます。これぞ「多満自慢」の名前にふさわしい切れ味で、昭和ノスタルジックな空間によく似合います。

<全体> 黄金色に輝くスープに味葱の山!その下には赤身と脂身が交互にのった豚バラ肉が並ぶ!


チャーシューが幾重にも並べられ、その中央には山盛りの青ネギと白ネギが控えめに鎮座しています。丼全体を見渡すと、実にクラシカルな中華そばの風情。チャーシューの向こうからは本枯れ節の香りがほのかに漂い、刻み玉ねぎのフレッシュな緑が映えます。レトロさを競うわけではなく、むしろ「安心感の強さ」で勝負しているかのような佇まいです。

目に見える派手さはないのに、どことなく心をほっとさせてくれる、昭和の中華そばそのものの風格が漂っています。深い琥珀色のスープ、ぷりっとした卵麺、甘みのある薬味ネギ…それぞれが突出しないほどよいバランスで丼に収まっており、全体として完璧な調和を生み出しています。

<出汁> 豚肉&節系の旨味が効いた味わい!動物系の出汁はどこまでも優しく丸みを帯びる!

実に、豚肉をじっくり煮出したような甘みがじんわりと口に広がります。その合間に、本枯れ節のふくよかな香りがふわりと寄り添い、懐かしい香りが鼻腔をくすぐります。掲示によれば「本鰹節を贅沢に使ったタレとスープ」とのことで、その言葉通り煮干しの尖った苦味とは異なる、節の甘い香りがスープ全体を包んでいます。



かえしの醤油も出しゃばり過ぎず、適度な塩味と甘みが“過不足なし”のラインで支えています。まさに、いつまでも飲み干したくなるような、穏やかで芯のある醤油スープが完成しています。中央に浮かぶ刻みネギがスープのエッジを和らげ、熱で甘みが出るにつれ味がまろやかになっていくのも、飲むたびに心地よい変化となります。ナイス!


<麺> 自家製卵麺の滑らかさと出汁との相性ナイス!店自慢の自家製麺!程よいチュルモチ感覚!

卵麺とそば粉入り中華麺の2種類から選べ!今回は迷わず卵麺を指定しました。手もみのかかった細めの縮れ麺は、表面がつるりとして口あたりが滑らか。噛むと程よい弾力でぷりんと弾み、卵のコクがほんのり香るかどうかは不明だが、とにかく卵麺のニュアンスは確実に伝わります。特筆すべきはスープの絡み具合で、この麺は啜るとストレートにスープの旨みを絡め取り、口の中で甘みと香りがふわっと開きます。

麺にスープがしっかり絡むことで、一口ごとに丼全体の滋味深さが増し、止まらなくなる美味しさです。文字通り“熟成を重ねた”二種の麺を大切にしている店の姿勢が感じられ、麺そのものの質の高さがバランス良くスープに溶け込んでいます。



<ネギ> 白ネギと刻み玉ネギの清涼感! 玉葱の荒微塵に加え細く千切りされた白ネギが山盛り!

この白ネギの清涼感が絶妙で、醤油色の出汁に鮮やかな白と緑が映え、丼全体が明るく見えます。口に含むと最初はシャキシャキとした心地よい辛みがあり、時間が経つにつれて徐々にスープの熱で甘みが引き出されていきます。

その変化はまるで春の花がほころぶように嬉しく、ネギの爽やかさが後半まで飽きさせません。麺に絡むタイミングも絶妙で、ネギの香りと食感が麺と一体になって口内の味わいをリセット。脂の重みや甘みが強調されすぎないよう支えてくれる、まさに“薬味”の名にふさわしい役割を果たしています。

<チャーシュー> ほろほろ豚バラチャーシューの甘み!つまむと箸の重みでくずれ落ちそうなほど柔らか!

口に入れると、脂身はとろりと溶け、赤身はほろほろとほどけていきます。甘辛いタレがしみ込んでいるのに全くしつこくなく、むしろ噛むほどに肉そのものの優しい甘みがふわっと立ち上ってくるのが印象的です。


まさに「ホロホロチャーシュー」で、メインにもなる柔らかさです。掲示には「秘伝のタレで作った2種類のチャーシュー」とありますが、この豚バラ肉にかぎらず、どちらのチャーシューもすべて絶妙なバランスで“効く”役割です。スープと麺の間に肉のクッションを挟む名脇役として、丼に奥行きと厚みを与えています。


<メンマ> 濃いめの煮込み味わい!スリムな短冊切りでしっかりと醤油ダレで煮込まれあっさり旨し

噛むとザクザクと歯切れがよく、独特の濃いめの出汁の甘みがじわっと口の中に広がります。店内にも「一番だしと特性スープでじっくり炊いた極上メンマ」と掲げてある通り、ただの添え物ではありません。噛めば噛むほど旨みがあふれ、その煮込んだ味わいがラーメン全体と仲良くなじんで、スープと麺の味に奥行きを与えています。

<味変> 卓上調味料の効果と遊び心!卓上の豆板醤・すりおろしニンニク・ラー油!飽きない!


この3アイテムでいろんな工夫もできます。まず豆板醤をひとさじ溶かすと、節と醤油の景色に赤いアクセントが入り、スープ全体の輪郭がぐっと引き締まります。辛さが目立つというより、香りと味わいのベクトルがひとつ進化するようです。次にニンニクを少量加えると、ふくよかな動物系スープに野性味が少し加わり、食欲がさらに増してきます。




続いてすりおろしニンニクを投入すると、ニンニクらしいパンチが「上から降ってくる」ように醤油スープに重なり、まるで背筋が伸びるような旨みが生まれます。もともと穏やかなスープですから、これだけ足しても出汁の奥深さに戻っていけるのがクラシカルラーメンの懐の深さ。少しずつ味のスイッチをいじりながら、自分好みの味に仕立てていく楽しさがあります。とどめにラー油。これもなかなか合います。豆板醤とすりおろしニンニクの隙間を埋める格好の役割を果たしているかもしれません。

総じまして...「どんなに個性的な素材も突出せず!すべてがそろうと信じられないほど満足感が高まる一杯!?」

琥珀色の出汁、香ばしい節の香り、やさしい豚出汁、薬味ネギの甘み、ぷりっとした卵麺、そしてトロトロチャーシュー──主役が助演を引き立て、助演が主役を引き立て合うバランスの妙を感じます。一方で、アサヒスーパードライと多満自慢DRYはどちらも切れ味を持ちながら役割が異なります。ビールはラーメンへの号砲となる爽快な入口、冷酒は食後の余韻を整える静かなフィニッシュです。
この「二つのドライ」のコントラストの中を、琥珀色の中華そばは悠々と泳いでいます。丸幸はただ「古い」店ではなく、日々丁寧に繰り返されてきた営みの中で醸された「品ある古さ」が魅力の店だと感じます。家族的な温かささえ感じるこの味わいこそが、生活の街・武蔵境に根付く日常の味なのでしょう。出会えたことに感謝しつつ――.....激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと詠って、いつものように締めたいと思います!

お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!




