ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン5942】KEN軒(東京・武蔵野市西久保)濃厚豚骨魚介らぁ麺 + チャーシュー4種盛ハーフ + サッポロ赤星 〜甘やかさより魚介の苦みが前へ!煮干の陰影が立つ濃厚煮干豚骨の趣!

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GW五日間の休日勤務でこわばった心!西久保の静かな昼と水曜限定の一杯がゆっくりほどいていく

 
 あろうことか今年のゴールデンウィークは、五日間も休日勤務でございます。カレンダーが赤く染まっているほど、こちらの気持ちはむしろ灰色に近づいてゆくもので、連休らしい弛緩も、祝日らしい浮かれ心も、どこか遠くへ置き忘れてしまったようでした。だからこそ、本日がGW後半であるという事実は、私にとって単なる連休の終わりではなく、「ようやく自分の時間に戻れる」という合図でもあったのです。
 

 
 しかも五月に入って、これが初めてのラーメン。向かった先は武蔵野市西久保界隈。目指すはKEN軒。名店「麺屋さくら井」の定休日である水曜日にだけ現れ、濃厚豚骨魚介らぁ麺・つけ麺を掲げる限定営業の一軒であります。公開情報でも、その水曜限定の営業形態と濃厚系の顔つきが案内されております。
 

 
 現地に着いてみれば、店構えは相変わらず静かで、むしろ静かすぎるほどであります。無機質にも見える灰色の外壁に、すっと木の扉が収まり、足元には酒瓶たちが整列している。その風景には、やけに生活感があるくせに、どこか舞台装置のような美しさもあるのです。しかも今日はGW最終日の昼下がり。拍子抜けするほどの混み方ではなく、満席ならずで悠々実食という、こちらとしては実にありがたい展開。行列の圧に肩をすぼめる必要もなく、連勤明けで鈍った心身のまま、ゆっくりと食券機の前に立てる幸福を噛みしめました。何でもないようで、この「急かされない一杯」の予感こそ、今日のご褒美の第一弾だったように思います。
 

 
 
 

<サッポロ赤星> GW休出の煤をひと口目で洗い流す!休日をようやく本当の休日にしてくれる助走!

 
 主役はもちろん濃厚豚骨魚介らぁ麺なのですが、そこへサッポロ赤星を添えないのは、せっかく訪れた解放の儀式を半分で終えるようなものであります。ほどなくして注がれた一杯は、よく冷えたグラスにきめ細かな泡をふっくら乗せ、淡い琥珀の下で静かに光っておりました。派手ではないのに、ひどく頼もしい。まるで「まあ座りなさい、まずは落ち着きなさい」と言ってくるような顔をしております。こういう酒は、飲む前からもう旨いのです。
 

 
 そしてひと口。喉を滑ってゆく液体の冷たさに、ようやく身体の時計が休日側へと針を戻してゆきます。仕事の残響のようなものがまだ胸の奥にこびりついていたのですが、赤星はそこを乱暴に剥がすのではなく、じわじわと緩めてくるのがよろしい。麦の旨みと穏やかな苦みが、これから来る豚骨魚介の濃さを迎えにゆく、そんな前口上の役目まで果たしてくれます。昼の酒には罪悪感ではなく、ちゃんと意味があるのだと、今日は胸を張って申し上げたい気分でした。
 

 
 
 

<チャーシュー4種盛ハーフ> 上質豚鶏を酒肴として先に味わう!拉麺への期待を何段も引き上げてくれる贅沢な前奏!

 
 そしてこちらが実にニクい、いや肉いのであります。濃厚豚骨魚介らぁ麺の前に置かれたチャーシュー4種盛ハーフは、青みを帯びた皿の上に、豚と鶏の技巧がそれぞれ異なる表情で並ぶ見事な一皿。皿の一角には塩、もう一角には山葵。たったこれだけの添え方なのに、「どう食っても酒が進むぞ」と無言で告げてくる迫力があります。
 

 

 
 今回はいつもの鶏胸肉が外れ、そのぶん豚バラが一枚増勢したような構成で、豚の存在感がいつも以上に豊かです。艶をまとった豚バラは、脂の甘みをこちらの舌に先回りさせ、しっとりした淡紅の肉は、赤身の旨みを静かに押し出してきます。こんがり火が入った一片は香りのアクセントとなり、皿の上だけで小さな肉の交響曲が成立しておりました。酒のつまみにこれ以上はない、まことに危険な一皿であります。
 

 
 特に心を掴まれたのは、塩を軽く乗せた肉を赤星で流し込んだ瞬間です。塩は輪郭を整え、山葵は香りに青さを差し込み、赤星はそれらを一度さらって、次のひと口をまた新鮮にしてくれます。つまり、いつまでも終わらないのです。ラーメンのトッピングという従属的な言葉ではとても片づけられない、立派な酒のつまみであります。これだけで一軒成り立ってしまいそうなのに、なお本番はまだ先に控えている。その事実が、連勤明けの私の精神をどれほど甘やかしてくれたことか。こういう「先に幸せを一つ与えておく」采配に、良い店の余裕を感じます。
 

 
 
 

<全体> 濃厚でありながら荒れず!むしろ一枚の風景画のように整って見える美しい着地!

 
 さて、満を持しての着丼。目の前に置かれた瞬間、まず思ったのは「濃厚」である前に「整っている」ということでした。丼の中は重たく、強く、押しのある世界であるはずなのに、見た目は実に端正です。表層の色合いは、濃茶へ振り切るのではなく、やや明るみを帯びたベージュ寄り。そこに細やかな泡が浮かび、濡れた漆喰のようなきめ細かさを見せております。
 

 
 海苔は一枚、大きく立ってまるで帆。白ねぎは中央でひと房の雲を作り、青ねぎがその脇で小さな緑を差し、肉は必要以上に騒がず、しかし確かに存在を主張する。濃厚豚骨魚介というジャンルにありがちな「力こそ正義」の乱暴さではなく、整頓された迫力があるのです。これはもう、丼というより一枚の景色。食べる前から、少し得をした気持ちになります。
 

 
 
 

<出汁> 甘やかさより魚介の苦みが前へ!今日はことさらに煮干の陰影が立つ濃厚煮干豚骨の趣!

 
 ひとたびレンゲを差し入れれば、今日の出汁の方向性がはっきり見えてまいります。移転前に感じていた、豚骨の厚みの中から魚介の甘やかさがふっくら立つあの感じよりも、移転後の今は魚介の苦みが一歩前へ出る印象であります。そして本日は、その苦みの芯に煮干しを強く覚えました。単なる魚介ではなく、もっと乾いた海の気配、もっと粉っぽく香ばしい、あの煮干しの輪郭であります。口に含めば、まず煮干し由来と思しきほろ苦さが舌の真ん中あたりに落ち、次いで豚骨の粘度と旨みが底から支えに回る。ですから味の順番が面白い。先に影が差し、それから厚みが抱き留める。結果として「濃厚豚骨魚介」でありながら、感覚としてはかなり「濃厚煮干豚骨」に寄った気分になるのです。
 

 
 しかもその苦みは、嫌な角ではありません。荒れたえぐみではなく、濃厚世界の輪郭を引き締めるための苦みです。甘みだけで押さず、塩味だけで畳まず、苦みをひと筆加えることで、全体が妙に大人びる。豚骨の脂とコラーゲンの厚みが、魚介の輪郭を丸く包み込みつつ、なお煮干しの影を消しません。そのせめぎ合いがじつに魅力的で、レンゲを置く理由を失わせます。濃いのに、ただ重たいのではない。むしろ苦みがあるからこそ、後口は不思議と締まっている。こういう出汁には、気分を矯正する力があります。連勤明けの鈍った舌や気持ちに「ほら、まだちゃんと感じられるでしょう」と問いかけてくるのであります。
 

 
 
 

<麺> 漆喰の様に滑らかな表層!整った麺線!濃厚出汁を抱えて小麦風味をしっかり伝える!

 
 今回は細麺を選。これが大正解。持ち上げた瞬間の麺線がまず綺麗です。暴れも、縮れの誇張もなく、すっと揃って上がってくる。その表層には、ただつるつるというだけではない、どこか漆喰めいた、きめ細かな滑らかさが感じられます。濃厚な出汁を相手にする細麺というと、弱さや埋没を心配したくなるものですが、こちらはまるで逆。一本一本がきちんと自分の芯を持ち、出汁をしっかり絡め取りながら、なお素地の小麦風味を離しません。すすれば最初にスープの厚み、次に麺のしなやかな抵抗、そして噛むほどに小麦の甘みと香り。役割が従順なだけの麺ではなく、濃厚の海でちゃんと輪郭を保つ麺です。
 

 
 しかも、この麺は濃厚出汁を「まとっている」のであって、「飲まれている」のではありません。そこが素晴らしい。持ち上げには力があり、スープをよく連れてくるのに、食感は重く沈まない。後半になるほど、むしろこの整然とした細さがありがたくなります。太麺の豪快さももちろん魅力ですが、今日の煮干し感強めの出汁には、この細麺のほうが香りの陰影まできちんと運んでくれるように思えました。口の中でほどけるたび、濃さの中に小麦の明るさが走る。この対比が何とも上品で、KEN軒の一杯が単に「昔ながらの豚骨魚介回帰」ではなく、今の洗練を帯びた一杯であることを、麺そのものが雄弁に語っていたように思います。
 

 
 
 

<チャーシュー> もろみ麹漬け豚肩ロース!濃厚な麺顔に和の陰影と発酵の柔らかな奥行きを差し込む名脇役!

 
 丼上のチャーシューに箸を伸ばして、あらためて「いい肉だなあ」と頷きます。今回ことさらに印象的だったのは、もろみ麹漬けの豚肩ロースであります。見た目には淡い桃色を残しつつ、ただレアっぽさを見せたいだけの肉ではありません。口に含むと、肩ロースらしい赤身の旨みがまずあり、そのすぐあとから、もろみ麹由来と思しきやわらかな甘い香りがふわりと立つのです。これが実に上品。豚骨魚介の世界にあって、発酵の香りは本来もっと強く浮いてもよさそうなのに、ここではちゃんと「和の陰影」として馴染んでいる。主張過多ではなく、しかし確かにいる。その塩梅が見事であります。
 

 
 さらに面白いのは、スープとの関係です。単体で食べればしっとり上質、スープに軽く潜らせれば、豚骨魚介の濃さをまとってなお肉の個性が消えません。むしろ、もろみ麹の丸みが加わることで、出汁の煮干し感や苦みを少しだけやさしく受け止める働きまでしてくれます。前半の酒肴としての肉皿が「外から盛り上げる肉」だとすれば、こちらは丼の内部で味の調和を司る肉と言ってよろしい。濃厚ラーメンのチャーシューは、ともすると景色の一部で終わりがちですが、この肩ロースは明らかに役目を持っております。濃さに厚みを足すだけでなく、味わいに温度差と陰影を与えてくれる。こういう肉が一枚載るだけで、一杯の格はぐっと上がるものです。
 

 
 
 

<辛味> 辛さだけでなく香味油と魚介の粉気まで帯びた複雑な薬味!煮干感を更に映えさせる!

 
 そして後半、いよいよ辛味を溶かし込みます。これが単なる唐辛子ペーストの類ではなく、なかなかに設計が細かいのです。私の舌には、まず唐辛子の赤い輪郭、そこへ油脂の丸み、ごまの香ばしさ、さらにフライドガーリックとフライドオニオン、あるいはエシャロットにも似た甘香ばしさが重なって感じられました。加えて、塩や醤油に少量の味噌、もしくは豆板醤のようなコクの影もあるように思えます。さらにさらに、これはあくまで体感ですが、干しえび、干し魚、煮干し粉のような甲殻・魚介の気配まで見え隠れする。辛味と言いながら、その実態は「複合的な旨味装置」に近いのです。
 

 
 これを溶かし込むと、もともと強く感じていた今日の煮干し感と、不思議なくらい歩調が合います。普通、辛味は濃厚豚骨の脂を切る方向に働きがちですが、こちらは切るだけではない。煮干しの苦みをわずかに持ち上げ、豚骨の厚みの中へ別の魚介の陰影を差し込み、結果としてスープ全体をもう一段階ドラマティックにするのです。辛い、旨い、だけで済まないのが良いところ。途中から丼の表情が変わり、さっきまで穏やかに整っていた出汁が、少しワイルドに、しかしなお上品にこちらへ迫ってくる。今日の一杯が「濃厚煮干豚骨みたい」と感じられた、その感覚を最後にもう一度くっきり描き直してくれる、実に見事な味変化でありました。
 

 
 
 

総じまして...「連勤明けの身体に必要だったのはただ重たい一杯ではなし!濃さを整えて希望に変えてくれる一杯!」

 
 濃厚でありながら野放図ではなく、むしろ細部まで整え切った一杯の説得力を見せつけてくれました。魚介の甘み一辺倒へ寄らず、煮干しの苦みを利かせた出汁。漆喰のような表層をまとい、きっちり麺線を整えて持ち上がる細麺。もろみ麹漬け豚肩ロースのやわらかな深み。さらに酒肴として抜群のチャーシュー皿と、後半を鮮やかに書き換える辛味。そのどれもが、単独で旨いだけではなく、互いを押し上げ合っているのです。近時の公開レビューでも、KEN軒の濃厚豚骨魚介らぁ麺は「整い」や「完成度」の高さでたびたび言及されておりますが、今日の一杯はまさにその言葉を自分の舌で納得させるものでありました。
 
 何より良かったのは、これが単なる“憂さ晴らしのガッツリ”で終わらなかったことです。仕事疲れの腹に濃いものを入れて黙らせる、という乱暴な満足ではありませんでした。苦みも、香りも、肉の質感も、辛味の設計も、すべてがちゃんとこちらの感覚を起こしてくる。つまり、疲れた身体を雑に慰めるのではなく、鈍った気持ちをゆっくり目覚めさせる一杯だったのであります。五月に入って初めてのラーメンがこれで、本当に良かった。西久保の午後に、ようやく自分の機嫌を取り戻した思いであります。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと詠って、いつものように締めたいと思います!
 
 

 
 
 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!

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