ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン5939】田中そば店 武蔵境店(東京・武蔵境)冷やかけ中華そば 追加ねぎ 〜見た目はいつもの延長線上にありながらひと目で冷たい完成度が伝わる!実に端正!

youtu.be

 

 

 

 

曇天の武蔵境に冴える冷やかけの午後

 
 温かいのに、空だけがどこか考えごとをしているような昼下がり。すきっぷ通り商店街のアーチが曇り空を切り取るように立っています。青い横断幕の色だけが妙に鮮やかで、街はにぎやかなのに、空気の底には静けさがある感じです。
 

 
 ランチタイムのピークを少し過ぎた時間帯というのは、これから何か良いものにありつける予感と、もうひと山越えた街の安堵とが同居していて、実にいいものです。そんな時間に吸い寄せられるように向かったのが、すきっぷ通り商店街に店を構える田中そば店 武蔵境店。田中そば店は、喜多方ラーメンをイメージした“気軽に食べる田舎のラーメン”を掲げるブランド。
 

 
 店先は、派手に客を煽るというより、きちんと整えて待っていてくれる佇まいでした。淡い木目調の外観は、どこか新緑の季節に似合う清潔感があり、曇り空の下だというのに不思議と暗く見えません。券売機横には「夏限定 冷やかけ中華そば はじめました。」の札。あれを見た瞬間、今日の目的はもはや確認ではなく、確信へと変わります。冷たい一杯を食べるために歩いてきたのだと、身体のほうが先に理解してしまったようですー。
 

 

 
 

<全体> 見た目はいつもの延長線上にありながらひと目で冷たい完成度が伝わる!実に端正!

 
 配膳されたそれは、赤い雷紋の器に、澄みきった出汁、そして三枚の分厚いチャーシュー、濃い飴色のメンマ、中央にこんもり盛られた味ねぎ、脇には白く透ける刻みねぎが寄り添う構図でした。ぱっと見の印象は、実はデフォルトの中華そばとそう大きくは変わりません。湯気と熱だけを静かに抜き取り、その代わりに透明な冷気を注ぎ込んだような顔つきです。だからこそ面白いのです。冷やし専用の派手な演出で別物にするのではなく、いつもの田中そばの姿を保ったまま、温度だけで世界を変えてくる。その奥ゆかしさがまず良いのです。
 

 
 しかもこの一杯、近くで見ると、透明感の表現がひときわ見事です。出汁はただ澄んでいるのではなく、器の底へ向かって視線が吸い込まれてゆくような、静かな深さをたたえています。そこへ黒々としたメンマ、ねぎの白と薄緑、肉の薄桃色が折り重なるので、色の対比が実に美しい。冷やかけというと、時に涼しさばかりが先行して寂しい見た目になってしまうこともありますが、この一杯にはそれがありません。むしろ、冷えているからこそ、具材の輪郭と配置の妙が際立っています。派手ではないのに、丼全体から「食べる前にもう旨い」と言わせる説得力が立ちのぼっていました。
 

 
 
 

<出汁> ポカリスエットのようにごくごく飲める軽やかさ!魚介の甘みと丸い塩気がきちんと響く!

 
 冷やしの理想形みたいな出汁ですな....。まずレンゲを差し入れ、その一口を含んだ瞬間、思わず肩の力が抜けました。軽いのです。驚くほど軽い。けれど、薄いわけではありません。舌に重みを残さないのに、旨みだけは確かに残していく、その引き際の美しさが抜群です。まさしく、汗をかいた身体に染み込んでいく飲み物のようで、思わず「ポカリスエットの如し」と口にしたくなる感覚です。
 

 
 ごくごく飲めるのに、味覚だけは置いていかれない。そこに、煮干を思わせるようなほのかな甘み、そして円やかな塩気が静かに重なってきます。冷たいのに、冷たいだけでは終わらないのです。これはちゃんと“旨い冷やし”です。
 

 
 さらに嬉しいのは、その冷え方が徹底していることです。ぬるさの気配が一切なく、口に運ぶたびに温度が味の一部として働いています。冷たさで味を鈍らせるのではなく、冷たさで輪郭を整えている感じです。飲み進めるほどに、魚介のやわらかな旨み、塩だれの柔らかい返し、具材から滲む微かなエキスが重なり、澄んだまま少しずつ表情が増していきます。公式にもこの冷やかけは、スープだけでなく麺や丼まで冷やして提供する夏季限定の人気メニューと案内されており、その思想は確かに一口目から伝わってきました。
 

 
 
 

<麺> グラマラスなもっちり麺が冷気で一段と引き締まる!強い弾力と小麦風味を伝える!

 

 
 箸を差し入れて持ち上げると、麺肌がつるりと光り、その艶だけでもう期待が高まります。熱い田中そばで感じる、あのやわらかく豊かな抱擁感のある麺ももちろん好きなのですが、冷やしになると話は別です。今日はその麺が、まるで背筋を伸ばしたみたいに凛としていました。噛めば、もちっとするだけではなく、びしっと張るような反発があるのです。やわらかさが消えたのではありません。やわらかさの芯に、冷えたことで生まれる張力が宿った、と言うほうが近いでしょう。
 

 
 
 そして何より、この麺は出汁をきちんと連れてきます。すすった瞬間に麺だけが先行するのではなく、冷たい出汁の気配をともなって口の中に飛び込んでくる。だから啜る行為そのものが気持ちいいのです。ずぼぼ、と少し大きめに啜りたくなる快感があります。公式でも平打ちのちぢれ麺を合わせる一杯として案内されていますが、その“面”の広さが、冷えた出汁と小麦の香りを一度に運ぶのに実に効いています。冷たく締まっているのに、決して硬すぎず、むしろ素地の風味がくっきり見えてくるあたり、実に頼もしい麺でした。
 

 
 
 

<追加ねぎ> 薬味の域を越えた準主役!胡麻油の甘香ばしさとシャキシャキ歯触り!全体を引き上げる!

 
 この具材は、パフォーマンスをぐっと引き上げます。中央に盛られた味ねぎは、見た目の時点で既に正解です。細く刻まれた葱がふわりと立ち、ところどころに胡椒らしき黒い粒が見え、表面にはつやがある。そのつやが実にいいのです。そこには、ただ生のねぎを盛っただけではない、和え物としての自信が見えます。口に運ぶと、まず歯触りがいい。シャキシャキ、いや、少しザクザクと表現したいくらい、軽快に歯が入ります。そしてすぐに、ねぎ特有の清涼感の裏から、胡麻油の甘い香りと旨み調味の親しみやすい厚みが立ち上がるのです。
 

 
 この追加ねぎの秀逸なところは、単独で美味しいだけでは終わらないところです。少しずつ出汁に沈めていくと、その味付けが冷たいスープにもじわじわ滲み出し、丼全体の表情が少しずつ変わっていきます。最初は静謐だった出汁に、香ばしさとわずかな甘みが加わり、食べ進むほどに“楽しさ”が増していくのです。冷やしかけというと、時に整いすぎて単調になることがありますが、この味ねぎがいることで物語はちゃんと動きます。涼しさの中に躍動が生まれる。今日は追加ねぎを頼んで大正解でした。これは薬味ではなく、立派な演出家です。
 

 
 
 

<チャーシュー> デフォルトで三枚入る大きめで厚めのバラ煮豚が冷たい出汁の中でもちゃんと旨し!

 
 田中そば店らしい肉の満足感を一歩も譲りません。まずこの景色がいいのです。丼の手前に、どっしりと三枚。しかも、ただ薄く大きいだけではなく、きちんと厚みがある。冷やしの一杯というと、どうしても涼味や繊細さへ重心が寄りがちですが、このチャーシューが入ることで、ちゃんと“ラーメンを食べている”という腹の底の満足感が生まれます。
 

 
 しかも冷たい出汁に浸っていても、肉としての魅力が鈍りません。脂は冷えても嫌な固さにはならず、むしろ輪郭が整って、甘みが静かに立ちます。赤身はほろりとほどけ、下味の塩気が冷や出汁に少しなじんで、全体の調和の中にきちんと収まっています。
 

 
 面白いのは、この肉が冷たい一杯の中で“異物”にならないことです。温かいそばの肉なら当然と思える存在感が、冷やしでもそのまま成立している。これは案外すごいことだと思います。一枚かじって、すぐに麺を追い、また出汁を飲む。その往復がとても自然で、肉が重荷にならないのです。それでいて、一枚ごとの食べ応えはしっかりある。冷やしだから軽く、ではなく、冷やしだけれど満足。そんな頼もしい着地を作ってくれるのが、この三枚のチャーシューでした。
 

 
 
 

<メンマ> 漆黒に近い醤油色で身構えさせながら食べれば驚くほどさっぱり!見た目と味の落差!

 
 麺顔の左手に寄せられたメンマは、実に東日本らしい濃い色をまとっています。透明な出汁、白いねぎ、淡い色のチャーシューに対して、このメンマだけが夕暮れのように深い色を沈めている。そのコントラストがまず美しいのです。けれど、いざ口にすると、見た目ほど重たくありません。醤油の気配は確かにあるのに、後味はいたってさっぱりしていて、冷やしの流れを乱さないのです。
 

 
 噛んだときの食感も実に心地よく、やわらかすぎず、硬すぎず、くにゃりと入ってから小気味よく切れていきます。この一杯が全体としてあまりに涼やかなので、こうした濃色の具材が一つあることで、味も景色も締まるのだと思います。白いねぎと合わせても良し、麺と一緒に啜っても良し。派手さはないのに、いないと困る。そんな、玄人好みの支え方をするメンマでした。
 

 
 
 

総じまして...「冷やかけ中華そばに追加ねぎ!奇をてらった冷やしではなく田中そば店の持ち味を夏の温度帯へ移し替えた完成度の高い一杯!」

 
 見た目はデフォルトメニューと大きく変わらないのに、出汁だけがきっぱり冷えている。その“ほとんど変えずに、決定的に変える”感覚が実に見事です。軽やかに飲める出汁、冷えて引き締まった麺、丼全体を活性化する味ねぎ、冷たいまま美味しいチャーシュー、濃色なのに後味が軽いメンマ。どれもが単体で良いのに、全体の流れの中でさらに冴えます。暑さにやられそうな日、食欲がやや鈍い日、それでも“旨いラーメンを食べた”という満足は欲しい日。そんな日にこそ、この一杯は強い味方になります。その年だけの思いつきではなく、「またこの季節が来た」と身体に教えてくれる夏の定番!。涼しいだけではなく、ちゃんと旨い。軽いだけではなく、きちんと満ちる。実に見事な、初夏のラーメンでした。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと詠って、いつものように締めたいと思います!
 
 


 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!

田中そば店 武蔵境店

関連ランキング:ラーメン | 武蔵境駅