ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン5923】麺屋 さくら井(東京・武蔵野市西久保)[春限定]ジェノベーゼ 塩らぁ麺 + リゾット風追い飯 + ホタルイカ酢みそ + サッポロ赤星 〜春の海と野、和と洋、清涼感と旨みを一つの丼へ無理なく昇華させた季節限定!

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春の長雨に洗われた西久保の休日!名店へ滑り込めた小さな幸運と季節限定への期待に胸高鳴る!

 
 四月初旬の休日。雨が降っていたせいでしょうか、武蔵野の空気はどこか湿り気を含み、街全体がいつもより少しだけ静かに呼吸しているようす。この日は、雨が街の歩幅を一段ゆっくりにしていたのか、あの「麺屋さくら井」でさえ、妙に落ち着いた表情を見せております。
 

 
 実はこういう日は、得をします。なぜなら、名店の味はいつだって旨いのですが、そこへ「待ちの少なさ」という偶然が重なるから。幸福はぐっと私物化されるからです。雨に少し濡れた路面を踏みしめ、西久保の空気を肺に入れながら暖簾へ向かう、その数分間だけでもう気分はかなりいいものです。しかも本日のお目当ては、春限定の「ジェノベーゼ 塩らぁ麺」。ラーメンという和の器に、バジルという洋の風を呼び込み、さらにホタルイカとあぶら菜で春を可視化してしまう。そんな一杯が待っているのですから、そりゃあ足取りも自然と軽くなります。
 

 
 
 

<サッポロ赤星> 休日に赤星を差し込む!舌と心を整えこれから始まる春限定に向け感覚を苦味で再起動!

 
 まずは、サッポロ赤星。こういう日は、いきなり麺へ突撃してはいけません。雨の朝をくぐり抜け、ちょっと湿った空気を身体の外側にまとったまま席に着いたのなら、最初にやるべきことは一つ。冷えた瓶を持ち上げ、グラスに琥珀色を注ぎ、白い泡の立ち上がりを眺めながら「今日は勝ちな日!」と静かに思うことです。
 

 
 そして赤星のいいところは、変に気取らないのに、気持ちをきちんと正してくれるところ?。苦味が先導し、麦のふくよかさがすぐ後ろから支え、喉を抜けたあとに余計な甘ったるさを残さない。だから、これから来る繊細な一杯の前座として非常に優秀です。
 



 ここで嬉しい変化。サッポロ赤星に、さりげなく添えられるサービスのおつまみ。供されたのは、おそらく“もろみ麹漬けの豚肩ロースの炙り”。しっとりとした肉質に、もろみ麹由来のやわらかな甘みとコク。そこへバーナーで軽く炙りを入れることで、表面に香ばしさが立ち上がります。脂はくどさなく、むしろ軽やか。添えられた葱の清涼感が後味を整え、気づけばまたグラスに手が伸びる設計。これはもう、“一杯で終わらせないための仕掛け”。赤星との相性、言うまでもなく抜群でございます。
 
 
 
 

<ホタルイカ酢みそ> 海の旨みを凝縮したホタルイカ!酢みその丸い酸味とともに春の海を大いに運び込む!

 
 おつまみは、ホタルイカ酢みそ。これがまた、たいへんに良い。ラーメン屋のサイドメニューというより、ちょっと気の利いた割烹の春皿が、たまたまカウンターの上に紛れ込んだかのような、そんな顔つきです。
 

 
 ホタルイカは、見た目の小ささに油断してはいけません。小さいくせに、旨みの密度だけはやけに高い。噛んだ瞬間に身の弾力がしっかりと返ってきて、そのあと内臓を含めた濃い風味がじわりと広がる。富山湾直送はダテじゃない、という言葉がまさに似合う鮮度感で、ぐにゃりとした弱さではなく、ぷつんと小気味よい反発を持っています。ここが実に大事です。ホタルイカは柔らかければいいのではなく、春の海を抱えたまま、ちゃんと張りを残していてほしいのです。
 

 

 
そこへ酢みそ。これが前へ出過ぎない。酸っぱさで支配するのではなく、あくまでホタルイカの旨みを丸く受け止めながら、後味を軽やかにしてくれます。この加減がじつに上品。赤星を一口、ホタルイカを一つ。すると口の中で「海」と「麦」が握手をする。しかも、これからバジルと塩出汁が待っているのですから、ここで海の旨みを先に身体へ入れておくのは、物語としてもたいへんに都合がいい。
 

 
 
 

<全体> ホタルイカとあぶら菜の春色!翡翠のバジル!塩の透明感が一体となり春の到来を伝える!

 
 そして着丼。いやはや、これはもう「春限定」というより、「春、そのもの」でございました。まず視界に飛び込んでくるのは、ホタルイカとあぶら菜の組み合わせです。海と野の春が、丼の表面でちゃんと隣り合っている。
 

 
 しかもそこへバジルの翡翠色が差し込むことで、ただの季節感では終わらない、少し洋風で、少し洒脱で、しかしやり過ぎではない、実にさくら井らしい景色が出来上がっています。塩らぁ麺の穏やかで透明感ある地平に、ホタルイカの深い色味と、あぶら菜の鮮緑が映える。見た目の段階ですでに「春の長雨の憂鬱を払う一杯」というテーマが完成しているのです。
 

 
 ここが凄いのは、華やかなのに軽薄ではないところです。バジルを使うと、ともすれば洋風へ大きく傾きすぎてしまう危険もあります。ホタルイカを前に出せば、今度は居酒屋的な海鮮感へ寄り過ぎる可能性もある。しかしこの一杯は、そのどちらにも逃げません。ラーメンとしての骨格を保ったまま、春らしさだけを鮮やかに浮かび上がらせている。
 

 
 
 

<出汁> 穏やかな塩出汁にバジル溶込む!和にも洋にも振り切らず絶妙な均衡!清涼感と旨み両立!

 
 スープをひと口。ここでまず感心するのは、「バジルを効かせました!」という派手な自己主張ではなく、「塩の静けさの中に、バジルが風のように通っていく」という設計になっていることです。
 

 
 穏やかな塩出汁が土台にあります。だから輪郭はやわらかい。けれど弱いわけではありません。静かなのに、芯がある。そのうえでバジルが溶け込むと、いわゆるジェノベーゼ的な青い香りとオイルっぽい華やぎが立ち上がるのですが、これがまるでスープ全体を洋食へ染め上げることなく、あくまで「らぁ麺の中を吹き抜ける風」として機能しているのです。
 

 
 この匙加減が見事。和にも洋にも振り切らない。むしろ、どちらの良さも少しずつ借りながら、真ん中の細い橋の上を軽快に歩いていくような感覚です。塩の清らかさがあるから後味は重くならず、バジルの爽快感があるから単調にもならない。さらにホタルイカの海の旨みや、菜の青い気配が少しずつ重なっていくので、口の中で春の情報量が増えていきます。
 

 
 
 

<麺> 色白で多加水!密度軽めな設計の麺!出汁を素直に吸いバジルを纏い小気味よい歯切れ!

 
 麺がまた、実に面白い。さくら井で初めて遭遇した感覚、というご指摘に深くうなずきたくなる一本でございました。多加水系で、色白。まず口当たりがつるりと滑らかです。ところが、ただ瑞々しいだけではありません。密度感をあえて低めに置いているような、あの独特の軽やかさがある。つまり、むちむち詰まっている麺ではなく、出汁を受け止め、吸い込み、表情を変える余白をちゃんと持った麺なのです。これが本当にこの限定に合っています。
 

 
 
 すすれば、表面の滑らかさが先に来て、そのあと歯で拾うと「スパスパッ」と小気味よく切れ込む。この歯切れが心地いい。ぐにぐにでも、もっちりでも、むっちりでもない。もっと爽やかな、春向きの切れ味です。そして何より、この麺は出汁を吸うのが上手い。穏やかな塩とバジルの香りを、自分の身体に素直に取り込み、そのままこちらの舌へ運んでくる。
 

 
 さらに、バジルの欠片を貼り付けるのも得意ときた。これがまた愉快なのです。麺を持ち上げるたび、緑の粒子が表面にちょこんと乗り、一口ごとに香りの濃淡が変わる。つまり麺そのものが、スープの翻訳者になっているのです。出汁の華やかさを過剰に演出するのではなく、素直に、しかし的確に表現する。こういう麺に出会うと、ラーメンはやはり「麺料理」でもあるのだと改めて思わされます。主役を食ってしまわないのに、主役の魅力をいちばんよく伝えている。なんとも頼もしい春の通訳でございました。
 

 
 
 

<ホタルイカ・あぶら菜> 海の旨み凝縮ホタルイカ!青い食感のあぶら菜!バジルと共鳴しながら春の作り上げる!

 
 具材の白眉は、やはりホタルイカとあぶら菜でしょう。ホタルイカは、鮮度の良さがまず食感に出ています。小さな身体なのに、ぷりっとした弾力がある。噛めば内臓まで含めた濃厚な旨みが一気にほどけ、海の記憶がぐっと立ち上がる。この「小さいのに情報量が多い」感じがたまりません。塩出汁に沈めても負けないどころか、むしろスープの中へ海の輪郭を追加しているようでした。
 

 
 対してあぶら菜。こちらは茹で加減と冷水の締め方のセンスが光ります。火を入れすぎていないので、鮮緑の印象がちゃんと生きている。しかも、シャキッとしすぎて青臭いわけではなく、程よくしなやかで、程よく歯に触れる。春野菜の持つ「青い旨さ」を、もっとも気持ちのよい地点で止めているのです。
 

 
そしてこの二者が、バジルと混ざると実に面白い。ホタルイカの海の旨み、あぶら菜の青い旨み、バジルの爽やかな青い香り。青、と一口に言っても、その中身はまるで違います。海の青、畑の青、ハーブの青。それが丼の中で喧嘩するどころか、見事に共鳴する。言うなればこれは、春のオーケストラです。ホタルイカが低音、あぶら菜が中音、バジルが高音。三者がそれぞれ勝手に歌っているのに、気づけば一つの旋律になっている!?。
 

 
 
 

<チャーシュー> もろみ麹を浸透させた二種肉!春限定の和洋折衷性に寄り添いつつ静かに肉旨みを重ねる!

 
 チャーシューは、もろみ麹を浸透させた豚肩ロースと鶏胸肉の二種。これがまた、実にこの限定の空気に合っています。豚肩ロースは、ただ肉の旨みを押し出すだけではありません。もろみ麹由来の、ほのかな甘みとふくらみがじんわりと染みていて、塩やバジルの尖りを和らげながら受け止めてくれる。肉そのもののコクはあるのに、重たくならない。春限定の軽やかさを壊さず、それでいて「肉を食べている満足感」はきちんと残す。この絶妙な立ち位置が見事です。
 

 
 鶏胸肉のほうは、より端正。しっとりとした質感の中に、麹の作用による柔らかな旨みがあり、バジルとの相性がすこぶる良い。一般に鶏胸は上品に寄りすぎて記号化しやすいのですが、ここでは単なる“淡泊担当”では終わっていません。塩出汁の静けさ、バジルの風、あぶら菜の青さ、そのすべての間にすっと入り込む柔軟性があります。
 

 
 
 

<味玉> 塩ダレ寄りの軽やかな味付け!ジェノベーゼに自然に溶込み黄身のコクで厚みを加える!

 まず目を引くのは、ねっとりとした橙色の黄身。火入れは絶妙で、中心に向かってとろける寸前の濃度が美しくまとまっています。ひと口で気づくのは、「醤油ではない」という点。従来のコク押しタイプではなく、今回は明らかに塩ダレ寄り。だからこそ主張しすぎず、バジルの香りや塩出汁にすっと寄り添います。
 

 
 黄身の濃厚さはしっかりありながら、後味は軽やか。スープと合わせることで、コクと清涼感が同時に広がる感覚が実に心地よい。単体でも旨い。しかしこの一杯の中では、“構成要素”として完成している味玉!まさに春仕様の一品です。
 

 
 
 

<リゾット風追い飯> 残ったバジル塩出汁を最後まで輝かせる専用追い飯!終盤をお洒落なオジヤとして着地!

 
 終盤の切り札。リゾット風追い飯。これが単なる小ライスではないのが偉い。パルメザンチーズとブラックペッパーがふわりとかかっているうえ、軽く温められているような気配がある。だから薬味がほんのりとろけ、米がいきなり冷たく世界観を壊すことがありません。ちゃんとこの一杯の続編として設計されているのです。
 

 
 残った出汁は、すでにホタルイカやあぶら菜、麺、肉の気配を吸い込み、バジル風味もやや濃くなっております。そこへこの追い飯を投下する。するとどうなるか。もう、やる前から分かっていた大正解です。塩の穏やかさ、バジルの華やぎ、チーズの乳化感、黒胡椒のきゅっとした刺激、そして米の安心感。その全部が一つにまとまり、「リゾット風」の名に偽りなしの幸福が広がります。
 

 
 とはいえ、あくまで“風”なのがまた良い。完全な洋食へ行き切らないのです。どこかオジヤ的でもあり、けれど雑炊ほど和へ寄りきらない。私は食べながら、「これは“おしゃれなオジヤ”という表現がいちばんしっくり来るな」と妙に納得しておりました。最後の最後まで、春限定の気分を薄めず、むしろ濃くして着地させる。実に抜け目のない一手!。
 

 
 
 

総じまして・・・「春の海と野、和と洋、清涼感と旨みを一つの丼へ無理なく昇華させた季節限定!」

 
 「麺屋さくら井」の[春限定]ジェノベーゼ 塩らぁ麺は、春という季節の曖昧さや軽やかさ、その両方を見事に一杯へ封じ込めた傑作。ホタルイカの海の旨み、あぶら菜の青い食感、バジルの爽快感、穏やかな塩出汁、そこへ寄り添う麺と肉。どれか一つが目立ちすぎることなく、それでいて全部がちゃんと記憶に残る。こういう一杯に出会うと、「限定」という言葉の本来の意味を思い出します。ただ珍しいのではない。その季節、その日、その空気にこそ似合う味なのかと!。
 
 和にも洋にも振り切らず、海にも野にも偏らず、軽やかなのに薄くない。しかも最後は追い飯で、しっかり幸福の底までさらっていく。この完成度を前にすると、季節限定だからと躊躇している場合ではありません。見かけたら食べる。空いていたら即入る。雨でも行く。むしろ雨の日こそ行く。そのくらいの前のめりさでちょうど良い、実に見事な春の一杯でした。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと詠って、いつものように締めたいと思います!
 
 

 
 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!

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