11月初旬の土曜日!温かみを残した曇り空の下、ふらりとこの店へ!

今回は、「ら〜めん高尾」へ向かいました。訪れるのはおよそ半月ぶりです。平日の疲れを癒したいとき、気取らず気楽に過ごせるこの店ほど、心地よい場所はありません。まるで「拉麺酒場」のように、昼から瓶ビールを傾けながら過ごせる自由さがたまりません。サッポロ赤星も、黒ラベルも、キリンラガーも揃っているという安心感。それだけで、すでに癒しの儀式が始まっている気がします。

この日は特に、心身ともに少し疲れていました。何かに包まれたい、穏やかに溶け込みたい。そんな気分のまま暖簾をくぐると、店内の空気がやさしく迎えてくれました。漂う出汁の香り、ほどよい湯気、心地よいざわめき。そのすべてが、まるで「おかえり」と語りかけてくるようでした。ここは、私にとっての“日常の中のオアシス”。仕事も時間も忘れ、ただ丼の中に集中できる、そんな場所なのですわー。

<サッポロ赤星> 駆け抜ける麦芽の風合いに後口の軽い甘味がナイス!初動の苦みがズシリ!弾んで2本!



キンと曇ったグラスへ最初の一滴が落ちると、底には白金、中央に琥珀、上に雪帽子——三層のグラデーションが立ち上がります。縁に並ぶ極小の気泡は、今日の機嫌をそっと引き上げる気圧計ですな!。



あゝ、口に含むと、まずズシリと苦みが号砲を鳴らします。すぐに麦芽の風合いがすうっと駆け抜け、余韻に軽い甘みがふっと残ります。冷たさで輪郭が痩せないのが赤星の美点で、苦み↔甘みの往復運動がはっきり見えるのです。曇天でも喉の奥には高気圧が張る!そんな説得力があります。



1本目で雲間に光が差したように景色が明るくなります。2本目で泡のドームが完成し、世界が少し面白く見えてきます。今日はここでピリオド。3本目の誘惑は、次の土曜日の自分に預けます?。赤い星がラベルで瞬くたび、「続きはまた」とウインクしてくれる・・・そんな余白を残してグラスを置くのが、曇り空の日のちょうど良い、大人の所作と思います。




<まかないチャーシュー皿> 深いタレの浸透で香ばしい刻み肉片!半熟玉子をのせて二段仕込み!後半は辣油で三段加速!

器の中は、角切りチャーシューの小惑星帯!。外は香ばしく、内はややしっとり・・・その上に刻みネギがさらりと降り注ぎ、曇り空の土曜日に小さな花火が咲いたように見えます。ここへ本日は半熟玉子をドン!。白身はふるふる、黄身はとろける寸前で待機中。見た目からして勝ち確メンバーが揃います。

へへへ・・・まずは醤油ダレをひと筋。ネギの香りが立ち、チャーシューの角に艶が走ります。噛めば、下味の染みた赤身がほろり、脂身は体温で溶けてコクを置き土産にしていきます。そこへ半熟黄身を割り込みさせますと、タレのキレと卵のまろみが握手を交わし、味の重心がぐっと低くなります。ビールは自然と二口、三口と進みます。相変わらず、酒泥棒なる旨さですよ。



中盤戦は、もやしとネギを巻き込みながら玉子をまとわせ、とろ・シャキ・ザクの三重奏でいただきます。食感がリズム隊、チャーシューがリード、黄身がシンセサイザー。口の中で小さなフェスが開幕じゃー!。


そして終盤、辣油をすっと垂らしてギアを一段上げます。香りが一気にホットレンジへ飛び、先ほどまでのまろみがきゅっと引き締まります。タレ×黄身×辣油の三角合体で、香ばしさ・コク・辛味がトライアングルに。余韻にネギの青みが戻ってきて、もう一口の背中を押してくれます。最初はやさしく、途中は濃厚、最後はピリッと・・・三幕構成で飽きませんな!。


<メンマ皿> コリコリ快感の小気味良さ!温かみのあるあっさり仕立て!ブラックペッパーでピントが合います!

器には短冊メンマが整列し、その上に白髪ねぎがふわりと雪化粧しています。ひと口目はやさしい塩梅で、サクッ→コリッの二段打ちが気持ちよく響きます。温かみがあるので、作り立ての湯気まで想像でき、赤星の清涼感ときれいに同調します。

ここでブラックペッパーをパラリと振ります。香りが立ち上がった瞬間、味の輪郭にピントが合い、淡い旨みが“キリッ”とフォーカスされます。胡椒の辛香がメンマの甘みを引き出し、ねぎの青みと重なると、口の中に軽快な三和音が鳴ります。後半はペッパーを少し強めに——噛むたびに、サク・コリ・ピリのリズムが整って、グラスが自然に傾きます。

あっさり→シャープの二段変化で、最後までダレません。主役を張らずに卓上全体の指揮をとる、“影のバンマス”のような一皿でした。

<全体> 青の稲穂がどんぶりを埋め尽くす!定番ラーメンに青菜2倍で視界が一気に緑色!?

配膳の瞬間、まず青菜のボリュームに圧倒!今回は、「青菜ダブル!」と言うコール。店主にとって、そんな妙なコールは、初めてらしく何度か聞き返され確認されてしまいましたー:汗。

さてその麺顔。艶やかな葉先が扇状にびしっと並び、丼の半分以上を緑で塗りつぶしております。一本一本が立ち上がるように揃っていて、まるで“青の畝(うね)”が敷き詰められた畑を上空から眺めているみたいです。表面には湯気の細い糸がふわりとかかり、葉脈のテクスチャが光を拾ってキラリと露のように光ります。中央には白地にピンクの渦巻き——ナルトが座標マーカーのようにポンと置かれ、視線をやさしく中央へ引き戻します。

その奥側には短冊メンマが整列し、木目のような端正さで“静”を担当、すぐ下でチャーシューが薄桃色の面を見せ、緑の勢いに落ち着きを添えます。スープは澄んだ琥珀で、縁にはごく細かな油玉がレンズのように並び、カウンターの照明を反射してきらきらと瞬きます。細麺は軽くうねりながら表層に顔を出し、スープの層と青菜の壁のあいだをすり抜けていく軌道が美しいです。

<出汁> あっさりなのにコク深し!豚骨や乾物・野菜の旨みが円やかに溶け合うハーモニー!

嗚呼・・・染み渡る旨さ。抵抗感なく体にすっと染み入るようで、まさにあっさり醤油味です。塩気に角が立たず、とてもお優しい味わい。派手さはないけれど、それがまた魅力的でホッとする美味しさですね。思わず思わずゴクゴク飲み干す旨さ!

ベースは豚系清湯と思われます。そこに昆布や煮干しなど乾物の旨みもしっかり煮出されており、出汁の深みが存分に引き出されています。さらに野菜から出る自然な甘みもしっかり感じられ、全体の味を一層まろやかにまとめています。そして醤油ダレには適度に豚の脂エキスが浮かび、十分なコクとまろやかさをプラス!これだけで思わず笑みがこぼれるこくまろな味わいです。

まさにライトでありながらコク深い醤油出汁!豚や野菜、乾物のエキスが見事に調和したスープで、レンゲが止まらなくなる痛快な美味しさです。気のせいかもしれませんが、ふと生姜の風味が隠し味のように感じられたのにはハッとさせられました。醤油のキリッとした輪郭に生姜のほのかな香りが重なって、これがまた実に旨い!結局スープを一滴残らず飲み干して大満足。優しくも奥深い醤油出汁は体の芯まで温めてくれて、食欲を幸せで満たしてくれる一杯ですわ!

<麺> 蕎麦のような素地感覚!滋味と気品!噛む程に粉の甘み立ちのぼる独中太ストレート!

レンゲでスープを啜り、箸を構えて麺を持ち上げると、その瞬間に“気持ちのいい弾力”が指先へ伝わってきます。やや平打ち気味の中太麺は、光を反射してしっとり艶やか。表面は滑らかですが、舌先にはわずかなザラつきが感じられ、これが実に心地よい。まるで手打ち蕎麦のような質感です。

噛み締めれば、粉の香りと甘みがふわりと広がります。スープを吸っても芯が残るような強靭さがあり、終盤までダレることがありません。酒を飲みながらゆっくり啜っても、食感が崩れないのがすごい。クシクシとした歯切れと、ムチリとした粘りが共存していて、咀嚼のたびに「これこれ!」と唸りたくなる快感が訪れます。

噛むほどに出汁の醤油と粉の甘味が混じり合い、鼻へと抜ける香りがたまりません。単に“麺が旨い”というより、“麺が主張する”。熱に負けず、スープと対等に渡り合う存在感。まさにザ・蕎麦ライク中華麺!この一杯の重心を支える、滋味と品格を兼ね備えた主役級の麺!。
<青菜> 整列した美しさ!圧倒的量感!凛とした緑の舞!立派なほうれん草お浸しなる逸品!

目を奪われるのは、その見事な整列ぶり。まるで定規で測ったかのように、きっちりと丼の縁に沿って並ぶほうれん草。その緑は深く鮮やかで、光を受けて艶やかに輝き、スープの琥珀色との対比がこれ以上ないほど美しい。ラーメンの世界において、青菜はあくまで脇役のはず。しかしこの一杯では、主役級の存在感を放っている!。

そして見れば見るほど、そのボリューム感にも驚かされます。通常の「彩り」や「飾り」としての青菜ではなく、堂々と“お浸し一品分”が鎮座するような風格。まさに副菜がそのままラーメンに融合したような仕上がりです。葉の部分はしっとりと柔らかく、野菜本来の甘みがふわりと広がる。そして茎や葉脈の部分はシャキリと清涼感をもたらし、秋深い時期に、まるで春の風のように口の中を吹き抜けます。

それがスープに浸かることで、旨味を吸い込みながら一層の深みを増し、醤油出汁の香りと混ざり合い、ひと口ごとに異なる表情を見せてくれる。菜と出汁が交わるこの瞬間、丼の中に小さな自然の風景が広がるようです。その整然とした姿、艶、香り、味わい——どれをとっても完成度が高く、見た瞬間に「おっ」と声を漏らしてしまうほど。ラーメンの一要素を超えて、ひとつの“料理”として成立!。まさに「青菜の極み」と呼ぶにふさわしいかと!。
<他具材> 懐かしき面々!麺顔を支える名脇役たち!ナルト!可愛いサイズの焼豚!温かいメンマ!


青菜の清らかさに見惚れていると、ふと隣からこちらを見つめ返す“あの子”がいる。そう!それはナルト。渦を巻くピンクの模様は、まるでラーメン界のアイドル。昭和の街角から続く、永遠のシンボルだ。なくても味は成り立つ。だが、ないとどうにも落ち着かない。まさに存在そのものが「郷愁」。ひとくち啜るたび、あの頃の食堂の湯気と、少年の笑顔がふわりと蘇る思いです。


そして、その隣で静かに構えるチャーシュー。大ぶりではない。むしろ、丼の中で控えめに寄り添うようなハーフサイズ。だがこの一枚が、心を鷲掴みにする。脂の照りはおだやかで、噛むほどに豚の旨味がじわりと染み出す。近年流行のトロけるタイプではなく、どこか懐かしい煮豚系。昔ながらの食堂で出てきたような、あの“チャーシューライス”を思い出させる。小さくても、誇り高きクラシック。これこそがラーメンの原風景を形作る、魂の一片とは言い過ぎがか!?。


そして忘れてはならないのが、メンマ。すでに「メンマ皿」として単品で堪能しているにも関わらず、再び丼の中で出会えば、そこには新しい物語がある。温かいスープに包まれた瞬間、表情が一変。冷製では際立っていた発酵香と繊維感が、やわらかく溶け出し、まるで“母の優しさ”のような穏やかな甘味を帯びる。噛み締めるごとに、ラーメン全体の出汁と重なり合い、ひとつのハーモニーを奏でてくれる。




この三者・・・ナルト、チャーシュー、メンマ。どれも決して主役ではない。だが、彼らがいなければ舞台は完成しない。まるで昭和の町並みを彩る看板や提灯のように、丼の中で温もりと記憶を灯し続けている。そう、この一杯は“懐かしさ”という名の芸術。脇役が全員、主役級の輝きを放つ、そんな嬉しい競演なのですー。

総じまして・・・「一杯の丼に心が整う!穏やかに確実に疲れた自分を優しく包み込む一杯!」

まず器の中に咲く青菜!その整然とした佇まいはまるで祈りのように感じて嬉しいです。その緑が出汁を吸い込み、麺と絡み、自然と微笑みがこぼれます。そしてナルト、チャーシュー、メンマ――どれも昭和の記憶を呼び起こすような、懐かしくも温かな存在!。派手さはないのに、欠けると寂しい。まるで長年寄り添ってきた友人のようにそこにあるだけで安心できる。そして毎回、嗚呼、今日も来てよかったと心の中で呟きたくなる。ここは、仕事帰りでも、休日でも、変わらず迎えてくれる場所です!。ら〜めん高尾は、私にとって「ご褒美」でも「逃避」でもありません!激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思いいます!

お粗末様でした!ということで今日も家族に感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!




