ラーメン食べて詠います

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【今週のラーメン5827】瀬戸内食堂 ねいろ屋(東京・新宿)親鳥中華そば 〜緻密に計算されたモダンな一杯!出汁と麺と具材の調和が見事!最後まで飽きさせない完成度!

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空腹の午後3時!新宿で出会った救世主!煮干し・羊・そして親鳥!中華そばのカオスな魅力に惹かれ赤い暖簾をくぐる!

 
平日の午後3時。移動続きで昼食を逃し、お腹は空いているものの、家に帰ってからの夕食を考えると何かを食べるべきか悩ましい時間帯です。
 

 
乗り換え駅の新宿で、この時間に営業していて、駅から近い店はないか…と探して見つけたのが、この「瀬戸内食堂 ねいろ屋」でした 。まさに救世主の発見です。しかし、店の情報を少し見ると、その姿は一筋縄ではいかないカオスなものでした。「瀬戸内」を謳い、「極上煮干し一番出汁」を掲げる一方で、この店はラーメン好きの間では個性的な「羊らーめん」でも知られています。そして、店の入り口には「親鳥中華そば」と書かれた鮮やかな赤い暖簾が揺れているのです 。瀬戸内、煮干し、羊、そして親鳥。この混沌とした魅力に抗うことはできず、私はその赤い暖簾をくぐることにしました。 
 

 
 
 

<全体> 伝統的な雷文丼に注がれた黄金出汁!親鶏肉の姿とその旨味が凝縮された力強さ!

 
黒いお盆に乗って、静かにカウンターへと運ばれてきた一杯。器は、紛れもないクラシックな雷文丼(らいもんどん)です。ラーメン好きにはおなじみの、渦巻き模様が縁を飾る伝統的な器が使われています。この時点で、「親鳥中華そば」という名前とノスタルジックな器から、どこか懐かしい、鶏出汁の効いた醤油ラーメンを想起する方も多いのではないでしょうか。
 

 
しかし、その丼が湛えるスープの色は、そのクラシックな名前から抱くイメージを心地よく裏切るものでした。目の前に広がるのは、澄んだ醤油色というよりは、リッチな「黄金色」の液体です。店内の照明を浴びてキラキラと輝き、鶏の旨味が溶け込んでいるかのような、やや白濁したそのスープは、見た目からも豊潤さを物語っています。



丼の中央には、青々と瑞々しい刻みネギがこんもりと盛られ、その脇を固めるように、クラシックなナルトと一枚の海苔が配置されています。そして何より目を引くのが、二種類の鶏チャーシュー。丼の右サイドには、醤油色が染み込み、しっかりとした歯ごたえを予感させる親鳥のチャーシューが数枚、扇のように並んでいます。対照的に、左サイドにはしっとりとした純白の鶏ムネ肉のチャーシューが、その優美な姿を横たえています。伝統の象徴である「親鳥」と、現代的なラーメンの技法を感じさせる「鶏ムネ」。まるで、新旧二つの個性が一つの丼の上で対話しているかのようです。
 
まずは一般的なイメージと、目の前の一杯を以下の表で整理してみます。
特徴
一般的な親鳥中華そば(イメージ)
瀬戸内食堂 ねいろ屋の親鳥中華そば(現実)
スープベース
醤油清湯 (Shoyu Chintan)
黄金色の鶏白湯寄り清湯
主な風味
キレのある醤油と老鶏の旨味
親鳥出汁と芳醇な醤油の重層的な旨味
見た目
透明感のある濃い茶色
やや不透明で輝く黄金色
低加水の細ストレート麺
三河屋製麺の細ストレート麺(+讃岐うどんの合盛り可)
メイントッピング
親鳥の煮鶏(かしわチャーシュー)
親鳥チャーシューと鶏ムネチャーシューの2種
香りの主役
醤油と鶏出汁
ライトな鶏白湯を思わせる優しい鶏の香り
コンセプト
地域の食文化に根差した郷土料理
瀬戸内の厳選食材を用いた現代的なご当地テーマラーメン
 
スープの構造、トッピングの構成、そしてその背景にあるコンセプトまで、ねいろ屋の一杯が独自の個性を持っていることがわかります。ねいろ屋は、「親鳥中華そば」というテーマを基に、瀬戸内の食材を活かした全く新しい「答え」を提示していると言えるでしょう 。この黄金色のスープに秘められた謎を解く旅が、今、始まろうとしています。 
 

 
 
 

<出汁> ライトな鶏白湯風出汁?飲み進めるうち旨味変化!瀬戸内いりこを思わせる奥深さ?

 
黄金色のスープを一口レンゲで掬い、口に運びます。その味わいは、見た目通りの「とってもライトな鶏白湯」といった印象です。濃厚な鶏白湯をイメージして飲み始めると、その優しく穏やかな口当たりに、最初は少し物足りなさを感じるかもしれません。
 

 
しかし、それは計算された序章に過ぎません。二口、三口と飲み進めるうちに、舌がこのスープの持つ繊細な旨味の構造に気づき始めます。それは、ガツンと来るインパクトではなく、じんわりと体に染み渡るような滋味深さ。やがて、「心地よいあっさり感」と「ちょっとリッチな鶏だしのコク」が同居する、絶妙なバランスに着地するのです。
 

 
そして、この店のコンセプトが「瀬戸内」であることから、ある楽しい妄想が頭をよぎります 。この優しい鶏の旨味の奥底に、もしかしたら瀬戸内海の穏やかな情景を映す「いりこ」が、そっと溶け込んでいるのではないか、と 。もちろん、これは私の勝手な想像ですが、そう思わせるだけの奥深さが、この黄金色のスープには確かに存在するのです。
 

 
 

<麺> やや低加水な細ストレート!小麦の風味しっかり!個性的なスープと見事に調和!

 
スープの中から顔を出すのは、美しいアイボリー色の細ストレート麺。この麺は、多くの名店から信頼を寄せられる三河屋製麺の特注品 。箸で持ち上げると、整然としながらもスープをまとってしなやかに持ち上がり、その美しい麺線が食欲を強く刺激します。
 

 
口に含むと、やや加水率が低めだと感じられる、パツンとした心地よい歯切れの良さが第一印象です 。しかし、ただ硬いだけではありません。噛みしめるごとに、ボソッとした食感の中に潜むモッチリ感と、小麦本来の豊かな風味がしっかりと広がってきます 。この麺は、単にスープを運ぶだけの脇役ではなく、麺自体が持つ「風味」で一杯のラーメンを構成する、重要な主役の一人なのです。
 

 
主張しすぎることなく、それでいて確かな存在感を示すこの麺が、ライトでありながらも奥深い鶏の出汁と一体となることで、スープと麺の間に見事な一体感が生まれています 。麺をすするたびに、優しい鶏の香りと小麦の甘みが口の中で見事に融合し、次の一口を誘うのです。 
 

 
 
 

<親鳥チャーシュー> 親鳥らしい野趣!旨味がありながら醤油染みて上品な仕上がり!硬すぎない食感!

 
丼の右サイドを飾る、醤油色に染まった親鳥のチャーシュー。親鳥と聞くと、グッと噛みしめるような強い歯応えを想像しがちですが、ここのチャーシューは良い意味でそのイメージを裏切ってくれます。
 

 
箸で持ち上げると、薄切りにされたチャーシューはしなやか。口に入れると、強すぎる歯応えはなく、サクッとした心地よい食感と共に、親鳥らしい素朴で野趣あふれる滋味が広がります。
 

 
特筆すべきは、その味わいが非常に上品にまとめられていること。クセは全くなく、噛むほどに醤油系のタレが染み込んだモモ肉の旨みが、じわりと口の中に溢れ出します 。このチャーシューは、優しいスープの中で、しっかりとした味の輪郭と食感のアクセントを生み出す、見事な存在感を放っています。
 

 
 
 

<鶏胸肉> コンフィのようにしっとりな肉厚鶏胸肉!低温調理の食感で優しい出汁と相性抜群!

 
親鳥チャーシューとは対照的に、丼の左サイドで純白の輝きを放つのが、この鶏胸肉のチャーシューです。箸で持ち上げるとずっしりと重みを感じるほどの肉厚さ。その断面は美しく、きめ細やかな肉質が見て取れます。
 

 
これは、いわゆる低温調理でじっくりと火入れされたものでしょう。その食感は、フランス料理のコンフィを彷彿とさせる、驚くほどしっとりとした柔らかさです 。パサつきとは無縁で、噛むと肉の繊維がほろりと解け、鶏胸肉本来の繊細な旨みが口いっぱいに広がります。この上品な味わいは、このラーメンのライトな鶏白湯風の出汁とまさにベストマッチ。互いの良さを引き立て合い、丼の中の調和を完璧なものにしています。 
 

 
 
 

<七味唐辛子> 辛味よりも清涼感が際立つ七味!優しい出汁に爽やかなアクセントを加える!味変化楽し!

 
物語が終盤に差し掛かった頃、この優しいスープに少しだけ刺激的な変化を加えてみたくなりました。黄金色のスープに散らされた七味唐辛子が、新たな彩りを添えます。
 

 
この七味唐辛子の魅力は、単なる辛さではありません。口に運ぶと、ピリッとした刺激よりも、山椒や陳皮由来でしょうか、鼻に抜ける爽やかな「清涼感」が際立つのです。この風味が、ライトな鶏白湯のまろやかな旨味と驚くほど調和します。優しいスープの輪郭をキリッと引き締め、後味に爽やかな香りの余韻を残す、見事な味の変化。最後の一口まで飽きさせない、素晴らしいアクセントでした。
 

 
 
 

総じまして・・・「緻密に計算されたモダンな一杯!出汁と麺と具材の調和が見事!最後まで飽きさせない完成度!」

 
「親鳥中華そば」というノスタルジックな名前から想像される一杯とは、全く異なる世界がこの一杯には存在!。それは、懐かしさではなく、緻密に計算された現代的な美味しさ。一見すると物足りなく感じそうなライトなスープは、食べ進めるごとにその奥深さを現し、小麦の風味豊かな麺、対照的な二種の鶏チャーシュー、そして爽やかな七味唐辛子が、全てのパーツを互いを引き立て合うように完璧に調和!。遅い昼食を救ってくれただけでなく、ラーメン一杯の奥深さを改めて教えてくれる、非常に満足度の高い一杯でした。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思いいます!
 
 

 
 お粗末様でした!ということで今日も家族に感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!

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