ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン5823】つばさ家 武蔵境店(東京・武蔵境)焦がしにんにくラーメン + サッポロ赤星 〜じっとり豚醤油に混じる迫力!立ち込める色濃い家系風合い!湯気に滲む濃厚マー油の香ばしさ!

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やるせない金曜午後休からの逆襲!マー油と豚骨醤油で憂さ晴らし!

 
やってきました、花の金曜日。あまりの多忙さと心身の疲弊に、この日は思い切って午後から休みを取りました。しかし、世の中はそう甘くありません。本来なら週末への助走を楽しむ時間のはずが、「これだけは」と引き止められた、どうしても外せないオンライン会議の真っ最中。画面の向こうで繰り広げられる議論に、私のやるせなさは頂点に達したのか?。このままでは週末を迎えられない。このやり場のない怒りと疲労を浄化するには、もはや「あれ」しかない。そう、週明けに告知され、私の心を鷲掴みにした『つばさ家』の漆黒の悪魔、「焦がしにんにくラーメン」です。
 

 
会議が終わるや否や、私はPCを閉じました。これはもはや単なる夕食ではありません。理不尽な社会の荒波に揉まれた自分を救済するための、緊急ミッションなのです。「待ってろよ、俺の焦がしにんにく!」と心で叫びながら、武蔵境の地を目指し、ありったけのやるせない思いと、それを上回る期待を込めて突撃しましたー。
 
 



 

 

<サッポロ赤星> 主役登場前の最高の助走!伝統の味『サッポロ赤星』で喉を潤す至福の儀式!

 
ラーメンを待つ間、ただ指をくわえて待つ私ではありません。当然の儀式として、瓶ビールを注文します。そして、つばさ家にあるビールと言えばこれしかありません。『サッポロラガービール』、通称『赤星』。ラベルに輝く赤い星は、北海道開拓使のシンボルである北極星に由来するという、歴史のロマンを感じさせます。現存する日本最古のビールブランドであり、その歴史は明治10年(1877年)まで遡るそうです。
 

 
キンキンに冷えた、少し曇ったグラスに黄金色の液体を注ぎ込みます。トクトクという音と共に立ち上るきめ細やかな泡。この瞬間がたまりません。一口飲めば、熱処理ビールならではのしっかりとした厚みのある味わいと、程よい苦味が喉を駆け抜けます。これから対峙する濃厚な焦がしにんにくラーメンへの期待を最高潮に高めてくれる、最高の助走。これぞ大人の義務教育ですな:爆!。
 

 
 
 

<全体> じっとり豚醤油に混じる迫力!立ち込める色濃い家系風合い!湯気に滲む濃厚マー油の香ばしさ!

 

 
聖戦の末にたどり着いたカウンターで、ついに私は「それ」と再会しました。着丼の瞬間、まず鼻腔を殴りつけるのは、二重奏のアロマです。一つは、深く、まろやかで、どこか動物的な甘ささえ感じさせる、王道の豚骨醤油の香り。そして、その上を塗りつぶすように襲いかかってくる、焦がされたニンニクの、シャープで、スモーキーで、ほろ苦く、そして抗いがたいほど香ばしい香り。それはまるで、豚骨天国の中に突如現れた、ワイルドな鍛冶場のような、荒々しくも食欲をそそる香りでした。
 

 
丼を上から覗き込むと、そこには家系ラーメンが持つ、一種の様式美、規律正しさが存在します。黒々とした海苔が三枚、まるで威厳ある黒い巨石のようにそびえ立ち、ほうれん草は漆黒のスープの海に浮かぶ瑞々しい緑の島、そしてチャーシューは淡いピンク色の大陸として鎮座します。この肉、ほうれん草、海苔が織りなす「三つ巴のバランス感覚」こそ、つばさ家の真骨頂です。
 

 
しかし、角度を変えて見ると、その規律は大胆に破られています。スープの表面を支配するのは、鶏油の黄金色の輝きと、それを切り裂くように走る焦がしにんにく、すなわちマー油の黒い渦。それはまるで、クリーム色のキャンバスに叩きつけられた書道の墨痕であり、あるいは夜空に散った焦げ茶色の星屑の銀河のようです。丼の縁に飛び散り、こびりついた黒い粒子は、決して汚れではありません。これから始まる味の激闘を約束する、栄光の痕跡なのです。この一杯は、伝統的な家系の端正な顔立ちと、すべてを黒く染め上げる反逆者の魂を同時に宿しています。そのビジュアルの緊張感が、これから始まる味覚体験が、決して単純なものではないことを雄弁に物語っていましたー。
 

 
 
 

<出汁> 豚骨醤油とマー油の相性が絶品!焦がし大蒜のパワフルさに豚骨&鶏エキス濃密さ響く!

 
レンゲでスープをすくい、その液体を検分します。それは水のようにサラサラでもなく、ポタージュのようにドロリとしているわけでもありません。溶け出したコラーゲンと脂質がもたらす、唇にまとわりつくような絶妙な粘度(「クチの周りに微かにポタポタと貼り付くような、動物系コラーゲ感」)です。レンゲの中の液体は、黒い粒子が舞う、不透明なキャラメル色。黄金色の鶏油と漆黒のマー油が混じり合い、複雑な模様を描いています。覚悟を決めて、一口いただきます。
 

 
う・・・知ってたけど、これ旨い!初動から脳天を貫く旨さの衝撃。まず舌が感じるのは、盤石の土台となる家系のスープです。豚骨の髄まで絞り出したような深くクリーミーなコク、それをキリリと引き締める醤油ダレの塩味と風味、そして全体をまろやかに包み込む鶏油の甘みと香り。これだけでも十分に完成された、力強い味わいです。ですが、主役は遅れてやってきます。
 

 
豚骨醤油の重厚な旨味の波が一度引いた後、二の矢として放たれるのが、焦がしにんにくの圧倒的な存在感です。それは単なるニンニク風味ではありません。まず、強烈な燻香。次に、心地よいシャープな苦味。そして最後に、深く長く尾を引く、凝縮されたニンニクの旨味。このマー油のほろ苦さが、豚骨の濃厚な甘みや脂っぽさを見事に中和し、一杯のスープの中に信じられないほどの奥行きを生み出しています。これは単なる「足し算」ではない。
 

 
濃厚でリッチな豚骨醤油と、シャープでビターな焦がしにんにく。本来なら反発し合うはずの二つの強烈な個性が、この丼の中では互いの長所を最大限に引き出し合う、奇跡的な共生関係を築いているのです。まさに、重厚な豚骨醤油にマー油が「対峙」しているかのようです。この味と味の真剣勝負、ダイナミックな均衡こそが、このスープを唯一無二の存在たらしめている秘密なのかと!。
 

 

 
 

<麺> 焦がし大蒜香味に塗れ吸込む旨味!凛々しく図太い麺線!ワイルドそうでナチュラル!

 
この猛々しいスープを受け止めるのは、家系ラーメンの魂、中太の短尺ストレート麺です。箸で持ち上げると、黄金色に輝く麺肌に、漆黒のスープと焦がしにんにくの粒子がびっしりと絡みつき、もはや麺自体がスープを「纏って」いるかのようです。その断面はわずかに四角く、ところどころに見られる緩やかなねじれが、さらにスープの絡みを良くしています。その一本一本が、力強い存在感を主張しています。
 

 
今回はあえて茹で加減を「ふつう」で頼みました。家系マニアの中には「硬め」至上主義者も多いですが、このスープに限っては「ふつう」が正解かもしれません。麺が持つべきコシや弾力は保ちつつ、麺の芯までスープの旨味を吸い込むための、絶妙な時間です。前歯で噛めばスパスパと小気味よく切れ、奥歯で潰せば「クッチリ」とした確かな歯ごたえと、「ちょいワシッ」とした心地よい抵抗感が返ってきます。
 

 
そして、啜ります。ズゾゾゾッという音と共に、麺とスープと空気が一体となって口内へとなだれ込みます。麺の小麦の風味が、豚骨のコクと、焦がしにんにくの香ばしさと渾然一体となり、至福の味が完成します。この麺は、単なる炭水化物ではありません。この複雑怪奇なスープの魅力を、一滴残らず口の中へと運び込むために設計された、完璧な「味の運搬システム」なのです。細くか弱い麺では、このスープの圧力に負けて一瞬で伸びてしまうでしょう。この図太く、力強い麺だからこそ、最後まで対等に渡り合えるのです。
 

 

 
 

<海苔> 家系謳歌な凛々しく肉厚な海苔!オカズになる旨さ!出汁に濡れても風味高し!

 
家系ラーメンにおいて、海苔は単なる飾りではありません。それは、食べる側が積極的に関与できる、最高に楽しい「アトラクション」。つばさ家の海苔は、その役割を完璧に理解しています。光にかざすと向こうが透けるような安物ではありません。肉厚で、磯の香りが高く、スープに浸しても簡単には崩れない、凛々しい風格を備えています。黒光りするその表面は、これから吸い込むスープへの期待感を高めます。
 

 
おもむろに一枚をつまみ、スープの海へと沈めます。数秒間、焦がしにんにく豚骨醤油の洗礼を受けさせます。黒ぐろと光るスープを滴らせながら引き上げ、すかさず麺をひと束、その海苔で包みます(画像10)。そして、一気に口へ運びます。…これは、事件です。海苔自身の持つ塩気と海の旨味。それに加え、スポンジのように吸い込んだスープの濃厚なコクと香り。麺の食感と小麦の甘み。それらすべてが口の中で爆発します。まさに「オカズになる旨さ」とはこのこと。 さらに、この海苔は味覚における重要な役割を担っています。豚骨、醤油、ニンニクという、非常にパワフルで大地に近いフレーバーが続く中で、海苔がもたらすクリーンでミネラル豊富な海の風味は、鮮烈なアクセントとなります。それは、こってりとした味に慣れかけた舌を一度リセットし、次の一口を再び新鮮な驚きと共に迎えさせてくれる、いわば「味の句読点」なのですー。
 

 
 
 

<ほうれん草> クタクタ加減がナイス!塩気と香ばしさが効いた汁を吸い込み甘味を滲ませます!

 
丼の片隅で、静かにその時を待つ緑の存在、ほうれん草(画像6)。ともすれば地味な存在ですが、この一杯においては不可欠な名脇役です。特筆すべきは、その「絶妙なるクタクタブリ」です。シャキシャキ感など微塵もありません。完璧に茹で上げられ、繊維が柔らかくなったその身は、旨味を吸い込むための最高の状態にあります。箸でつまみ上げると、その繊維の一本一本にまでスープが染み込んでいるのが見て取れます。
 

 
口に運ぶと、その瞬間、ほうれん草がたっぷりと吸い込んでいた熱々のスープが、ジュワッと溢れ出します。豚骨の塩気と、焦がしにんにくの香ばしさ。その強烈な味の奔流を受け止めた後、ほうれん草本来の、ほのかで優しい、土の香りがする甘みがじんわりと広がるのです。この甘みこそが、このラーメンのバランスを保つ最後の砦です。
 

 
塩味、脂、苦味といった攻撃的な味覚の連続に、一瞬の安らぎと優しさをもたらしてくれる、まさに漆黒の海に浮かぶ「緑のオアシス」なのです。濃厚な味わいの中で、このほうれん草の存在が、どれほど舌を喜ばせてくれることか。
 

 
 
 

<チャーシュー> 出汁を吸い込む!微かに香ばしく質感高き肉!ロース部分が程よく脂が抜ける?

 
主役級の存在感を放つチャーシューです。大判で厚みも十分です。しかし、このチャーシューの真価は、その自己主張の「しなさ」にあります。燻製の香りが強すぎたり、甘辛い味付けが濃すぎたりするチャーシューではありません。あくまで主役はスープであると心得ているかのように、肉本来の旨味を大切にした、実に奥ゆかしい味付けです。箸で持ち上げると、肉の繊維がはっきりと見え、その柔らかさが伝わってきます。
 

 
噛み締めると、まずスープの味が溢れ出し、次いで肉自体の旨味が追いかけてきます。そして、特筆すべきはその食感です。まさに「微妙に『ほろっ』と崩れる感覚」。硬すぎず、柔らかすぎて形を失うこともない、完璧な火入れ。このチャーシューは、スープと一体化することで、そのポテンシャルを120%発揮するように設計されているのです。肉の旨味とスープの旨味が、口の中で最高のデュエットを奏でますー。
 

 
 
 

<味変> 禁断の生姜ドーピング!爽快な刺激で劇的変化!

 
さて、物語はクライマックスへと向かいます。丼の半分ほどを食べ進めたところで、第二幕の幕開け、「味変(あじへん)」タイムです。卓上には、おろしニンニク、豆板醤、そしてすりおろし生姜が並びます。ここでニンニクラーメンだからと、さらにおろしニンニクを投下するのは、あまりに芸がありません。帽子の上に帽子を重ねるようなものです。今日の主役はあくまで「焦がし」にんにく。その香ばしさを、生のニンニクの刺激で上書きしてはならないのです。
 

 
私が選んだのは、すりおろし生姜、一本勝負です。その繊維質で瑞々しい見た目からも、フレッシュな香りが漂ってくるようです。レンゲにたっぷりととり、スープに溶かし込みます。その瞬間、奇跡が起きます。生姜が持つ、金属的とも言えるほどシャープで清涼感のある辛味が、それまで舌に蓄積していた豚骨の脂分を、まるで洗い流すかのようにリフレッシュさせるのです。スープは、生まれ変わりました。焦がしにんにくの香ばしさと豚骨のコクという土台はそのままに、生姜の駆け抜けるような爽快感が加わり、一杯の丼の中に全く別の、しかし最高にエキティングなラーメンが誕生!。
 

 
 
 

総じまして・・・「名作なるアレンジ家系!?焦がし大蒜の香ばしさと豚骨醤油の素晴らしき一体感!」

 
これは、単なる期間限定メニューの枠には収まらない、一つの完成された作品です。伝統的な家系ラーメンへの深いリスペクトを土台としながら、焦がしにんにくという大胆なアレンジを加え、両者を完璧なバランスで融合させています。いつ食べても、何度食べても、その感動は色褪せません。一口ごとに新しい発見があり、最後まで飽きさせない構成力は、見事としか言いようがありません。店主殿、ワンオペでの営業や昨今の物価高など、ご苦労は察するに余りあります。どうかこの「焦がしにんにくラーメン」の通年レギュラーメニュー化を、一人のファンとして、心の底から熱望する次第であります。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!
 
 

 
 
 お粗末様でした!ということで今日も家族に感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした!

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