荻窪丸長の記憶ふたたび!中央線で受け継ぐつけそば文化を塩系再アップデート!

秋の霧雨がアスファルトを静かに濡らす10月中旬。ひと月前の9月、まだ残暑が厳しい日に味わった「ふうみどう」の丸長オマージュ。あの醤油の感動も冷めやらぬうちに、Xポストが飛び込んできた。「あのつけそば、塩に変更できる」。それが、肌寒い雨の日の憂鬱を吹き飛ばし、私を再び国分寺へと向かわせました。これは確認せねばなるまい。伝説の味を「塩」で再構築するとは、一体どういうことなのか。期待と少しの疑念を胸に店へと突撃です!。

さて、ひと月ぶりとなる訪問。冷たい雨を避けて駆け込んだ店内は、接客のホスピラリティもあって温かい光に満ちている感覚。しかし今日の私は、もう一つの顔を確かめにきた探求者。目の前に現れるであろう一杯を!。丸長のDNAを受け継ぎながらも、その根幹たる「醤油」を「塩」へと置き換えるという、大胆不敵な挑戦!。ワクワクが止まりませぬー。

<サッポロ赤星> 心をほぐす麦酒!赤星の“厚み→清潔感→カチッと苦み”が冷えた体を内側から整える



霧雨の昼、まずは赤星。静かな店内に、冷たく汗をかいた茶褐色の中瓶とグラスが届く。この瞬間がたまらない!。グラスに注げば、きめ細やかな泡と、穏やかで甘やかな穀物の香り。派手さはないが、姿勢が良いね。



一口目!まず骨格の通ったモルトの“厚み”、次にラガーらしい“清潔感”、そして後口を「カチッ」と締める図太い“苦み”。この潔さが赤星の真骨頂だ。これから対峙する一杯は、伝統の醤油ではなく、クリアな塩の世界。この赤星の持つクリーンなキレは、冷えた体を内側から温める前の、心地よい助走となった。変わらないクラシックを傍らに置くことで、革新の輪郭はより鮮やかに浮かび上がるのだった・・・。



<キムチ> 浅漬かりの爽快感!シャキッと食感とフルーティな辛味が赤星を加速させる!

鮮やかな赤色が食欲をそそるキムチ。箸でつまむと、白菜の芯のあたりがシャキッとしているのが伝わってくるようです。これは深く漬かりすぎず、浅漬かりのフレッシュ感を残したタイプ!。口に運べば、小気味よい歯ごたえと共に、唐辛子のストレートな辛味だけでなく、どこかフルーティな甘みと酸味が広がる。

この爽快な辛さが、赤星のクリアな苦味と実によく合う。キムチで口内をリフレッシュし、ビールで流し込む。この無限ループが、これから始まる温かい「塩」の物語への期待を、さらに高めてくれる最高のスターターですなー。


<全体> 塩の再定義!ラードが溶け込むタレに黒胡椒踊る!酸味と辛味の輪郭!異端にして正統!

丼が運ばれてきた瞬間、そこに広がっていたのは、見慣れた丸長系の・・・ちょっと淡いブラウン色のつけダレ。いいね!湯気と共に立ち上る香りが、雨の日の憂鬱を吹き飛ばすようです。表面には上質なラードがきらめき、粗挽きの黒胡椒が星々のように舞っている。

うん!これは、単なる醤油から塩への置換ではない。丸長が持つ「甘味・酸味・辛味・油分」という構成要素を一度分解し、「塩」という新たな触媒で、より高い解像度で再構築する知的作業の結晶!?。塩とあって、全ての要素が鮮烈に自己主張を始めるのか?。


<つけダレ> 塩ダレ&ラードの厚み!輪郭増した酸味!鮮烈に香る黒胡椒!覚醒した旨みの増幅!

レンゲでタレをすくうと、軽い濁りに旨みの溶け込みを感じる。口に含むと、まず塩のミネラル感というより、溶け込みの膨よかさを感じるようです。一方で味覚のピントをカチッと合わせた感覚もありなむかと!。また直後にラードの豊潤なコクと豚の甘みが広がり、冷えた体に染み渡る感覚です。

そして、これだ。醤油ダレの中では一体化して感じられた「甘酸っぱさ」が、ここでは明確に分離している。甘みが走り、それを追いかけるように酢のシャープな酸味が弾ける。塩がそれぞれの輪郭をくっきりと描き出すことで、このダイナミックな対比が生まれている!?。

さらに黒胡椒の印象も変わった?。従来の醤油の香りにマスクされず、胡椒本来のフローラルで鮮烈なアロマが鼻腔を突き抜ける。これは単なる刺激ではなく「香りの爆発」だ。これまで醤油の影に隠れていた繊細な出汁の輪郭さえも、はっきりと感じ取れる。これは、丸長の魂を「塩」という光で照らし出し、その細部までを明らかにする試みのようです。

<麺> 中太直麺!表面つるり!芯むっちり!白い麺肌がタレと黒胡椒をまとう純白キャンバス

多加水系の中太ストレート麺。冷水でキュッと締められ、そのクリーム色の麺肌は、もはや醤油色に染まるための下地ではないです。それ自体が完成された「白のキャンバス」のような感覚。琥珀色の熱いタレに浸すと、麺は茶色く汚れるのではなく、胡椒の粒子をまとってキラキラと輝く!。



冷たい麺と熱いタレのコントラストが、肌寒い日にはことさら心地よい。啜り上げれば、つるりとした表面が、噛み締めればむっちりとした芯が小麦の甘やかな香りを放つ。この麺本来の繊細な甘みが、シャープな塩ダレと見事なコントラストを描き、互いを高め合っている!。




<チャーシュー> 細切り豚ロース肉!塩ダレが引き出す肉本来の旨味!タレを豊かにする名パートナー

つけダレの器に山盛りになった細切りチャーシューは、まず空いたキムチ皿へ。そうしないと、つけダレに麺が入って行けないから。醤油ダレならば、その濃い味に染まっていたであろうチャーシューが、ここでは全く違う表情を見せます。

塩ダレはチャーシューを支配するのではなく、豚ロース肉が持つ本来の繊細な旨味と甘みを解放します。熱いタレで温められ、肉の脂がじんわりと溶け出す。単体で食べれば肉の味、麺と合わせればタレのキレと肉の旨味が完璧なリレーを演じるようですー。

<その他具材> 潔しミニマリズムなメンマ!青物なし!ナルト不在!塩×ラード×ペッパーの輪郭際立つ

具材は細切りチャーシューとメンマのみ。この潔いまでのミニマリズムは、この塩ベースの一杯において、これ以上ない「自信の表明」として機能してます。余計な要素を全て削ぎ落すことで、我々の意識を「塩・出汁・ラード・酢・胡椒・小麦」という、この一杯を構成する核となる要素に強制的に集中させる。雑味のないクリアな味わいのメンマが、一口ごとに味覚をリセットし、次の一口への期待を高める。このシンプルな景色こそが、このつけそばの説得力の源泉なのでしょう!。
<スープ割> 最後は香り開花!塩ダレが滋味深い吸い物へと変貌し、優しく身体に染み渡る!

麺を食べ終え、残ったタレに熱々の割りスープを注ぎましょう。立ち上る湯気が、窓の外の冷たい雨を忘れさせてくれます。醤油ベースのスープ割が、塩味を和げ丸みのあるスープへと「鎮静」させるプロセスなら、この塩ダレのスープ割は、隠されていた香りを解き放つ「開花」のプロセスかと。


熱が加わることで、これまでタレの奥底に潜んでいた出汁の繊細なアロマが一斉に花開く。シャープだったタレは、一転して、身体の隅々まで染み渡るような、深く、優しく、滋味豊かな吸い物へと姿を変える。胡椒は刺激から温かい余韻へとシフトし、完璧なフィナーレを飾るようです。

総じまして・・・「結晶の塩が照らし出し、純粋なラードが満し、芳香な胡椒が感性を揺さぶる!これぞ丸長系つけそばの進化形!」




まさに味覚のパラダイムシフトを体験した感動の嵐!これは単なる醤油から塩への変更ではない!。丸長系が持つ「甘・酸・辛・油」の黄金律を、一度原子レベルまで分解し、塩という高精度のレンズを通して再構築した、知的でさえある一杯かと!。従来の醤油という芳醇な毛布にくるまれていた各要素が、ここでは解放され、鮮烈な個性を放つ!。甘みは一条の光となり、酸味はシャープに切れ込む。両者は混じり合うことなく塩の舞台の上で見事な対話を演じる!。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。

お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!



