ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン5806】麺屋 かむい(東京・高円寺)醤油チャーシューメン ほうれん草 生卵 〜琥珀の深淵と忍びの温もり!一杯の長岡生姜醤油に捧ぐ秋の頌歌

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上期末は毎日が疲労困憊・・・すがるは拉麺

 
朝早くから仕事して早めに切り上げましょう。そんな仕事帰りの高円寺、心身ともに重く沈む中、私の身体は救いを求めるように今日もラーメンへと足を向けさせます。この強烈な渇望は、ストレスで乱れたホルモンバランスと脳の疲弊が引き起こす、科学的根拠に基づいたSOS信号かもしれません。
 

 
なんだか求めるのは・・・穏やかであったり、しっかりとした味わいだったり、素朴な味付けだったりと、実にわがままです。そんな無数の選択肢から選んだのは、長岡系生姜醤油なる一杯!。破綻寸前だった一日は確かに救われ、明日への活力を得て再び夜の街へと歩き出すのでありますー。  
 

 
 
 

<全体> 突き抜ける秋の青空!漆黒に輝く生姜醤油!完璧な構図の一杯が嬉しい!

 
秋晴れの昼下がり、その扉を開ければ満席の熱気。ワンオペの主人が刻む孤高のリズムに合わせ、その瞬間を待つ。今回は、飲めないのが悔しいです。
 

 
やがて運ばれた一杯は、まさに「端正な麺顔」。透明でありながら深い琥珀色を湛える醤油出汁!力強い肉の存在感!目に鮮やかなほうれん草!。期待していた「長岡の記号」が完璧な構図で揃い踏みし、開幕から心を鷲掴みにされます。一杯の丼に込められた、作り手の哲学と美意識との静かな対話がスタート!。
 

 
 
 

<出汁> 濃口醤油の輪郭と姿なき生姜の清涼感が織りなす絶妙なる調和!素朴にして味わい深し

 
まずレンゲを手に取り、スープの深淵へと分け入る。立ちのぼるのは、長岡系ラーメンを象徴する、濃口醤油のキリッとした、それでいてどこか懐かしい香り。それは北国の厳しい冬を乗り越えるための知恵なのか?、はたまた米どころ越後の豊かな食文化のなせる技なのか?、力強くも洗練された芳香ですなぁー。一口啜ると、まず感じるのはその醤油の輪郭。関東以北の食文化に深く根差した濃口醤油が、塩味のカドを立てることなく、その持つ深いコクと旨味、そして華やかな香りだけをスープに与えている。「キリリと線を引く」という表現が、この醤油ダレ(カシ)の性格を的確に感じます。
 

 
しかし、もう一人の主役、生姜の存在。その姿はどこにも見えず、レンゲでスープを探っても、粗微塵の生姜が舌に触れることはありません。極細ミストのように全体へ散っているのか?。刺激的な辛味ではなく、清涼なエッセンスだけを抽出している、この「溶け込み系」とでも言うべき繊細なアプローチがナイスです。生姜は味を支配するのではなく、醤油の力強い輪郭を内側から「涼しく整える」役回りに徹している。それは、大胆で明確な主張(醤油)と、感じ取れるが捉えどころのない暗示(生姜)の共存!。
 

 
また、この二つの力強い要素の緊張関係を調停し、完璧な調和へと導くのが、後味にふわりと広がる優しい甘みである。「香味野菜か、みりんのひと撫でか」――その正体は厨房の聖域に隠された秘密みたいですが、微かな甘みが、醤油の塩味と生姜の清涼感を見事にまとめ上げていると感じます。
 

 
 
 

<麺> しなやかさと力強さを併せ持ちスープと一体化する官能的なストレート麺!

 
長岡系の象徴とも言える、黄色みがかったストレート多加水麺。その見た目は「微かにグラマス」で、しっかりとした存在感を放つが、ひとたび口に含めば、その印象は心地よく裏切られます。驚くほどしなやかで、官能的なほど滑らかな口当たり。多加水麺(たかすいめん)の特性である高い加水率は、麺に瑞々しさと弾力をもたらし、スープの中で伸びにくいという機能性をも両立させるイメージ。
 

 
着丼直後から、麺は生き物のようにスープを吸い始める。しかし、それは決してふやけることを意味しない。表面はつるりとした喉越しを保ちながら、芯にはもっちりとした弾力が残る。前歯で抵抗なくすっと切れ、奥歯で噛みしめると「クチリ」という小気味よい音とともに、小麦の甘みが解放される。その瞬間、麺が吸い込んだ醤油と生姜の旨みが、麺本来の甘みと融合し、口の中で新たなハーモニーを奏でる。
 

 
 
 

<チャーシュー>赤身の旨味と脂身の甘み!二つの個性が奏でる長岡的チャーシュー大正解!

 
この一杯の大きな喜びの一つは、見た目以上に「肉場面」が多いこと、そしてそこに明確な意図を持った二種類のチャーシューが用意されていることだ。ロースと肩ロース、それぞれが異なる個性で、肉というテーマを深く掘り下げる。
特徴
ロースチャーシュー
肩ロースチャーシュー
主な食感
赤身主体で締まった肉質、心地よい歯ごたえ
柔らかく、脂身がとろけるような食感
風味の主役
純粋な肉の旨味(赤身肉味)、微かなロースト香
豊かな旨味、脂身の甘み
スープとの関係
スープを纏うが、肉本来の味を保持
スープを深く吸い込み(出汁の含みが深い)、一体化する
香りの特徴
ほのかな焙煎香(ロースト香がほんのり)
生姜醤油が染み込んだ、深く香ばしい香り
丼における役割
クリーンで力強い、肉本来の味を提供
豊潤で官能的な、とろける旨味を提供
 
この二つは、単なるバリエーションではない。赤身の旨味と脂身の甘み、締まった食感ととろける食感、という対極の魅力を一つの丼の中で提示することで、食べ手は「肉を味わう」という行為の多面性を体験する。ロースを噛み締めれば、純粋な豚肉の力強い味がほとばしる。
 

 
一方、肩ロースを頬張れば、スープをたっぷりと吸い込んだ肉繊維がほろりと解け、脂の甘みがじゅわりと広がる。そして、この二つを同時に口に運んだ時、肉の旨味、脂の甘み、そして生姜醤油の風味が三位一体となり、口内には「長岡的チャーシュー正解」とでも言うべき、完璧な調和が成立するのである。
 

 
 
 

<ほうれん草>力強いスープに寄り添う緑の対位法、シャキッと爽やかな名脇役!

 
どっさりと盛られたほうれん草は、もはや長岡系のアイコンである。しかしその役割は、単なる彩りや「お約束」に留まらない。この緑は、力強い醤油スープに対する、極めて重要な「対位法」として機能しているのだ。絶妙な茹で加減で、「くたり過ぎず、茎はシャキ、葉はしんなり」とした食感を残しています。
 

 
そのほのかな土の香りと優しい甘みが、醤油と生姜のシャープな風味をそっと受け止め、舌の上をリフレッシュさせる。濃厚なスープと肉の合間にこのほうれん草を挟むことで、味覚の疲労が防がれ、次の一口がまた新鮮に感じられます。本能的に青菜増しが「正義」と断言したいくらい!。
 

 
 
 

<生卵>黄金の滝がもたらすクライマックス!シャープから豊潤への劇的な味変!

 
物語の最終章を飾るのは、中央に鎮座する生卵。卵黄を月に見立ててそっと崩せば、とろりとした黄金の滝が麺に絡み、スープに溶け込んでいく。
 

 
その瞬間、それまでキリリと輪郭を保っていた醤油と生姜の世界に、「まろやかなコク」という一枚の柔らかなヴェールがかかる。
 

 
熱でふわりと固まった白身もまた、麺やスープに絡みつき、優しい食感を加える。シャープな一杯が、豊潤でクリーミーな一杯へと変貌を遂げる、最後の仕掛けである。
 

 
 
 

総じまして・・・「琥珀の深淵と忍びの温もり!一杯の長岡生姜醤油に捧ぐ秋の頌歌」

 
この一杯は、キリリと立つ醤油と、その奥に忍ぶ生姜の清涼感が完璧なバランスを保つスープが見事!。その旨味を余すことなく受け止め、自らの甘みと融合させるしなやかな麺。そして赤身と脂身、二つの貌で迫るチャーシューと、爽やかなほうれん草が織りなす食感の妙でございます。
 

 
また生卵がもたらす劇的なクライマックス。全ての要素が計算され尽くした上で、食べる者の手に最後の仕上げを委ねる。そんな起承転結が見事でした。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
 
 

 
 お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!

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