寛ぐお店
三鷹駅南口から少し歩き路地を曲がっただけで、静寂の漂う住宅地エリアの入り口。ここ数年で三鷹駅南口もすっかり整った感じで、この頃中央線沿線では住むのには人気が上がっている様な三鷹です。
この界隈には「肉のアンデス」ってちょっと知られた肉屋があるんだけど、そこのお使いついでに一杯啜る自由時間をゲットして満喫させてもらいました。こちら「たきたろう」さんは、全くと言って良いほどラーメン系情報誌やSNS系では露出されてませんが、実は三鷹市民では知る人ぞ知る旨い店という認識。個人的には、かなり寛げる店として気にってます。無垢の木製テーブル席がメインで間仕切りかませば、かなりゆったりとした空間を提供してくれる。そしてそれほど混むわけでもなく行列なんて見たことない。今回は、久しぶりに「つけめん」を頂いてまいりました。
<全体> 気を衒わないとはまさにこのこと!飾り気にも素朴さを感じる定番醤油つけ麺感覚!
出汁の透明感とか重厚感、麺線が整うとか平打ちでピロピロしているとか、近年の拉麺は本当に表現力が逞しく、時には芸術性すら感じてしまいますが、こちらは実に質実素朴という感じでしょうか。飾り気が全くないってな極端なことは申しませんが、実に気を衒わない安寧なつけダレと麺丼のセット。
特につけダレの表情が個性的で、白胡麻を浮かせている中に、ほうれん草の茎だけが多めに漂っている。肉とメンマは麺丼の方で待機状態。こちら特製という設定がないので、デフォルトで対峙するのみ。
<つけダレ> 少し濃ゆめの魚介醤油!甘めの魚介と醤油のカエシに仄かな動物系の旨味が溶ける!
初訪問当初は、塩系の旨い店という認識でしたが、実は店主のオススメは醤油系。最近知ったんだが実は、味噌系の旨さも捨てがたく、常連さんの味噌系注文率は高いです。汁系で好印象だった魚介醤油を濃いめで堪能しようと発想したのが今回の、つけめんです。
嗚呼・・・味わうと煮干しアピールがしっかりとしており、ニボニボ苦味はかなり抑えめで、微妙にざらつきを感じさせる甘味の濃ゆさが印象的。それを受け止めるのが醤油感覚。結構カエシのエッジングが効いております。魚介の甘味と溶け合って混じって一体化する旨さが素敵です。
また下支え的に動物ニュアンスがほんのりと効いており、旨さを高めます。個人的には独特のスパイス感がいい感じ。以前は、ハッカクのようなニュアンスと感じ取ったんですが、今では生姜のニュアンスを感じており、一方でシンプルに香味野菜の旨みとも思えます。
<麺> 前歯ではプッツリと歯切れよく奥歯ではもっちりと明るい感触!密度感高く締まる太麺!
つけめんでは麺が太めに変わります。全体的には、やや黄色味をお帯びています。トッピングに海苔をあしらっているのもあって、漆黒により黄色味が際立って見えるといった風貌でしょうか。食ってみると、実に引き締まったグルテン感がある中太麺。もうかなり前の記憶ではやや平打ち系だった様ですが、少しばかりリニューアルした様です。
もちもち感とクシリ感がとっても調和してますね〜。つけだれにくぐらしても、わりとサラサラっとタレを受け流す感じがして、たっぷりつけても、辛すぎることはありません。
密度感あるために、しっかりとした反発を覚える平打ちの歯ごたえである一方で、表面のコーティング感は高めで、弾くようにスルスルと滑っていく様がまた気持ちよし。縮れやよじれもないことから、のどごし、通り抜けるシルエット感もさすが。
<チャーシュー> プレーンであっさりと何枚でも食える!差した脂身が熱でじわと溶ける肉厚柔らかロース肉!
チャーシューもさすが。「塩気」「柔らかさ」「脂の抜け/残存」、「サイズ/ボリューム・厚さ」などどれもナイスです。肉増しにしておけば良かった。つけだれをくぐらせるか浸して食うと、これまた最高。醤油香ばしいチャーシューも捨て難いけど、こういうあっさり系の肉スライスも捨て難いね。
タレの味わいが見た目以上に全体的に染みており、赤身本来の肉味とすごく調和して旨し!。そんな赤身と脂身の優しい色合いが実に旨そうな豚肩ロースです。脂身はすっかり甘く感じさせる仕上がりで出汁に濡れて更に甘味をアップ!。
<メンマ> あるだけで嬉しいサクサクポリポリとライトに楽しませるメンマ!
全体にインパクトを与える存在ではないがオーディナリーなメンマだが、そのサクサクポリポリとした歯応えがリズミカルで楽しいです。
またつけダレに浮遊する青菜の色合いがあると麺顔全体が生き生きと感じられます。ほうれん草らしい甘味に塩出汁が混じる旨さは想像しやすいかと。
<スープ割り> そのままでも十分に堪能できる割り出汁!淡い魚介と仄かな香味野菜と生姜が香る!
コールすると徳利でサーブしてくれるシステム。割ると熱感が蘇るとともに旨味が復活。特に醤油感がライトで一層明るく感じ取れるのがナイス。少し余った割り出汁を味わうと、とっても淡い魚介の風合いに、香味野菜と生姜が仄かに香る。決して薄いだけではなく、その淡く仄かな味わいは、そのままでも十分に堪能できる味わいかと!。
総じまして「気を衒わない王道質実なる魚介系醤油つけ麺!満足なり!」
・・・と言う感動の嵐!。少し濃ゆくてもほっこりと感じさせる甘味が実に印象的です。ついつい長居したくなる寛ぎの空間も素敵。そして接客ハートフル。目立たない店ですが、しっかりと地元ファンを根付かせる良き店良き味わい。最先端って感じではないところがまた好きです。激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!