捨てる神あれば拾う神あり
店舗情報は、ラーメンデータベースより、食べログの方が正確みたい。初訪問の店をチェックする時はこれ重要です。とある午後４時になって新宿で開放されたので、そのまま早引けの平日。「華吉」でまったりとビールと焼売、そして椎茸そばを食らおうと勇んで来たものの、中休みの時間帯とあって膝落ち撃沈です。
あゝ・・・・しばらく呆然とし、新宿に引き返そうか、それとも荻窪で飲んだくれようかと画策しますが、横断歩道を渡った向こう側に、赤々とどでかい看板発見。それが「麺家 たいせい」。おおお！ここは絶対いつも行列必須の人気店！しかもこの時間帯なら何とかすぐ座れそうだ。これぞまさに、捨てる神あれば拾う神あり。それでも心の穴が埋まり切らなかったタイミングだったから、頭が回らずド・デフォルトのラーメンをいただいて参りました。
＜全体＞ 醤油感が効いたマットな豚骨醤油に質感高い大判チャーシュー！何気ない家系が旨さの迫力！
座って待っていると、だんだんと冷静さを取り戻し、なんで肉増かほうれん草増をしなかったのかと後悔です。しかもその場で現金で追加できるのが普通なのに、それさえ頭に浮かばなかった・・・。テンパってた。たまに仕事でもそんな失敗するかもですー。そんな気分で受け止めたデフォルトの麺顔はこんな感じでした。
まさに見慣れ過ぎた家系スタイル。驚く要素全くないのだが、妙に質感というか仕上がり感覚が伝わるのでありました。まず出汁。醤油感が効いたマットな豚骨醤油がいい感じ。しかも脂の漂いは、鶏油というよりまるで丸鶏の煮出しかのような優雅なエキス感じゃないか。豚骨白濁に醤油が溶けたマットな色合いに色気を指します。また中央に鎮座するチャーシューが見るからに旨そう！。ワイルドな家系スタイルに気品さえ感じる質感と受け止めます。
＜出汁＞ 確かに豚骨醤油だが鶏醤系の円やかさもふんだんに滲む味わい！豚骨も良いが鶏旨みが滲む！
むうぅぅ・・・、ひとくち啜るだけで唸ってしまう。こりゃ人気でるわ。確かに家系で豚骨が醤油と結びつき、塩気と香ばしさと豚のコクが結びついてズドンと染みるインパクトはある。それだけで十分に腑に落ちる。ところがそれ以上に鶏系の旨みが結びついた醤油の香ばしさと円やかさが広がる印象でした。
鶏油が漂ってそう感じるだけなのかもしれないけど・・・、あの特有のバターのような足された感覚ではなく、ベースの出汁自体に鶏の旨みを感じるようです。そして少し強めの醤油感がそれに結びついて塩気とかカエシとか塩っぱさ以前に豚と同様に鶏の旨みにも結びついて円やか！。いつまでも出汁を啜っていたい感覚にさえ陥ります。でもまぁ・・・結局後半で味変したのだけど、結構今回は長い間、デフォルトの味わいを引っ張りました。
＜麺＞ 王道酒井製麺！カタメのヌッチリした物腰にプツプツと歯切れる快感！海苔巻付け食らう！
家系と言えば酒井製麺。今回は家系で久しぶりにカタメのコール。ややスリムなフォルムの中太ストレート麺。腰つきがヌチヌチとしており、その割には密度が少し低いのか？。そしてスパスパと歯切れるのが痛快です。鶏油や豚骨エキスに塗れてツルツルと滑るのも快感！。家系と言えば重たいイメージありつつも、とてもライトに啜れ、啜り暴れる時にはワシワシと口を横に広げて食らいます。
案外にモチモチとした明るさも持ち合わせるのがいいね！。締める楽しさもしっかり残り、重厚な出汁と絡み合わさる味わいがまた旨し。素地の味わいも感じますが、出汁を吸い込み始めると塩気も薄れてより味わい深いといったイメージでしょうか。今回も性懲りも無く、海苔を巻いたりして食い尽くします。海苔の風合いと豚骨醤油の塩気と鶏エキスに、麺の風合いが絡むと一気に味わいが好きです。
＜チャーシュー＞ 貞淑な程にきめ細かい繊維質の低温調理豚モモ肉！仄かな香ばしさに肉身本来の滋味が染みる！
家系の肉はやっぱり「モモ肉」が良いね。出汁は濃厚で脂っぽく塩気も含み、麺は中太で割とワイルド。そこに合わされる肉はそれらと対極的に貞淑な仕上がりです。そんなコントラストさえこの家系の素晴らしさかもしれない。
スモーキーとは感じないが肉全体に本来的に風味良いのは、低温調理のなせる技か。端麗塩そばに入っても全然OKなる丁寧で上品な質感です。濃厚な出汁に濡れてほどほど吸い込んでる肉なのに、それでも噛み締める時は、モモ肉の繊維質のきめ細やかさの中に、肉身本来の旨みを知るか！？。噛み締めて行くほどに、豚骨醤油出汁との一体感が進むようです。そして完成度を感じます。あゝやっぱり肉増必須ですわ！。
＜青菜＞ 実にフレッシュな青菜！小松菜？旨いからもう少しくれ！
正直言って、小松菜類と思ってます。ところが券売機のトッピングボタンで「生ほうれん草」とあるから惑う。家系らしいクタクタでイメージしやすいほうれん草とは違う。でも小松菜のイメージに近かったので、コメントしずらいー。単に駄舌情報量不足判断力不足なだけですが。いやでもこれは小松菜系。
＜味変＞ トリプル薬味で厚化粧！ニンニク・豆板醤・生姜！ガッツリ攻めて実に痛快！
デフォルトの豚骨醤油のままでも満足してたんだが、やっぱりサガというのか、やらかしてしまいました。そ薬味の厚化粧こそ美しき旨さ！おろしニンニク！豆板醤！そして生姜！。
でも少しでも溶かすとちょっぴりキレが生まれます。そして時には金属的とも思える生姜のじんわり感が溶けると、相乗効果でキレと刺激が加わる！。味のトリプル薬味攻撃！味変厚化粧激しくオススメ！。
総じまして「勢いと実力を兼ね備える質実なる本格家系！食って満足しかない！」
・・・と言う感動の嵐！。家系経験値が低い私ですが、近年この分野では円やかさと醤油感が家系では惹かれてしまいます。家系で一括りにはできませんね。また若いスタフが連携よく健康的な雰囲気も好印象。店の経営自体にソウルを感じたりします。旨さは当然ながら通いたくなる要素ありあり。再訪確実で次回は具材足して盛り上げたいと心に誓います。激しくオススメ！旨し！なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います！。
お粗末！ということで今日も家族に感謝しながら合掌！今日も本当にごちそうさまでした！
