とある休日昼。新宿西口界隈に降りたって昼飯。たった2年前までは、心ウキウキとしていたものだ。仲間と飲み会もしてたし、カラオケもフツーに楽しんでた。ラーメンヲタクが集まってオフ会などにも参加し、今思えば日常の苦労や不満を解放し、その喜びと幸せを刹那でも謳歌していたものだった。それが・・・今、心の中は殺風景である。
見渡すと、そこは思い出横丁。ここで明るいうちから飲んでいた人々。浴びるように麦酒を飲む外国人観光客。まだ宵の口なのに赤ら顔丸出しで駅ホームで突っ立ってるオヤジ。夜になれば路地裏で友に介抱されつつ打ちひしがれてる酔っ払い。酔いで調子にのり若さ溢れて騒いでる若者達。駅改札の前で、何回もまた今度一杯!と何回も頭を下げてるサラリーマン。・・・・嗚呼、あの懐かしい人々はいったどこに行ってしまったというのだ。コロナ禍が酒文化・酒日常・人々の喜びと小さな幸せをどこかにぬぐい去ってしまった。侘しさが募るばかり・・・。しかし私は諦めない。いつかまた必ず大手を振って飲み食える日々が来るのだ、酒と薔薇と拉麺の日々がまたやって来るのだと。思えば嗚呼、我恍惚に溢れん!我が永遠のシャングリラを求めて、私は今日も戦い続けるのだ・・・。
[とまそん外伝 第一章 ワクチン接種副反応を乗り越えて 第一節より抜粋]
<酒> サッポロラガービール赤星!何とこのご時世で飲めるのだ!麦芽の旨味とホップの苦味が嬉し涙に滲む・・・
「とまそん外伝」はウソですが・・・・ここは昼間から飲めるのであった。元々、居酒屋の二毛作&名店コラボ店とは知っていたが、メニュー表にあったサッポロ赤星を、まさかと思ってふざけて注文してみたが、すんなりとオーダーが通ってしまった。飲めるなら「飲めます」など宣伝してもいい気がする一方、大っぴらにしないと言うことかは不明。
ちなみに、都内でこのご時世、飲めるラーメン店は行きつけだと、中野・三鷹・新宿御苑前の店。新たにもう一軒加わりました。しかも赤星が出るのはここだけかも!?。もう嬉しすぎて本気で泣けてきます。久しぶりのシチュエーションに赤星独特のホップの苦味と麦芽の旨味がズシリと沁みる・・・。まさに男泣きの旨さでございます!。
<全体> 確かに名店「にし乃」の面持ち!研ぎ澄まされたネオクラシック淡麗中華そば!和山椒が滲む
どうせ本郷三丁目に今から行っても行列で長いこと並ぶだけ・・・と考えたら、こちらはかなり有用的です。大箱でアクリル板なくとも座席感覚が幅広め。並ばずにいつでもゆったりと・・・名作拉麺が食えるのはありがたいです。さてその麺顔・・・確かに「にし乃」スタイルって感覚。今風のネオクラシカルな、淡麗系で優しい白醤油清湯系。名作の山椒系らしく和山椒が浮かぶ姿が優雅・・・。透けて見える麺線が凛々しくも美しく整い、肉雲呑はボリューミー。淡麗感の中に、どこかしらしっかり感覚が滲み出るといった風貌が嬉しいばかりです。
ちなみに、和山椒系の淡麗ラーメンは、一時期ハマっておりまして、以下にまとめたことがあります。ご参照まで。
<スープ> 白醤油&薄口醤油の柔らかさ!鶏豚あっさりのエキス感!山椒清涼感仄かで乾物の旨味深く!
さてそのスープ。「にし乃」で食った微かな記憶を辿りつつ味わいますが、忠実なる踏襲の中に、少しはみ出た個性が感じ取れる様子。例えば、白醤油と薄口醤油のカエシの風合いはドンピシャ!。塩気を全く感じさせないほどの円やかで上品なエッジングが見事。そして鶏豚のあっさりした旨味は、まるで濾過したかのようなスッキリ感。それでも味わい深いのです。個性と感じるのは、和山椒の清涼感がややおとなしめ。
そして乾物と貝がその分カバーしているというニュアンスです。酒で酔った感覚で味わっているので、話半分で受け止めてほしい次第ですが、素朴な滋味が広がる感覚。当初は貝出汁・・・たぶん浅利の旨味だと思う。しかしそれだけじゃ解釈がしきれんわけで・・・捻り出したのが椎茸の甘味。浅利と椎茸というコンビは自信がないが、それが少し顔を強めに覗かせるところが、個人的には面白いと感じました。
<麺> 淡いクツクツ歯応えに素地の風味感をしっかり伝えつつ出汁を吸った甘味でしっとり!
麺は想像よりややキッパリとした印象。全体的に角細ストレートと感じさせるニュアンスで、序盤ではうっすらと素地を感じる淡い芯があったような記憶。そこがまた素地の風味と旨さを感じさせるところで、個人的には好きな展開です。しかしやがて出汁を吸い込み一体化して馴染み出すと、今度は一体化して甘味を感じさせ始めるからまた旨し。
中盤で既に替玉注文を決意いたします。思えばこういうキッパリした部分もやや、大元とは少し違った部分かも・・・・。とは言え好みにハマってる!。
<チャーシュー> 可愛いサイズながらも釜焼き風の風味高さと肉汁感覚!酒が進むぜ!
チャーシューはお世辞にも大胆とは言えない可愛いサイズ。そしてややスライス薄め。ところが釜焼き?なのか作り込みは確かなもの。香ばしさは出汁に溶けて拡散しがちになってますが、出汁を吸い込んでも肉本来の旨味はしっかりと伝える感じです。小さくとも酒を進ませる肉味で、肉増しでも良かったかとやや後悔。しかし・・・まだ肉雲呑があるのでそっちを味わい始めます。
<ワンタン> 肉の旨さをしっかり伝える大きい餡!厚みありつつ出汁をたっぷり吸い込む皮!食べ応えあり!
食べ応えある迫力なのに上品にまとまった逸品!そんな肉雲呑。粗挽きでもなく優しくも甘噛みしたくなる引き締まりを感じさえる肉感触。ペッパー控えめで塩味も薄め。肉の旨味と染み込んだ出汁の旨さで素直に加えてくれます。
肉餡のサイズも申し分なく大粒。にし乃@本郷三丁目然り、キング製麺@王子然り、ワンタンの質感はやっぱり受け継いだ旨さです!。皮も肉厚で滑り良さとともに食べ応えあり、出汁を含んだ炭水化物の甘さを滑らかに知る・・・といった展開です。
<替玉> クツクツ歯応えにキッパリ伝わる素地風味!乾物滋味が溶ける醤油ダレの旨味!
替玉が好み!。これはもっとキッパリして茹で加減で、より素地の旨味と風合いを感じます。
そして醤油ダレを絡めて味わうが、冒頭で感じた椎茸の旨味がここではより深い。なるほど・・・ベースの出汁じゃなくて、醤油ダレに椎茸旨味は潜んでいたわけね。通常ならブラックペッパーなどと合わせて弾けるところだが、この味わいが好きだ!
敢えて味変化させるならと・・・お酢を少し入れて調整したが、甘酸っぱい味わいに変化してこれもまた旨し。今回も、残ったスープに浸し入れてつけ麺風にも味わいますし、またスープの方を替玉に少し垂らして、タレを緩めて味わったりして、存分に堪能し尽くしました!。
総じまして「名店”にし乃”コラボの質実拉麺!酒好きラーメンヲタクをすっかり魅了!素晴らしき酒と麺の世界!」
・・・と言う感動の嵐!。このご時世で、明るいタイミングで飲めるだけでも楽しいし、さらに名店の味わいをコラボで忠実に展開する旨さも嬉しい次第。with コロナって感覚で節度弁えつつ程よく飲み食いするなら激しくオススメ!。旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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