新しい国領の地元めし 煮干ブラック 漆黒の一杯!
家族と珍しくラーメン活動したり、外国の客人をラーメンでもてなすなど、案外と利用させてもらっているお店。そして、開店して早いうちから、ブラック系をレギュラーとして提供し続ける店。ずっとここのブラック系を追い求めており、「石川ブラック」「ライムブラック」等、名作は実食済。今のメイン「煮干ブラック」は、未レビューなので今回改めてアップさせていただきましょう。
SNS等では、女性が取り仕切る店と言うことですが、実は一度も女性のみのオペタイミングにハマったことがなく、今回もそんな感じ。しかし、ここは雰囲気が今風でいい感じな上に、アットホームな雰囲気も滲むので、やっぱり居心地がいいわ。しかも激混みってことがなく、うまく熊王と客がバラけているようで、付近にコインPも多し。非常に距離感も含めて使い勝手が良いので、本当はレビュー数以外にも度々訪問しとります。家族と一緒だと・・・フツーに食って帰る私です(笑)。
<全体> 漆黒出汁のジャンキーさ!整う麺線の美しさ!美的コントラストに包まれた麺顔!見惚れるばかり
さていつの間にか、このブラック系が看板メニューになってるのね。券売機ポールポジションに堂々とあるようになったし、また店前の大型液晶サインボードにもデカデカと宣伝中。「新しい国領の地元めし」と言うキャチフレーズまであり、まさに意気込みを感じる一杯ですな。心して食してレポートさせていただきます。それはこんな麺顔です!。
おおお!これは文字通りの漆黒と言わんばかりの黒々とした深み!そして香味油が一面にコーティングされた風貌で煌びやか!その上には無数のブラックペッパーが霧散して散りばめられております。暗黒の宇宙に星屑が広がるような美しさですな。そして美しさと言えばこの麺線。柴崎亭直伝の美しく整いローリングした麺線!。漆黒のスープにふわっと浮かぶ様がまた妖艶にも感じる存在感ですよ。メンマの図太い凛々しさも直伝系譜を感じさせますし、またローストポークの質感もよく、薄いピンク色が漆黒スープを背景にコントラストを感じるほどに旨そうに映えます。うう・・・、漆黒出汁のジャンキーさ!整う麺線の美しさ!美的コントラストに包まれた麺顔!見惚れるばかり。流石です。
<スープ> 漆黒醤油塩気に溶けこむ煮干の甘さ!容赦ないブラペの刺激!魔力的黒出汁の旨味!
漆黒の醤油にブラペの投入!誠にティピカルなブラック系のニュアンスを表すこの一杯。ただ他とは違うのが「煮干」ベースと言うこの一点が、ユニークと言えましょう。特徴は以下の通りです。
たまり醤油の円やかさと煮干の甘さの崇高にも感じるバランス!
黒くて濃そうだけどあっさり、黒くて塩っぱそうだけど円やか、そんな展開はいつもの通りですが、やはり今回は甘味が伝わる展開。甘味は言わずもがな「煮干」のニュアンス。重厚な醤油の風合いに埋もれずにしっかりと伝わります。煮干と言えば、「苦味(ニボ感)」と「甘味」ですが、苦味を抑えた分で甘味が生き生きとしたような味風景。または、微妙な苦味はブラックペッパーにマスキングされたのか、甘味だけがストレスなくナチュラルに展開するイメージです。なので見た目のインパクトよりはずっとスムースで、抵抗感ない出だし。
また醤油はおそらく、たまり醤油と濃口醤油他のブレンドかと察します。この深い色合いの出方でそう感じるのですが、カエシの感覚が実に尖らずに円やかなので、たまりか再仕込みなどを使ってるのでしょう(これは妄想)。そうは言っても塩気も少し入れてパンチが欲しいと濃口醤油が滲んでいるのかもしれません。また、このまま白飯に垂らしても成立する優しい味わい。以前より仕上がってるな・・・と頼もしさすら感じました。
ブラック系のソウル忘れず!大量に溶けこむブラペの刺激!
とは言え、ブラック系ならではのソウルも感じる次第!。円やかぁ〜と感じつつ食してゆくと、やっぱりヤミつきになるペッパーのニュアンスがじわじわと響きます。いや、中盤以降はかなり効いたかも。見た目の通り、ブラックペッパーは多めに投入量されており、これがスープに滲むのに多少の時間差があるようです。スープに慣れてきた頃合いから、飽きさせないようなブラペの刺激が始まる様子。塩気が低いと物足りないところを、しっかりとブラペでカバーしていると言う計算を感じました。想像以上に、煮干とブラックペッパーの相性が良いと、このスープで再認識です。
ちなみにベースストックにも少し触れますが・・・鶏豚?アニマルオフではない様子。個人的には醤油とのコンビネーションからか、鶏系の方が強く感じた次第です。香味油は鶏油のような色合いもなく、バターのような濃密感もないイメージ。ラードのような透明感もあるがとってもライト。妄想では大豆絞油等の植物由来に乾物を溶かしたようなイメージ。醤油との相性良しですな。
<麺> 少女漫画の如く煌びやかで美しく麺線!アニメのような楽しさ覚える旨さの表現力!食って旨しの風味の強さ!
もうこの手の巻いて美しく整う麺線に、どれだけ語って来たことか。それでも飽きない。麺線に乙女の巻髪を、ブラックペッパーに少女のコケティッシュなそばかすを妄想してしまうのでした・・・。
お蝶夫人の巻き髪の如く美しく整う麺線の巻き込み!
いつも、こういった整った麺線を見ると、柳生博のキレイにセットされた後頭部の髪、そしてエースをねらえ!のお蝶夫人の髪を連想してしまうのね・・・例えが古くてごめんちゃい。今回は麺大盛にしたため、毛量が多いと言うことで、お蝶夫人を選択です。先日、柴崎亭で特大2玉を食したばかりだが、それに近いものあったかと。感覚的には1.8玉。250g近く感じました。
これがまた最後まで、熱ダレもせず風味もキープしつつ食えるのでありがたい。ブラック出汁は、麺線の隙間から吸い込まれるように持ち上がりがよく、それにより浸透も始まるのだが、クシクシとした歯応えが最後でも淡く感じとるほどです。出汁が浸透しても出汁と咀嚼して糖化するのか、仄かな甘味を発し、ブラック出汁の煮干感ともマッチ!。返す返すよくできた麺と出汁の相性です。
キャンディーのそばかすの如く可愛く散れるブラペの風味!
麺線の隙間に入り込み持持ち上がるのは、出汁だけではない。麺に貼り付き、出汁に漂うブラックペッパーも然りです。美しい麺線に振りかけられたブラックペッパー。それはまるでコケティッシュな少女のそばかすのように可憐で可愛い展開じゃないか。そばかす・・・と言えば、ジュディマリか、キャンディ・キャンディ(歳がバレるな)。・・・今でも歌が脳裏から離れん。
さて、そのブラックペッパー(ブラぺ)ですが、案外粗めで大粒な挽き状態。これが所々で、奥歯の凹みに入り込み麺と一緒に潰れたりするのが快感です。出汁の円やかさと麺の甘味が口の中で支配する中、突然に閃光が走るように痛快な刺激あり!。これだから、ブラック系はヤミつきになってしまうよね!。ランダムにヒリっと刺激を与えるところに萌えてしまうような旨さの展開です。
<チャーシュー> 脂身少なめで肉味しっかりな豚肩ロース!肉の滋味に黒出汁旨味が滲みて褐色!
こういう上質なローストポークを見ると、つくづく酒が飲めないのが辛いな。漆黒の出汁に少し染まって、半レアのピンク色が妙に艶かしくも感じさせます。広げてみると意外と脂身より赤身の方が多そうで、出汁に染まる以上に熱の浸透で色変化するの早い。早めに食らうか、味玉に乗せるなどして慌てて熱退避させます。後からじっくりと味わいたい派ですから。
脂身は出汁の熱にゆっくりと溶けてやがて半透明に。そうなると脂の甘味が一段と深まり甘くも感じる展開に、ブラック出汁のインパクトが重なり、いつもと違う旨さです。醤油はやっぱり肉全般に一番合う調味料と信じており、それが赤身にもすごく当てはまる。赤身の肉本来の滋味に醤油が差す旨さは、すき焼きが証明済。ま、それほど濃厚じゃないが、淡麗にして深い旨味を感じる醤油&赤身の旨さでございました。いつもなら特製か肉増しに当然するところですが、そのようなボタンが券売機になかったのだけが残念。
<味玉にハズレなし!> 黒出汁の中で花咲く!生菓子のような柔らかい仕上がりと優しい甘味!
この「煮干ブラック」はデフォルトで味玉がついてるのがいいね!。値頃感ありと感じます。さてその味玉・・・半熟とろとろ、ジュレゆるゆる〜ってのが主流な中で、割とハードボイルな仕上がり。しかし決して固茹でではなく、適度な湿り感覚を残す仕上がりです。白身の断面は出汁が染まって均一な褐色。この時点ではカエシの塩気と卵黄のコクが融合した濃密な味わいと予想してました。ところが・・・とっても優しい甘味だった!。
卵黄の仕上がりが、ハードとは言えしっとりしており緩やか。そして味わいは甘味。また妄想してしまうが生菓子のような味の展開と感じました。漆黒出汁で煮干の甘さがあるとは言え、ブラぺの刺激も溶ける味わいにあって、これは誠にほっこりする味わい。少々出汁に沈めてもこの優しさに変わりなく、中々とこの一杯の全体の中では貴重な旨さでした。嗚呼、やっぱり味玉にハズレなし。
<メンマ> 歯応え&下味が黒出汁が染みて絶品!これぞ酒と絡めて食いたい一品!
これも何となく柴崎亭を彷彿とさせますね。少々短尺ですが極太です。下味の深い浸透があっても優しい味わい。そしてブラックスープの旨味をも吸い込む旨さの深み。繊維質はとても柔らかく、極太がすんなりとシャクリと千切れるのが実に快感です。くどいようだが・・・これと合わせて酒飲みたい。緊急事態宣言明けたら、当面は電車のみのラーメン活動ですわ!。
総じまして「出汁と麺線の美しいコントラスト!旨さのハーモニー!新しい国領の地元めし煮干ブラック!漆黒の一杯!」
・・・と言う感動の嵐!。見た目はとても男性的ですが、ベースの味わいは女性的。ブラぺはとても派手に見えますが、破壊的ではありません。とても力強くもキレイにまとまったブラック拉麺。広くウケる味わいと感じますので、ブラック系に腰が引けてる方にこそ激しくオススメ!旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!