春の陽気に誘われて・・・陸の孤島を訪ねるのもいとをかし
余りにも春の陽気って感じでだと歩きたくなる。ただそれだけ。本当は、吉祥寺界隈の新店舗を攻めるつもりでしたが、井之頭公園の横をすり抜け南へ南へ・・・。交番がある交差点を左に折れると、「中華そば 向日葵」がございます。いわゆる陸の孤島・・・みたいなロケーションですが、それでも安定的に客をつかんでる様子で、近年心強い感じです。
因みに、こちらはご夫婦そろってラーメン屋さん。旦那さんのお店は三鷹台。奥様が体調優れないときは、よく手伝っておられたのを覚えております。最近、しつこく三鷹台へ通ったのもあって、こちらへも行かねばなぁ・・・と感じていたところでもありました。
<全体> 軽やかな貝エキスの白濁!さすが特製肉扇!和風に溶け込むムール貝の色合いがエキゾチック!
もう何も考えず、フツーに塩そば食おうと思ってたんですが、「限定」が「ムール貝の塩SOBA」だったので、思わず方針変更でそれを!。今回は、平日なので飲めませず、まじめにその一杯と対峙いたしました!。
おおお!まさに春霞のようなシルキーな白濁のスープ感がすばらしい!いかにも季節限定ってな雰囲気があるし、明るさも感じる風合いが実に気分爽快!。そして春の汐そばと呼びたい風貌ですが、少々個性的な面白さも感じます。それはやっぱりムール貝。やはり洋風な感覚を与えるし、彩りが1点だけ濃ゆいのでどこかエキゾチック。また洋風と言えば、トップの乗るバターも印象的。穏やかな味わいを一気にコク深く染めるのかと・・・見ているだけでワクワクとしてきます。そして・・・へへへ、やっぱ特製だね!。肉が美しく大胆に扇上に乗せられており、肉肉しさもしっかりとアピール。美しさの中に力強さもあるような麺顔であります。
<スープ> 塩気に染み入るシルキーな貝出汁!さらりとした風合いで濃密な滋味!深さを知る旨さ!
さてスープ。まずはスリムなレンゲを使って口へと運びますが、実に「The 貝出汁」と言う感覚。やはり、ムール貝の風合いが滲むので風味が分厚い。貝の中でも個性?クセ?がある味わいだが、それがむしろ気を引く旨さと感じます。ひょっとしてそれだけではない??。上品な出汁感も忍ばされているようで、浅利なども溶けて貝エキスとして共鳴しているかもです(妄想)。
まるで力強い貝感なのに上品な纏まり。色合いからもシルキーな貝出汁というような感覚です。そして、塩気そのものが貝の味っていうイメージ。私は駄舌ゆえ、動物系の風合いも感じ取れず、頭の中が貝一辺倒でございました・・・。
<味変化> ガーリックバター!洋風にふれて貝出汁に明るさと分厚さを生む迫力の旨さ!
今回は、早々に味変化アイテムのバターを溶かしいれてみました。気が付いたら溶けていた・・・なーんて感じにならないように。溶ける前後の変化をしっかり感じとります。これは、ガーリックバターとのことで、これを溶かすと味わいが魔力的に変化いたします。
まぁ、塩バタ拉麺があるように、塩出汁とバターはテッパンの相性のはず。しかし、ガーリックが仕込まれていることと、溶けるベースが貝出汁ということで、旨さの絡み合いが分厚く発展します。ガーリックの風合いが貝の旨味のとても相性がよく、二重三重に旨さが重なるイメージ。バターに色気すら思う味展開が見事!。・・・などと興奮して味わい、気が付いたら、すっかり洋風拉麺に変化していた・・・そんなオチです。
<麺> 三河屋製麺!序盤は全粒打ち込みの風味を感じる旨さ!中盤以降は素地の甘味と出汁が染み入る味わいの一体感!
いやぁ~麺も旨かった。ひょっとしてこの独特なスープと相性が良いのか??。出汁が洋風っぽい雰囲気から一気に洋風にふれる一方で、麺は一貫して和のやさしさ!和の甘味!ってな立ち位置だったような・・・。それでいて出汁の浸透を許して、次第に和洋折衷なる味風景へと移ります。
粉感ある白地に全粒の打ち込みが見て取れる風貌。個人的に勝手にジラフ麺と呼んでいるタイプですが、素地の甘味がしっかりと伝わる品の良さ。そして全粒でも分かるように、風味も強い麺。序盤の味変前では、プツプツと千切り、出汁に濡れたのを噛み締めると、じわじわと甘味を感じるような旨さが光ります。割と汁の浸透を許すのが遅い感覚。しかしバターを溶かすと、出汁がまとわりつくようなイメージとなり、徐々に洋風な貝出汁の味わいに占められてゆくようです。
終盤になるとしっかり出汁を吸い込むが、ダレたふうでもないので、麺の素材感はある様子。クチクチと噛み締めて出汁と一体した旨味を存分に楽しみます。大盛+150円とちょっとお高めなのですが、原価も高そう・・・。そんなグレードの高さも感じる旨さでした。
<チャーシュー①> 鶏胸肉のコンフィ!淡泊な肉滋味に貝とバターの旨味が混じり洋風な芳醇さ溢れる!
いつもは淡泊な味わいで楽しませてくれる鶏胸肉ですが、今回はだいぶイメージが違う。ガーリックバターが溶けた出汁に実にフィット!。濃密な出汁に凄くマッチした味わいでした。まるでバターソースが染みこんだような肉味が見事。ガーリック風味もよく映えます。また、ピンクペッパーがこの肉と相性がとても良く、カリッとした歯応えと、パフパフとした肉感と交わる歯応えも楽しからず哉。軽いペッパー刺激も上品に溶ける旨さです!。
<チャーシュー②> 低温調理の豚肩ロース!ゆっくり出汁と熱が浸透して楽しむ赤身肉味!脂甘味!
これを見ると、嗚呼・・・ビールが欲しくなってしまうよね(笑、そんなことばかり言ってるオレ)。大判スライスが3枚もあります。まず一枚は半レアさがたっぷり残る状態で味わうが、脂身の蕩けた甘味と赤身の肉味が重なって旨し!。多少の貝出汁も旨さを高めます。残りは少しスープ熱から間をおきつつ、ゆっくり味わいますが、赤身から色合いが少し熱で変化した味わいもまた絶品!。緩くバター味が交わる部分も、なかなか分厚い旨味です。嗚呼、特製の肉醍醐味!。
<ムール貝> ぷりっぷり!個性的な風合いもバターが混じれば旨さ深まる!
ムール貝とバターの相性がいいね。これは想像通りの旨さ!。酒蒸しのようにフルフルプルプルと柔らかい貝の質感がたまらん!。やはり鮮度がいいためか・・・普段冷凍で食ってるのとは違うと感じます。クセのある素材だけど、実に個性がナチュラルに感じる旨さ!。白ワインをくれ・・・無意識にそんなことを考えているオレです。
<穂先メンマ> 優しくほぐれる繊維質!サクサクと歯切れ快感!淡泊な素材に出汁の旨味が染まる!
割と浅い味付けの仕上がりだったのが良いね。繊維質は見て取れるほど大きいがサクサクとした歯切れが心地よい。出汁も浸透しやすい感覚で、淡い素材感と深い出汁が一体化した旨さを堪能です。少し麺と絡めて一緒に食ってもまた旨し!。
<味玉にハズレなし!> 甘めの出汁がしっかり深く浸透!マチュアな旨さが実に濃密!最高の箸休め!
唯一、貝出汁とバターに染まらない味なのが、この味玉。なので箸休め的にも楽しめた感覚です。出汁に少し甘味があり、この点がこの一杯の中では中立を保つ味わい。深く浸透して、ジュレ状態の卵黄とよく反応しています。
実にマチュアで甘味を感じるような旨さ。ネットリとジュレのように舌にからむ卵黄が、濃密で旨しです。やっぱり最後は出汁に浸透させてみたが、それでも甘味をしっかりと伝える。やはり、味玉があると全体が華やぐといつも思っているのですー。
総じまして「春のように優しくも・・・和風にも洋風にも感じる深い貝出汁!そして劇的な味変化!旨さ魔力的貝出汁そば!」
・・・と言う感動の嵐!。春の期間限定とのことですので、お店のTwitterでチェックしてみてください。そつなさと、優しさと、コクの深さと・・・いつも感じる崇高貝出汁そば!。あなたへと向かって激しくオススメ!。旨し!なので・・・とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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