<営業マンの昼飯止まり木的ラーメン店>
休みたくても休めないタイミングってときに限って、体調を崩します。春先は寒暖の差が激しく、また花粉症も重なり、喉がガラガラ、鼻水だらだらの風邪っぴきでも、仕事に行かねばならんのです。しかも、こんな絶不調なときに限って、打ち合わせが昼飯時間になってもダラダラと続き・・・・最悪に最悪が重なる。これは、都内のいいとこで、いいものを食ってスタミナ付けねばと、都営三田線直結の東急東横線に乗り込みます。
しかし、体がだるいときに座って電車で揺られると、もう堕落してしまって眠りをむさぼるばかり・・・。おきた時には、内幸町。完全に乗り過ごし。比較的余裕があったため、新橋界隈で昼飯ラーメンと計画変更をしてしまいます。もう本当にどうでもいい思いだったのだが、いざ店を物色しだすと歯止めが効かない。ラヲタ魂が再燃してしまいまいて、グダグダしてたら、西新橋エリアまで歩いてしまった。腹を括って決めた店が、こちら「田中そば店」さんです。実にこのブランド久しぶりの実食です。
店に近づくと、ものすごい豚骨臭が春の突風にのってオレを襲う・・・。田中そば店ってそんなだったっけ?と一瞬思ったけど、すぐそばに九州豚骨の店があっただけでした。
<ラードの海を思わせるゆったり感溢れる透明感!>
ピークアウトした長閑な店内。カウンターに8割程度客がいましたが、何だかこの日の山が越えつつあるような、サラリーマンだらけです。いかにも営業マンって感じのスーツ姿や作業服の面々が、しずかに中華そばをただ啜るだけ・・・、ロマンチックです。しかし、私の前客がかわいそうだ。中華そばが出来上がって配膳を受けたとたん、スマホが鳴ってどうやらトラブル系の内容らしい。箸も割らずに、店口まで出て行ってずっと電話してた・・・・。かわいそうに、せっかくの中華そばだ台無しだよ・・・。そんな同情をせずにはおられなかったところで、私への配膳が完了いたします。それはこんな麺顔。
うううう・・・・豚エキス感が一面!ラードの溶け込みを感じるような透明度。そして奥に行くにしたがって豚のエキスで春霞のように柔らかい色合い。背脂なしで、こんなに豚の幸せを伝える麺顔が、この他にあるだろうか・・・。まさにシルキーな豚骨エキスです。レンゲでスープを透かせると、まるで粘度を感じるような緩やかさを感じます。見るからにラードを溶かし込んだスープ感がいいね。
ラードとか豚のコラーゲン感と伝えると重そうに感じるけど、実際はとてもあっさりしてサラサラしてます。動物感ある旨味は当然として、塩気の入り方がとてもナチュラル。塩豚エキスに円やかさが溶けたイメージで、これには、野菜のエキスとか、昆布の風味が溶けているのか?。するするとどこまでも食えていきます。
途中から透明度が消えてゆき、空気と攪拌され、麺の風合いが溶けてゆき、軽い感じで白濁してゆきます。いわゆる醤油のブラウン感はないけれど、カエシの効き方が本当に品がある。
<味変薬味で夕焼け小焼け>
このままデフォルトでも十分に美味しいのだが、どうも目の前に味変薬味が、こうも堂々とあると入れてしまいたくなる。「特製唐華」と呼ばれる振りかけみたいな顆粒物。唐辛子と辣油の染みこみが深そうです。なのでほんの半匙だけ投入してみる。
するとこれが一気に全体に広がり、真昼間の明るさから、夕焼け小焼けに麺顔風景が一気に変わってゆきます。味わいは、見た目以上に辛くありませんが、ちょっと塩気にエッジが立つのと、また辣油の中のゴマエキスがゆるやかにスープの中で復活するので、コクが増すことは明らかなようです。これは入れすぎない程度に利用するのがおすすめです。
<ド・ストライクの多加水モチモチ太麺がナイスすぎる!>
もうこれは、モチモチ麺の代表格のようなゆったりとした太麺ですよ。縮れというより「捩れ」と言ったほうがなじむボコボコしたフォルムが、また素朴さを感じさせます。密度感はとても低く、汁の吸い込みもそこそこ良いが、弾みすぎないモチモチ感が存分に楽しめます。粉の風合いはなくとも、汁を吸い切ったグルテンが、唾液でスープ肉汁に結合する旨さを楽しみたい感じ。
つるつる地肌だから、まるで関西名物細うどんのように、ちゅるちゅるぬるぬるとすすり食う。汁ハネには注意です。違いはかん水の混じった中華麺どくとくの風味(特筆せずともよい程度)。これはボリュームが多そうに見えるが、見た目以上にライトに食えるので、大盛り必須かもしれません。
<ロースとバラ肉のブロック肉がゴロゴロ!白飯を欲するナイスな味わい>
このトッピングの肉がすばらしい。ばら肉・肩ロース肉等部位がばらけていて、サイズと厚さがすばらしい。肉そばにしなくとも、私ならこれで十分。このまま白飯茶碗に盛り付ければ、そのまま肉丼になってしまうね。デフォルト750円でこの肉質感がナイスすぎます!。噛むと解けるようにサクッと千切れてとても柔らかい。スポンジのようにスープも吸い込んでいるから、噛むと肉汁とスープが溢れる。箸で容易に裂けるくらいに柔らかだ。
またメンマも関東らしい醤油系のタレに深くそまった細長いタイプ。歯切れも優しいし、これは日本酒に合うと思える高品質。スープの中でもいい歯応えとして楽しませてくれます。
総じまして、「新橋サラリーマンの止まり木的、高品質豚肉エキス補給所」と言う感じかしら〜。ちょっと体調崩してしんどかったけど、旨さにスープまで完飲してしまいました。やはり腹がはると気分も前向きになるね。風邪っぴきが少し体調盛り返してきたー。因みに、私の前客は、私が食いきるまで店の中に戻ってくることは出来なかった・・・。嗚呼、激しく同情を誘うね・・・。はやく電話が切れることを祈る次第でした。なんだかんだで、いいもの食えたので、私の寝過ごしトラブルもリカバリーできたことだし、この幸運に感謝するために、とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
春の朝
寒暖激しく
風邪っぴき
エキス補給の
田中そば店
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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