<何か打ちのめされた感がある時は〜、いい店・いい酒・いい拉麺・・・に限る!>
いい歳して、結構ヘタレなオレです。今回の仕事の打ち合わせは、全く打ち出せず、手が出ませんでしたわ。うーん、これは明らかに能力の差を思い知らされて、大きな溝を感じてしまい、凹んでしまう・・・。そんな夜もあったわけで、騒いで憂さを晴らすというのも、ちょっと違う心境。かと言って、大いに羽目を外して呑んだくれるのはしたくねー。ってなことで、やっぱりいつもの予定調和で、【いい店・いい酒・いい拉麺】で自分の心を癒したいと思うに至りました。やっぱり楽な方向に流れてしまう・・・。
そこで【いい店・いい酒・いい拉麺】と思いついて、素直に頭に浮かんだのが、【さくら井@三鷹】【こてつ@下北沢】で、帰り道にちょうど良い。しかし、何だか変化ないので、今回訪ねたのが【麺や花よ@曙橋】。実はこの日は金曜日。少しばかりの遠回りなんて問題なしなのでGO!。
で、最寄駅に着く。でも・・・あー・・・、まだ頭の切り替え下手なオレは、駅から敗北気分で緩い坂をえっちらおっちらと登るわー。途中で数時間前のことを思い出して「おら!」などと自分を叱咤した声が出て、通行人に嫌われる。こりゃアカン!とこの時点で正気に戻りました。
さて入店時、私がやさぐれ気分でラーメン活動しようとしてたら、先客女子高生2人組がクラブの帰りか?、テーブル席で背脂煮干食ってたー。この光景が少し笑えて、自分としては、ふっ切れたかも(笑)。そのような似た思い出は、オレだって故郷(京都)でとっても多いけど、随分と洒落てて羨ましいー。さすが21世紀、さすが東京。オレだって、これからそれに追随だーーー。
<これに会いに来た・・・のも理由の一つ:特別純米伯楽屋>
また今回も、同じ席で冷酒を先にやりつつ麺を待ちます。これも価格に含まれてるのか?と、いつも出されるアテの「レアチャーシュー」をつまみつつ、淡麗イメージの純米酒をいただきます。肉が少しニンニクのようなピリとした味わいが、今回はあるね。食が進み、合わせて酒が進む。
純米酒は、面白いジャンルらしいですね。私は吟醸酒ばかりが素敵と思えてしまうようですが、お米の酒を堪能するのは、やはり純米?。冷えた酒の、辛さと、純米らしい・・後味として甘みある残り香が、余計につまみを欲しがります。やっぱり旨い・・・。
<煮干軽やかにして出汁はしっとり感覚!なごり雪のようなふわふわ背脂!>
気がつくと、ストレスの発散と、チャーシューの誘惑から、配膳前にすっかりと冷酒1合を空けてしまいました。疲れているから、まわりが早く、非常にいい気分になりかけた・・・へへへ。そんなところで、配膳が完了いたします。今回はゆっくりと食おう!それはこんな麺顔。
うおー・・・淡雪のような背脂!。波間に浮かぶ海雪か、アスファルトに積もった新雪のような・・・背脂が、しっとりと表面を覆い尽くしておりますよ。メンマの表面はツルッとしている一方で、チャーシューはしっとりと別の方向を向いている感覚。もっとワイルドかと思ったら、思いほのか整ってます。
さて味わおうとレンゲで汁をすくい上げますが、食べ始めは、案外背脂が自由に浮遊しまくるので掬えない。ベース主体の状態でスープをすすりますが、非常に穏やかな煮干のニボ感覚。さらっとニボってあとは甘味へと変化するような、非常に食べやすい味わいです。それ故に、醤油味の輪郭が伝わってくるのですが、これも丸みを帯びた塩気で、抜けるような熟成度よりは、背脂エキスに寄り添った円やかな味わいが強いと申せましょう。なかなか、ワイルドに見えて、実はとっても丁寧さと崇高さが香るイメージでした。
そしてスープが減り始めてくると、背脂密度が高まるのですが、その思いっきり濃ゆいところを掬い上げて味わう・・・。うう、背脂の甘味と薬味ネギの風合いが絶妙に、ニボ醤油に絡む。背脂をじゅるるるるーーーって吸い込んで、デカイのは奥歯で潰し、あとは舌の上でゆっくりと溶けて行くのを楽しみます。うん、これからちょっと、背脂煮干しも食う頻度を上げてゆきたい気分にさせます。
<やや平たく形成されたストレート中太麺!もちもち感覚に出汁の味わいがベストマッチ!>
昼の部「ちとせ」よりは、はっきりと太めのストレート麺。しかもやや平たく形成されており、また加水が少し高めです。燕三条系をオマージュといったところなのでしょうか。しかしそれは、柔らかいけど、柔らかすぎず、とても凛々しい部分も残すという印象です。
前歯のあたりはプリッと淡白に弾みちぎれる感覚で、密度感の低さを感じさせるものの、奥歯でのプレスにおいて、全体的には程よい締まりも見受けられ、その弾力で明るい食感をうまく表現していると思います。
また表面がツルツルしていそうで、ネギを引っ掛け、背脂も乗せてやってくる感じがする不思議さがあります。張り付くような地肌感覚と申しましょうか・・・。
<定番の低音調理の豚肩ロース肉は、ナイフとフォークで頂きたいような大判なのだ>
いつもながら、昼にも幾度となくお目にかかっているお肉です。直前でカットされるところが、肉のフレッシュさを理由なく感じさせるし、また赤みのふわふわな肉繊維の触感がたまらん。薄味なのに芳醇と思わせる、肉本来の味わいも素晴らしい。脂身も適度にさして、甘味もバランスいいよね。結構サイズと厚さもあるので、ナイフとフォークで別皿で頂いたりなんかして(笑)。
総じまして、「やさぐれオヤジをも優しく包み込む、極上崇高ふわふわ背脂煮干!」と言う、なんだか訳の分からないまとめ方でごめんちゃい。非常に美しい燕三条系オマージュ。味も姿も・・・。やはり、人間は、旨味もの、美しいものを体験して、心が現れるものです。なんて感じてしまった一杯でした。冒頭で、くよくよ他人と比べて悪いところばかりに目を取られてた自分が恥ずかしい。良いところ、より良くできることに、自分の資源を投下するのに専念すべきであります。食って教えられた感満載で、来た昇り坂を、今度はゆっくり降って帰るのでした・・・。そうだ、もう桜の季節だね。気がつかなかった・・・。そんな余裕がようやく生まれたところで、とっとと最後に詠って、いつものように締めたいと思います!。
ゆるい風
夜桜撫でる
帰り道
するっと抜ける
やさぐれ気分
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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