<友人と故郷で「夜はクネクネ」・・・祇園に彷徨い混んで、ど偉い一杯>
またいろいろ用事があって、京都に来てますー。まぁ短い時間しか余裕がないのもあって、少々強引に友人と飲みにでかけた夜の木屋町。この日は週末金曜日夜だったのですが、私の学生時代の盛況とはちょっと見る影もなく、大変落ち着いた飲み屋街といった感じです。しか当時と変わらないのは、飲む酒の量と、食う肴と、カラオケ行って、最後は〆ラーメンとう行動パターンでしょうか。久しぶりに採点モードで友人とカラオケガチバトルをしてしまいました。その結果、熱中しすぎて「名前のないラーメン店@三条」にて、〆ようと思って乗り込んだら、閉店時間に間に合いませんでしねーーー、今回の帰省ラーメン計画の重要な店だったので、正直凹む。
そこから、どこ行こうかどこ行こうかどこ行こうか・・・・と、友人とまるで呪文の掛け合いのような状態で夜の京都の街をうろうろ・・・『夜はクネクネ」』状態になったわけで、実に古い関西ローカルねたな例えです。ここで私は「みよし」を推しました。GACKTが唯一口にするラーメンという伝説の店(真偽不明、個人的には本当に本人が来れる雰囲気ではないので、マリセミゼル時代に一回行っただけーとかいうオチなんじゃね?と思ってる)。すると友人(本当は私のラーメン師匠の一人)は、「さだかず」を急激に推してきた。他に行くあてもないので、三条から東山通りに抜け、知恩院と京都花月を横目にみながら、祇園の高級飲み屋街へと忍び込みました。京都の夜は、東京と違って少し暗闇感があって、妙に落ち着くね。
そこは飲み屋街とは言っても、ロングドレスを着たお姉さんたちが寄り添うような感じ。普通のサラリーマンはあっち行け、シッシッ!ってな雰囲気でして、誰からもどの店からも、声と目線がかかりません(笑)。座っただけで、8000円ってな感じー。こっちもそれには興味ないけどー。そんなロングドレス姉ちゃんと、しがないサラリーマンの冷戦バトルを潜り抜けた先に、とある雑居ビルがありまして、その地下1階に「京ラーメン さだかず」があります。
<庶民的で京都らしい豚骨醤油が、なぜか研ぎ澄まされた崇高さを感じる>
6席程度のカウンター席だけの小さいお店。ちょうど満席だったから、そとにあった椅子で待ってると、店の中から「うっめー!めっちゃうめー!!」などと客の叫び声が聞こえてくる。とても明るくて落ち着いて、清潔感ある感じなのに、たぶん酔っ払い客なんだろうなーって思ってたけど、出てきた客はそうでもなかった。やばい、マジ美味いのかここは!。入れ替わりに店に入ろうとするが、ここは店主の指示にしたがうシステムらしい。一人オペだから一旦店主がカウンターを整理してから、「どうぞ」と招かれ入店を果たします。
それにしてもなぜ、オレにこの店を推すのか? 友人によると、夜10時から3時間しか営業しないので、東京在住の私にはハードルが高すぎる。ゆえに、この機会にということでありました。だったらもっと前から言えよというと、「とっても普通の京都ラーメン」らしく、私に勧めるには微妙なためらいがあったらしいようなことを言っていた・・・。ラーメン店主というよりも、どこかしらの料理人といった感じのご店主。この界隈の雰囲気にもよく馴染んでいる感じもして、心地よい緊張感と和みの空間のごちゃまぜ感がいいね。・・・・などとぼんやりと考えつつ、待っていると配膳されたのがこの麺顔です。
なるほど!!これは確かにティピカルな「京都ラーメン」の一つ!背脂醤油系の王道な一杯!
「京都ならどこでもある感」がありあり!なカテゴリーとその味わいのなかに、「強烈な研ぎ澄まされ」がピッキーン!と感じる一杯。それはまるで、大衆ラーメンをきっちりとした料理人が、気合を込めて再現したという「作り込みの高さ」を感じます。そのスープは、ベースのサッパリ鶏ガラ&豚骨の煮出しがすっきりしつつ、塩気を感じさせる醤油ダレはさっぱりめ。しかし塩気のほかに、後味に残る微かな酸味がいかにも、京都の醤油ラーメンってな感じがして実に気分がいい。 街中の大衆ラーメン屋では、この酸味部分に化調の輪郭を感じるのですが、ここではその部分が非常にマイルドに感じてしまう。贔屓目にみているのかもしれませんが、低化調か、もしや無化調といった研ぎ澄まされ感があり。これを「キレ」というならその通りだわ!。
「背脂のチャッチャ感」も妙にキレイに感じてしまいます。泡のような背脂がやや粒状になって、揃っていて大き目。背脂を美しく感じさせるとはとても域でして、しかも合間に浮かぶ一味唐辛子も、普段目にするハウスやS&Bとは全然違った「ええやつ」を使ってはるー。甘みと辛みが上品なイメージで拮抗している香味攻撃が、深夜の胃袋に沁みる。一味が旨いなんて・・・・初めて知ったかも。お土産で買って帰りたいくらいだ。
<麺がハイレベル!しかし庶民さを失わない質感が嬉しい>
いい麺!。なぜだろう・・・まったく典型的なストレート細麺なんですが、練り水の利きがが良いのか、とても上品でしなやか。密度感があるのに固くなく、また茹で上げもアルデンテ峠を越えたばかりで、歯ごたえをしっかりと残しつつ、粉を感じる部分低めで、汁を微妙に吸い込ませたところが食べやすい。表面は非常にきめ細やかでなめらかに滑り込むし、前歯でスパスパと切れ込むのも心地よい。奥歯でプレスすると束が順に横ずれしながら潰れこむし、風味が鼻孔を突き抜けるー。
またやらかした!右となりでブツブツ語ってる友人を一切無視しながら、無心で食い続けた「ズボボボボボボボボボボボーーーっと啜り食いの約1分間」で、全部平らげてしまった。あとは周囲にペースを合わせるために、スープをちびちび飲みつつ、お冷をのみつつまつのみでした。余談ですが、こちらのお冷が妙に美味かった!お冷のお代わりをしてしまったくらい。
<京都ラーメン定番のペラさと、食べ応え厚さを両方取り入れたような、崇高質感>
チャーシューには多少の店ならではの主張が見受けられます。京都ラーメンの特徴は「ペラいチャーシュー」でして、それを幾重にも重ねて提供されます。通常なら1枚肉のところを3枚に薄スライスするようなイメージ。だから、関東の方からは「セコい」と誤解されることが時々あるのだけど、こちらの肉は、京都サイズを微妙に肉厚にした感じがある。 それを二枚に凝縮されたような、食べごたえ感を演出しています。そこがこの店の主張かと勝手に解釈してますー。部位はロースで赤身のスカっとした感触に、スープが逆に入り込んで結局ジューシーに仕上がっている。薄味もいい感じ。いかにも「煮豚タイプチャーシュー」の王道って感じです。個人的には、「煮豚チャーシュー」、「文字通り叉焼」、「角煮チャーシュー」、「レアチャーシュー」、「ローストチャーシュー」・・・だいたいこの分類なんですけどー、人それぞれみたいね。
意外と「メンマ」は、京都ラーメンでは意識が低いかなーっと思ってる。京都は筍の産地で、エジソン電球のフィラメントもここ京都の竹だと、結構うるさい土地柄。なんだけど、産地だけにわざわざ乾燥させた竹を食う習慣が根付かなかったのか???は不明。メンマのこだわりは、やっぱり関東かなーなんて思ってる。近年になって「麺や 高倉二条」など、昔ながらの京都ラーメンでなく創作系が出てきたところで、ぶっといメンマが京都に出てきたか???。 しかしぶっとくて存在感あるメンマも、このような崇高に磨き上げられたような、ティピカルな京都ラーメンに盛られても、違和感なく普通に美味しくいただけるのね。これも非常に美味かった!
総じまして、「祇園高級飲屋街の、研ぎ澄まされつつ、気軽さ漂う京都ラーメン」と言う感じでして、これは大変レアな一杯を頂くことができて、大満足です。当然、これを食い終わるとときは午前0時少し前。 最後は、MKタクシーでそれぞれのある実家方向へ向かうのでありました。 乗り場には、普通のクラウンと、プリウスと、二台のタクシーがあって、「プリウス乗りたい!プリウス乗りたい!」と駄々っ子友人を、「もう相当なオヤジな大人なのだから、順番を守ろう」とたしなめつつ、クラウンに押し込む。そんなオレ達の京の夜はさらに更けてゆく・・・・(プリウスは別に最新型でも何でもない)。
京の街が車窓に流れる。数々の店看板を見ながら、気に入った看板をブツブツ口づさみそれを繰り返す友人。先ほど食ったラーメンを思い出しつつ、レビュー構成を目をつぶりながら考えるオレ。運転手さんの、「どの辺りで止めましょうか」との語りかけに、我ら意識を取り戻しました。運賃精算のとき・・・・「オレの千円がない!」と友人が叫びますが、「さっきラーメン食ったやん!」と告げると、すぐ納得してた。
そうとう怪しく酔っていたと思われていたのか・・・・。お忘れ物ないようにと、運転手さんがすごく心配して、我々が下りたあとも、厳重チェクして、無事を確かめてから発進していった・・・。あんなに後部座席を執拗にチェックされたのもめずらしい。ゲボでも隠れて吐いたと勘違いされたか。たしかにそうだねと思い出しつつ・・・・翌朝になって、記憶をたどってます。そんな感じでさらっと詠います!
飲み歌い
酔いどれオヤジ
祇園まで
翌朝腹パン
朝飯抜いて
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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