<先輩に教えてもらった味>
所詮私はそういう男。・・・・周りに世話になりっぱなしな迷惑なやつ。先日、10数年ぶりにお世話になった方々との飲み会があり、旧交を温めました。就職で上京したてな私を、本当に一から手ほどきをいただいた方達。新人の頃の私は本当にどうしようもなく仕事が出来なかったところを、辛抱強くご指導いただきました。ところがご指導いただいている身なのに、恩を仇で返すような対応もしたし、それでも見守ってくれた先輩には、今でも感謝しきれないです。そんな私が一番社会人として荒れていた時代に、よく先輩と行っていたのが「虎萬元」と「江川亭」。初めて東京の醤油豚骨をいただいたときは、その塩っぱさの中の豚骨臭さに驚いたものです。伏見通りでクルマを流していた際に、ちょっと飲み会のことも思い出して、懐かしさを確かめに、近年できた新店舗のこちら「保谷店」に突撃してみました。
券売機で「JAF会員サービス」で、100円程度のトッピングが無料とあって、今回は味付玉子をプラスさせてもらいました。最近の自動車保険ではロードサービス込みなのが一般的で、いつか退会しようと思ってて毎年更新してしまってるー。こういう時に役立つとは、意外な展開。後でネットで調べて見ると、「おふろの王様」でも割引が効くのね。へへ・・・来週末行ってみようかしらん。
汁:「背脂のコクに塩っぱめな豚骨出汁が痛快なり!懐かしー!」
駐車スペースがあるから、お昼前に一気に混み出すという感じ。ハイエースやキャラバンがガンガンと入ってきて、どやどやどやーっとおっさん達が券売機の前に行列を作ります。ちょうどその前でよかったーっと思いつつ、ニンニクトッピングの人気の高さに共感を覚えます。豚骨とニンニクの相性に勝るものはない。家族が嫌がるけど・・・・。醤油豚骨はワイルド気味に食いたい。しかし私の元に配膳されたそれは、いかにも和やかというか、家庭的な風情を見せつけます。ゆで卵がホームメイドチックに見えて、一気に優しい麺顔になっている。
ともあれスープからまずはいただく。おー・・懐かしの味。背脂とラードの層が表面を分厚くコーティングしており、下の層には淡く濁った醤油の色合い。香りも豚骨の旨味を感じさせる。妙な撹拌をせずにそのまま頂くと、ズコーン!と胃袋に染み渡るエキスのボディー。うまし!ちょうど良いワイルドラーメンだこれは。豚骨のコク深くて野趣を感じさせる味わい。そこに塩気と調味料の輪郭がはっきりと浮かび上がり、食欲中枢にダイレクトに響きます。後から喉が乾くと分かっていても、ゴクゴクグビグビと飲み干したくなる。非常にオイリーなのだが重くない。これにニンニクがあったらなーとかなり後悔もしてしまいますが、思い出も滲みます。昔はニンニク溶かしたスープを飲み干した後、先輩の下宿で酒飲んで泊めてもらい、翌朝お互いの口の臭さで窒息しそうになって目覚めたっけ。しかもその朝はクリスマスであった(笑)。イブの夜に冴えない男達が一体何をしていたのか・・・・。
スープは基本的に飲み干す主義。それも江川亭に出会った頃から、あまり変わらない。途中で、一味を投入して味変化させますが、これも合いますねー。塩気が一気にシャープな味輪郭に変化しますし、何だったら半ライスでも現金で注文しそうになります。しかし、あの頃はいくら食っても太らなかったが今は違う。歳を重ねてセルフコントロールが多少は出来るようになったからねー。
麺:「グルテンを感じさせる加水のやや低さがちょうどいい塩梅」
麺の風合いまでは覚えていないけど、改めて遭遇するとこれもいいね。オイリーな豚骨エキスと塩気先行のスープには、とても似合う。やや加水が低めで、汁を吸い込む傾向があり、炭水化物と塩気の融合を強く感じさせるバランス感覚。細麺を選んだけど、これ太麺の方が似合うかもしれない。いや、東京醤油豚骨ならばやはり細麺で楽しむべきか。
芯があるというより、外カタというフィーリングで、前歯でクツクツと千切る感覚が楽しい。奥歯で束になったそれをプレスするときも同様で、多少の横づれをしながらクシリと短いタップで潰れこむ。口当たりもよくて、喉越しも良い。ズボボボボーーーっとすすり、二三回咀嚼して、半分飲み込むような感じで嚥下すると、細麺のシルエッットがきっぱり感じれて、そこが痛快。昔先輩とすすり食ってたときは、相談やら文句やら悪口やら話をしながらだらだら食ってたため、イメージが残ってないのですが、なかなか美味い麺であることは発見でした。
具:「和むスライス味玉の行儀良さ!もやしが嬉しい存在感」
これも全く覚えてないし、初めてオーダーした味付玉子だったから、驚いた。卵黄はゆで卵状態で、サンドイッチに挟むのかと思うようなスライスカット。ラーメンスープよりもマヨネーズに合わせた方が美味そうとすら思えます。しかし、綺麗に方向揃えて並べられると、和むねー・・・・。味わいとしては、軽く塩味が含まれていてそのままで食っても美味い。個人的には、ややスカスカな卵黄にスープを滲ませて食らったけど、大勝軒以外こういう完全茹で上がり卵黄は、最近では見かけなくなりましたね・・・。
またモヤシが嬉しい。全体的に濃い味、塩気ありなので、ゆでモヤシのさっぱり味はとても箸休めとしては機能してました。また細麺との絡みで歯ごたえも面白い演出になってたし、水分はスープに溶けて後半にはスープを飲みやすするのか・・・・。モヤシが撹拌されると非常に食べやすくなる。
またチャーシューも懐かしい質感ですなー。醤油だれが深く染み込んでいるバラ肉チャーシューロール。分厚さとサイズには価格なりのレベルを感じますが、昭和からの伝統を感じさせるような仕上がり感。自重で解ける柔らかさもあり、脂の甘みはタレとスープに多少追いやられて塩気混じり。そこがまた半ライスを欲しさせてしまう・・・。
総じまして、「東京西エリア信頼の黄色い看板東京醤油豚骨!」と言うそのまま何のひねりもない感想でごめんちゃい。そう言えば、この江川亭のラーメンを昔食ってた時、その先輩が「この程度・・・という感覚がいい!ラーメンってそれ以上になっちゃダメだ!」と江川亭を褒めてたっけ。何だか当時は分からなくて、だからこそそのセリフも覚えているのだが、今になって分かってきたというか、笑けてきた!。結局、先輩は江川亭以外にもたくさん食ってたわけだ(爆)。だからこそ、一周回って「これうまい!」と思ったんじゃないかな・・・。時間が経ってこそ分かりあえることがあるとしたら、こういうことだね。またその先輩とも飲みたいものだ。そしたら江川亭のラーメンをもっと分かり合える気がする。今度は私から誘いたいものだわー・・・なんて感慨に耽りつつ、感謝を込めて詠います!。
恥ずかしい
しょっぱい頃の
思い出を
懐かし食らう
塩気の豚骨
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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