<常連気取って「バリカタ!」って言ってみたかっただけー>
所詮私はそういう男。・・・・形から入るタイプ。かっこいいと思ったものは、中身よりまず外見とか形から真似をする。ラーメンも同様で、旨いかどうかではなく、恥ずかしながら常連さんのやり方を、ちょっとやってみたいー。そんな気分で、やってきた「中野大勝軒」です。私もそこそこ、この店に通っている方だと思うのですが、何せ歴史に裏打ちされてとる店ですから。生半可のレビュアーでは、常連とか通と呼ばれる方達には、足元にも及ばない。まだ常連ですと言い切れないかなー。
さて今回の訪問は、「バリカタ」を注文したいだけで訪問です、はっきり言って。先月は味噌系にハマっておりまして、ここで「みそつけそば」を頂いていた時に、偶然遭遇した常連さんの食べ方を、どうしても真似したくてねー。モチモチ!!!な弾力がウリの老舗大勝軒の太麺を、わざわざバリカタで食うというアンチテーゼを実行せんと欲っします。今回はちょっとだけボリュームアップで中盛(+80g)。もう年度末で忙しくてランチはコンビニおにぎりしか食っとりませんでして、一日の終わりにガッツリと食いたかったという流れですわー。嗚呼しんどい・・・・。
麺:「これアリ!いつものモチモチ太麺が一気にクッシリ!ハード麺に様変わり!」
最近は店主ではなく、スタフ君たちが店を切り持っている機会が増えたね。かなり言葉も流暢になったし、違和感感じないほどです。すごいなー・・・と思えど、「バリカタ」が最初伝えきれなくて少しだけあたふたしてました。やっぱり、このつけそばでバリカタは意外な設定なのでしょうか。まあ無事にオーダーが通ったので、あとはウキウキしながらカウンターで待つのみですが、バリカタの茹で時間がなんとも興味深い。先客のオーダー2名ほど飛ばして私が先に配膳です!。
まあ、茹で時間が短いからでしょうと単純に思っていたのですが、私がその「バリカタ太麺」をワシワシと食べていても、厨房内では、一向にそれが茹で上がる気配がない。「いつまで茹でとるねん!」と心の中で心配している途中、私が後半の三分の一にかかろうとしたところで、デフォルト茹で上がり完了という感じです。感覚的には、バリカタの2倍くらい茹でてない???と思えるほどでして、裏を返せばこのバリカタはどれだけ短いねん!ということになる。
で、私のバリカタつけそばはというと、これが見栄えは全然いつもと同じでして、なんだか肩透かしーな気分が最初でした。でもまあええわー・・とタレにつけて食すると「クシクシ!クッシクシ!!」感覚がたまらんのでして、大勝軒の新しい扉を開けたような感動です。芯が通っているというより、ナチュラルに中心部が詰まっているような感覚。表面と中心部の区分は明確にはなくて、見事な歯ごたえのグラデーションを感じさせます。そして・・・風味を感じる。こういうのは大勝軒ではあまりないかと、個人的自分勝手流な解釈でごめんちゃい。前歯が刺さる感じがする歯ごたえに、奥歯ではプレスすると微妙に横づれして潰れる。そんな感覚。
しかし、やっぱり大勝軒の麺だなと思えるのは、表面の貼り付き感覚。ペタペタとどうも舌とかうち頬に貼りつくかのようなイメージがして、そこにつけだれのフィット感が生まれるという寸法は、相変わらずです。通常よりも汁の吸い込み感覚が少ないけどね。つけそばと、酒を合わせるとしたら、こっちの方が良いかも。理由より直感というか仮説。日本酒も頼むべきだった・・・。
タレ:「確かにバリカタとは相性に影響ありやねー、ちょっと淡くてちょっとオイリー」
ラーメンってバランスが大切だと思う。スープと麺の濃さ、そしてそのボリューム、魚介と動物のエキス、薬味の甘辛などなど。そういう観点からすると、バリカタにして、少々全体バランスが崩れてしまったかな。それがまた良いという解釈もあろうけど、それは常連のようにデフォルトを食べ尽くした方だけに許された表現かと。この店の初バリカタ体験者としては、偉そうに語れないね。
モチモチでしなやかで柔らかい麺だからこそ、淡白でレトロな清い醤油つけだれがよく似合う。よく絡む。よく吸い込む。この感覚が、バリカタでは少し効かない感覚がしてなりません。なので、まろやかと思っているつけだれの味わいがキャッチ仕切れないもどかしさ・・・それが少しある。裏を返せば、その分は麺の風合いが増して感じてるはずだろと言われそうですが。
そんな、どっちもつかずな気分でズルズルとすすり食ってたのですが、今回に限って言えば、少しだけオイリーな風合い。ちょっと量を変えたのかなと推察しますが、酢と一味唐辛子を少し足してリカバリー。酢は天才。酸味どころか甘味を深める仕事ぶりはすごい。私も酢のような男になりたい。
具:「埋没しきって殺風景だが、ゴリゴリメンマがクッシリ太麺と合う!」
今回も、完全埋没じゃな・・・具たちは。デフォルトのつけそばに、具のアピールを期待してはいけません。今の時代感覚で評価してはいけない気もするが。メンマと短冊切りチャーシューが底に沈んでおります。海苔に至っては完全に飾り程度の存在感ですが(笑)。
ただ一点だけ発見したことがあるとしたら、メンマとバリカタ太麺とのコラボ。妙に歯ごたえの硬さが似ていて、しかし微妙な潰れ込みの差がある。これを一緒に食って感じとれる刹那が楽しい。表現仕切れません・・・フェチ過ぎてごめんちゃい。所詮私はそういうフェチな男です。
総じまして、「ちょっぴり冒険したいならオススメ!のノスタルジーつけそば!」と言うそのまま何のひねりもない感想でごめんちゃい。今回の麺のバリカタは、いいところもあり、バランス崩れなところもありで、色々勉強になりました。何千杯食ってもまだまだ色々と発見することもある。もっと簡単に書くつもりが、少し興奮が過ぎて乱れて間延びしたレビューになりましたがご容赦を。ともあれ、薄っぺらく形から入って学ぶこともあるわけだ。「真似る」は、「学ぶ」の語源だとも言いますしね。春は学習意欲に溢れるシーズンなので、何か新しい学びを始めようかな・・・、いやそれよりもゆっくりと寝たいか(笑)。疲れとウキウキ気分が交錯
しながら、最後に率直に詠います!
春雨に
期末追込み
疲れ果て
アゴも疲れて
バリカタ旨し
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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