<今後発展が期待の街角に、発展期待なニューカマーなお店>
最寄りは志木駅なんだけど、住所は新座市。この一帯は、慶応と立教があってアカデミックなイメージがあるんだけど、周辺は埼玉らしい道の細さでどうも突き抜けた感じがしない?。でも整備工事は進んでいて、とてもいい街になりそうな感じもいたします。埼玉は、車でも電車でも東西の移動がやっかりなのよね・・・・。近くのコインPが満車だったので、少し離れたところに置いて、テクテクと歩いて訪問しました。駅から近いとは言え、入り組んだ住宅地にポツネンっとあるのが「Trigo(トリーゴ)」さんです。
休日のランチタイムに訪問したんですが、少し閑散としていて不安を覚えましたが、若くて寡黙そうなご店主は、せっせと下ごしらえの準備に余念がないです。今回は「塩らーめん」を食うと決めて来ました。ネットでたまたま見た麺顔がとても好みであったし、しかも美味そうだったから。新しい年になったら二郎系に復帰しようと決めていたのに、相変わらず私の魂は美しいらーめんに流れてしまっております。小洒落た洋食キッチンのような店内。それでいてオヤジでも居心地の良さを覚える「明るさ」「静かさ」「落ち着いたBGM」がナイス。いい店の何気ないオーラが漂ったりして好印象な店内です。
汁:「明るく響く和風コンソメのような落ち着きと華やかさ、ドライトマト??のエキス広がる旨味のカオスが沁みるー!」
先客3名はテーブル席を占拠していて、私は長いカウンターを独り占め。先客は「つけ麺」だったので、ごぼう抜きで私の配膳が早く進んでしまって、なんだか申し訳ない。しかし配膳の瞬間は息を飲みましたよ。
デフォルトの塩らーめんが、これほどまでに美しき哉。軽く霞んだ淡いベージュの春色スープはまさに美味そうで、表層には鶏ガラエキスの透明さが漂います。成人式の振袖に描かれた文様のようで、まるで透明の羽衣でも纏ったかのような?。歳をとると、助平心以外で純粋に、女性を可愛い・美しい・綺麗と思う瞬間があるように、これはキレイだと本当に思った・・・。
・・・そう言えば、去年「逃げ恥」のガッキーをテレビ画面を見ながら「かわいい、かわゆい、かわゆいいいいいいーーー」と酔ったのもあって家で叫んでた私。そしら嫁はんが急に「悪ぁるかったなーーー!」ってプチブチギレー。いやいや、そう言う意味では・・・と速攻で謝り倒したのを、この配膳の刹那に唐突に思い出してしまいましたわ。あれはオレもどうかしていた・・・・・。深酔いのカラオケボックスでは、たまにこれに似た粗相をしてしまう私ですが、まさか自宅の居間でやり散らかしてしまうとは、ヤキが回りました。
そんな恥ずかしさと、ほくそ笑みを抱えながら、レンゲでこのスープをひと啜りします。すると「うわーーー沁みるねーーーー」と心の中で叫ぶ。例えが難しいレビュアー泣かせな美味さ。塩の中でも煮干しや貝がここにいますよとアピールしてくるでもなく、ただベースの鶏出汁が穏やかに響いている感覚。しかしこの落ち着いた味わいには、確かに魚介の旨味も含まれていると思う。じわじわと豚のエキスも滲むのはトッピングの影響か?。麺をひと啜りした後にまた啜ると、また風合いに円やかが進むが、麺のでんぷん質も溶け出したか?。でも味わいとして近いものを探すと「これはコンソメだ」と個人的には段々と思えてきたかもです。ちょっと風合いに「洋」のセンスを感じてしまいましたが、実際はどうなんでしょうねーー。
ところでこの赤い物体は何だ?
単体で味わう前に、溶けてしまった。これには辛味エキスが少し混じっているようで、辣油に近いパンチを含んでいるようです。最初は色合いからエビかと思っていたのですが、これはドライトマトですね!。独身時代、暇に任せて週末は自作パスタにハマっていた頃があって、自家製ペスカトーレの作成過程に、これに似た味わいに出会ったことがある。しかしそれよりもずっとマイルドな味わい。実に香ばしい上に、見栄えとは真逆に淡麗な旨味が響きます。
完全に赤い物体がとけ込んでからは、旨味のデパート状態です。ドライトマトの風合いがとてもすっきりとしていて、それでいて軽くてスパッとしてくる。なんだかこれは、追い鰹の風合いにどことなく似ていないか???。野菜に海産物の旨味を連想するのも、とても変なんだが、なんとなくそう感じてしまった・・・。
麺:「冒頭の優しい歯ごたえが印象的なれど、汁を吸ってからが本領発揮の美味さ!あっと言う間に160gを完食」
この一杯はスープが命なんだけど、麺もいい感じ。上品なストレート細麺で、軽い感じのグルテン風味が上品と思わせるタイプです。パツパツという主張も冒頭ではかすかにあるのだけど、汁を吸い込む性能も高くて、全体的にしなやかに食えわせてくれます。加水は大分類では「多め」でもその中では低めかな・・・。麺と麺が貼りつくようなシーンは少なくて、汁が濡れて徐々に吸い込んでからがうまい。しなやかさが出てからは、もう一気に食い進めてしまいました。こういう店では、替え玉がないよね・・やっぱり。
プツプツと切れる前歯の感触。奥歯へ運んでプレスすれば、あっさりと「クチっ」と潰れます。そこからの味わいがよくて、汁エキスと炭水化物の融合を感じます。こういう旨味の感じ方は、日本人ならではだと思うのだけど、説明しだすと長くなりそうなので、今回はカットしますが、麺を喉越しで味わう蕎麦とは真逆なうまさを感じるのが、ラーメンなのだよな・・・と、自分の中では再認識していると、なんと早々に食べきってしまった。この後は寂しい・・・・。
具:「肩ロースのレアはワインを欲したくなる美味さ!隠れた鶏モモ肉も驚くほどの柔らかさとジューシーさ!」
本当に、レアチャーシューが増えてきたよねー。これも時代と言うべきか。でもやっぱり「美味い」です。ラーメンの進化をこの10年で一番感じる部分が、このチャーシューかもしれません。いろんな世界の料理技法をなんでも受け入れて、昇華させてしまうのも、いかにも日本らしい得意技かもしれません。肉の部分のあっさり塩気に混じった肉汁の美味さ。一方脂の甘さはスープの熱を受けてあっと言うまに蕩けだす。レア肉を熱々液体に短時間浸しながら、さらりと食う美味さは日本人の大発明かもしれません。ラーメン至上主義、ラーメン国粋主義な一面がある私なのですが、思想的にはLOVE&PEACE!。
総じまして、「ほんのり洋風香り、和の美しさが染みる和魂洋才塩らーめん」という感覚でしょうか。これは正直すごく美味い!。ネットの評価以上に評価してしまいます。ここは、再訪問を誓います。
ところで、正月休みに録画予約した映画をこの週末で観倒しましたが、「南極料理人」はいいですねー。南極の基地の中ででラーメンを作る・・・粉から麺を打つ・・・みんなで囲みながら一緒に食う。そして無心で暴走しながら食い進めた後、美味さに泣けるシーンがたまりませんでした。深夜に観たからこの興奮が翌日まで残っていたのかもね・・・今回のレビューはそんな感じです。信号待ちの横断歩道で、この日の意味を再認識した・・・成人の日だったよね。お酒もタバコもいいけれど、ラーメンの方はもっとハマるぜと、心の中で感じました。そんな気分で・・・さらっと適当に詠います!。
新成人
振袖姿
鮮やかで
志木の塩ラー
薬味も鮮やか
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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