<注目セカンドブランドにフラれ、雨に降られて救いの店>
食えて救われただけでもありがたいー。雨の夕暮れの中、仏壇屋街を小走りになりながら、飛び込む「稲荷屋」さんです。思えばもっと近くに他の店があったわけですが、冷静さを完全に欠いておりました。しかし、美味そうな限定麺と、生ビールが売り切れランプで、結局ここでも少しフラれた気分なんだがー。まあ、こういう流れの1日もありましょう。こういう場合は、戦闘意欲も萎えてしまい、一番標準的なメニューをいただくことといたしました。今夜は「醤油ラーメン」。極めて一般的でしょ? 雨の宵を静かに啜り過ごしました。
【過ぎるほどに気持ち良い琥珀クリアーなタレ!ライトに響き酔いシメにはうってつけ?】
入店すると先客1名。明るく丁寧な応対をしてくれるご店主が、一人でオペレーション。先客さんは、仕入業者関係者?なのか、とても信頼関係のあるような感じで、応答を聴いていてもたのしそう。そうそう仕事は楽しくやらないと、いいものは生まれませんねー。
食券を渡して、ちょっと手を洗いに行って、帰ってきたらあっという間に配膳です。めちゃ早くてびっくりしたわ。さてその麺顔、誠に艶っぽい琥珀色のスープ感覚が。最近、ちょっと重いスープが続いていたラーメン活動には、かなり安らぎを感じます。しかも、透明感がかなりあって、いわゆるライト系醤油という感じ。この日もともと食いたかったのは、これだったのかもしれない。
味わうと、見栄えの鶏油の揺らめきよりは、かなり淡麗とも思える仕上がり感が、悪くないね。ちょっと温度が低めだったのはたまたまだろうけど、胃潰瘍の胃袋でもゴクゴクと飲み干せるようなライト感覚です。しかも、しみじみと鶏系の上澄みのようなコクがシャープに決まるといったもの。節系の落ち着きもあるのかも?ですが、やはり穏やかな動物系に共通する、しみじみとした味の浸透が素晴らしいです。薬味のネギや、カイワレの味わいも、しっかりと味わいを感じ取れるほど。
人によっては、物足りないと感じるかもですが、淡麗好きや、飲んだ後のシメとしては、すごく高機能を発揮する一杯です。やはり私も業務で疲れているのもあって、こういう一杯を食えて本当に良かったと思えてきます。
【練り水の個性感じる極細角形ストレート麺!クツクツ感覚も滑りもライトに響く!】
ややはっきりとした黄色い麺で、練り水の個性と反応を感じる見栄え。角形の切り口で極細と言ってもいいくらいのストレート麺。潰しこみは強くもなしでそこそこ。芯を感じさせてグルテンの風合いを感じさせるタイプではなく、全体的なクツクツとした切れ味とすり潰しで、でんぷんの糖分を堪能するタイプ。こういうのもいいねー、最近あまり巡り合ってないので新鮮な感覚で食い切ります。
毛細管現象のように、ライトなスープが隙間に入り込むような一体感があります。それに地肌もツルツルしているので、口当たりが異様に軽いです。ズボボボボとすすりあげること自体が、楽しくなるような麺の感覚。内頬や舌触りよりも、喉越しを優先的に感じる食べ心地でしょうか。
【700円の一杯にしては質感とボリューミィーなレアチャーシュー抜群!!】
正直言って、このチャーシューで満足度が高くなったと思えます。このご時世、700円のラーメンとしてはなかなかの質感とボリュームです。厚みがあってもとても柔らかく、筋っぽい部分が微塵もありません。そして肉本来の味わいが深くて、フレッシュ。この肉ならビールか日本酒、焼酎なのだが、サワーでは勿体無い気がしてしまうかな。
この肉センスあるなら、ワンタンも美味いだろうねー。ワンタン麺にしなかったことを少し後悔したかもだが、次回また楽しめると思ってきを鎮めました。
総じまして、「思いがけない出会いも、これまた良縁!」思える一杯かと。朝昼と色々あって、夕方にも泣き濡れた次第ですが、こうやって気分を癒し鎮めてくれるような一杯に出会えるなんて、これも何かの縁だと思うし。そういう意味もあって、とっても安らぎを覚えたラーメンなのでありました。こういうエンディングも幸せ。ということで、なので詠います!
雨足の
強まるビル街
ひた走り
救う神あり
飛び込む麺屋
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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