管理職になると、多少なり人事の仕事に関わることになりますが、これほど自分に合わないと思う業務はないですね・・・。人によっては好きな方もおられて采配を仕切られますが、非情なぶぶんをどうも受け入れられないと言うか、逃げたい気持ちが先行してしまうのですよね。
組織というものも、成長させないといけないので、ローテーションも必要。活性化は当たり前なんですが、営業職と企画職のトレードなんて特に気を使います。悩むのはそれぞれのメンタルの強さ。いや・・・メンタル弱そうでも耐性がある方もおられますし難しい。器用不器用と言うより、そこで踏ん張れるかどうかが私のポイントでして、そうなると中々ハマるものがいなくなる。ボス様に言わせると、優しすぎるのも傷つけるだけだぞと・・・。そんなんで悩んでて、自分の本業がおろそかになったりして。まだまだ自分も修行が足りない。
- 作者: 高杉良
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 文庫
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
<そばの香りに包まれるオサレ〜〜なお店>
・・・・などと考えながら、夕方の神田神保町に放り出された仕事終わり。素直に焼きトンを酒で胃袋に流しここもうと思ったけれど、ちょっと気になる「らーめん改」さんへ行き遠回りして帰ろう! 先日の新橋異業種交流会の席上で、最近すっかり東へ顔を出しませんね〜と突っ込まれたしね。最近、適当に食って詠って流し書きしてるのがバレてます。
ところが、今回は実に良い一杯でありました。お店の清潔感とか気楽さ、マダムもビューティーでお人柄が滲み出るよう^o^ でどこ取ってもナイス! 客層は、サラリーマンやOLさん、若い人など多様で懐ろ深い店構えです。カウンターだけのこじんまりした店ですが、ハートランドをやりながらゆっくり飲み食いしても様になりましょう。
一番印象的だったのは、席に案内されて座った瞬間に、麺の香り?風合いがふわりと漂ってきたこと。もうのっけから、麺が旨いに決まってると思い込んでしまいます。すでに、替玉和えそばへ気が飛んでいる。食う直前になって随分とハードル上げてしまったけど、軽々と超えてしまった。
【優しくジワ〜っとくる貝出汁!塩だれの煮干し感も柔ら!滋味深き哉!】
太麺だから少しだけ時間がかかるが、ご丁重にマダムがご配膳。と思いきやそれは私をスルーしご店主から配膳を受けました。いやー美しき一杯! 太麺の縮れも春の波間のようにも見えなくもない。私の錯覚かもですが、春先のジャケットのような淡いベージュ色に、トッピングの緑も映えてか、うっすら若草のような清涼感もあったりします。
レンゲを差し込んでもう一度見ると、とてもきめ細かくマットな色合い。魚介のニボっとした素振りもなく、素直に味わい出します。すると、メニュー名称にもあって分かっていたはずなんだが、貝の程よいじわじわ来るのはエキス感が堪りません。攻めてくるような濃厚さはなく、スパッと切れるような貝の出汁感覚。しかし一方で尖りは全くないので、あつあつなスープでもゴクゴクと飲み干してしまいたくなるスッキリ感覚がナイスです。
しかし、貝出汁だけでなく、なかなか塩だれも芳醇なのかも。ニボっとしてはいないと思ったけれど、魚介エキスしか成しえないような優しい落ち着きも一方で感じたりしました。そしてまた、腹持ちの良さそうなエキス感は、動物系かな? とてもあっさりとした上品な鶏の清湯なのか? スッキリしてこの上ない。きっとチャーシューエキスの影響もあったりするので、積極的には動物系のニュアンス認めず。
【ハンドメイド感たっぷりの風流太縮れ麺!なめらか&クッシリで風味豊か!】
実にこの麺が嬉しかった!見栄えのハンドメイドさからは、一転して誠に流麗なる風合いでありました。引き上げると、加水がかなり高めと思える極太麺。ワイルドかと思いきや、全体的に整った風貌の湾曲で若干不規則かと思う程度。箸の引っ掛かりも容易ですくい上げてすすり食い出します。見栄えの光沢通りの口当たりの良さ。すすりあげる高速感で、内頬と舌触りに滑らかな抵抗を与えます。前歯で千切ろうとすると、最初はモチモチと明るく反発をしそうに思えて、後半からヌチリとした密度を感じます。芯という大袈裟なものではありませんが、十分にグルテンの芳醇さを感じる。そうそうこの麺は、しっかりと全粒の欠片が練りこまれておりまして、見栄えと香りが風流なところもあるんです。
このヌチリとした感覚を奥に秘め二枚腰のような極太縮れ。時折にワカメが張り付いて異様なほどに滑りが高速になりますが、プレスをした断末魔にしっかりとした麺の風合いを感じる。だから、後追いで段々と嬉しくなってくる。例えが悪いが、もしも冷凍讃岐うどんの完成型があるとしたら、こういう感覚かもしれないと、意味も根拠もないことを思いつつ、ただただ無心になって食う。最高の息抜きを感じる瞬間ですな。
【いい酒に合わせたいようなナイスな肉!筍も親父泣かせな味!】
この一杯の主役はどれか? 貝の出汁芳醇なスープとも、歯ごたえと滑りと香りがハイバランスの麺とも、いやいやこのレアチャーシューなのか。大判のロース肉っぽいのが2枚も投入。しかもかなりハイレベルなレアチャーシューで、酒かワインで流し込みたいような気分にさえさせます。噛むと柔らかく、脂身の甘みと下味の塩気が舌の温もりで溶け出すように思えるよう……。赤い身を食むと肉本来の味わいと適度な塩気でメロメロになる。持論ですが、肉は塩で食うのが一番だと思う。その感性にとてもフィット致しました!
さらに嬉しいのは、筍。根に近い部分ですがとっても柔らかく、薄い味付けがとてもナイス。私、京都人なので筍にはうるさいのですが、いやーーー納得させられました。繊維質がいちいちシャクリシャクリと小気味好く切れる上に、はんなりした味付け。もうこれ以上、泣かせんといてほしいわと唸る、京極萬太郎を思い出してしまいました。
〜第2章〜 替玉和えそば
この一杯には、まだスピンオフがあります。貝油の替玉和えそば、がそれ。この一杯を加えることで、すごくらーめん活動の記憶に刻まれるかもしれません。
【和えだれのさっぱり煮干し風な香ばしさ!それに勝る褐色細麺の風味豊かさ!】
ここではこれが裏看板メニューかもしれません。ぜひ、注文すべき。こういうサービスは珍しくないけど、今回はハマった。適当なタイミングで注文すると、あっという間に配膳されます。それもそのはず、細麺です。麺の硬さを問われますが、今回は普通でとお願いします。でてきたのがこれです。非常にシンプル極まりないひとたま。太麺が全粒多加水極太縮れであるのにたいして、とても褐色めいたそばのような美しいストレート細麺です。全粒のブツブツはありません。
あつもりっぽい熱もあって、湯気にいり混じるその風合いにとても麺の風合いを濃厚に感じます。タレは完全に絡まっていて視認できませんでしたが、貝油のキリリとした風合いじゃしっかり目。しかしそこに若干も魚介感もありなむ。塩気のようでもあり甘みと感じたりもする不思議な感覚です。
絡みやすいように、レアチャーシューの刻みがいい感じ。このエキス感も歯ごたえも。絡まるととてもうまい。後は薬味のネギのだけというシンプルな構成も大成功。もうこのままで完成型。甘くて箸が止まらないところを、えい…という感じで半分残す。そして、残った貝塩のスープに全投入。
【残ったスープに投入!それはもう旨味のカオスで極上の味わい】
この瞬間がハマった! 即席な汁系の一杯が出現しますが、これがまたうまい。貝エキス、塩ダレ、貝油の追加に、刻みさいのレアチャーシューエキス………。これらが渾然一体。まさにカオス。ここで物語はクライマックスへ……というような恍惚感に包まれてしまいました。嗚呼、我が麺ライフ万歳!
総じまして、「コース料理に匹敵する充実感あるコンビネーション!」と言う感覚で、これで英世以下と言うプライスにも感動です。いやー、これは頻繁に通えないエリアだけに、逆に切ないやら辛いやら。デートで食うもよし、プチオフ会で使うのもよし。おっさんの一人ラ活で満喫するもよし。総合的に満足させていただきました。こりゃ驚いた、びっくらぽん!この季節、びっくらぽんすること多いけどね………。ということで、なので詠います!
どの年も
春に珍事は
つきもので
されど驚く
今年の人事
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
- 作者: 里中アオ
- 出版社/メーカー: 百葉舎
- 発売日: 2016/03/11
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る