【今週のラーメン２１３０】中野大勝軒（東京・中野）ラーメン・細麺

　まあ今年の最後は、日頃お世話になった一杯で〆たいと思うわけです。まあ、性懲りもせず、ここの「元祖つけそば」でなく「ラーメン」ばかり食っていた2015年。野菜入りか大盛でいこうとも思ったのですが、シンプルなラーメン（細麺）とさせていただきました。

　今年は、「豚の程よい煮出しと軽甘煮干しのコク！」を何回繰り返して語ったきとか。掛け値なしで、私を毎回捉えてなりません。醤油のカエシ円やかだけでなく、後に残る魚介の仄かさなど、日常系の滋味も含んでお気楽気分が極まれり一杯。嫌味が一切ないので無化調かと思われます。本当にこれしか、この店では食ってないけど、たま〜〜に凄い上振れを起こすことがあり、神なる一杯と遭遇することあり。それを求めてついつい立ち寄ってしまうこと幾たびか。今回は、神ではなかったけど、フライドオニオンやら、一味など少し加えて遊んでみるが、これもなかなか気分が変わって良かったりするんです。若干いつもとバランスが違ったけど、最後の一滴まで堪能し尽くしてしまいました。

　麺もいつもの通りに、品の良いツルツル感覚がいいね。大抵ここでは太麺で食らうもんなんだけど、天邪鬼というか、いつも私は細麺。これも言い尽くした感あるけど、密度感あるのにしなやかな腰つきが堪らんのです。まんまるなフォルムもまた、歯応えや喉越しに好印象を与えてくれる。汁系はもちろんですが、つけ麺にして〆た麺もプリプリ感が増して、私を魅了し続けます。大盛りでなくとも十分な麺量。自家製麺の風合いも仄かに生きるか……。

　チャーシューも文句なし。今時珍しいハードな歯ごたえです。いい意味でガッツリと食った感じがあるハードさ。淡くスポンジのように吸収する醤油スープが、さらに味わいを深めます。また、仄かに香る醤油ダレも香ばしい風合いもいい感じで、酒を欲してしまうかも。ロース肉で、程よく脂が煮だされ抜けていて、多少スカッとしている。タレの染み込みはいいバランスで、これまたスープを逆輸入して吸い込んだところをかぶりつくのがうましです。