【今週のラーメン２０７０】丸幸（東京・武蔵境）ラーメん・国産そば粉入り中華麺

　久しぶりに訪問してみました。地元から容易にチャリでたどり着ける「武蔵境駅」の「丸幸」さん。その昔、私は東京の会社に就職してもう関東に骨を埋めるかと覚悟したところに、初めての関西転勤辞令。それが誠に長く続き・・・・、その後再び東京へ舞い戻ってきたのが、中央線沿線界隈です。その当時、安くて旨くて、心置きなく和んで食えたのが、こちら。当時は確か、３９０円だったこの一杯。今は消費税もアップしてか、【４２０円】。それでも安い！驚きのコスパは健在です。全く・・・コスパだけでなく、何か良心的なものを感じます。こういったお店は長く続いて欲しいね。どうやらご子息らしき方が腰を据えて注いでいるような状況も伺えて、ナイスな空間です。割とかわゆい女子も、一人フラっと晩御飯がてらに入店という、ミスマッチ感もいいね。いやいや・・・もうそういう女子も最近では珍しくなくなったのかもしれません。

【しっかり醤油に煮干し甘さ！さっぱり豚コクがバランスしたクラシック感覚】

　少しばかり小ぶりの丼なんですが、何やら歴史の重みというか、質感を感じる迫力が充満しています。懐かしの琥珀色した醤油カラーに深い染み込み感じるメンマの数々。中央にもっこりと玉ねぎの山。薄くスライスされたチャーシューが崩れそうなのがご愛敬。八王子系っぽい麺顔を見ると和みます。

　割と深い醤油のニュアンスとそのカラー。決してブラックラーメンという域ではないのですが、きっぱりとした醤油感覚が嬉しい味わい。しかし角ばったところはなく、カエシも円やか。出汁のエキスと絡んで醤油自体が甘いのではないかと錯覚してしまいそう。そこに、豚鶏の丁寧な出汁が滲みます。香味油も少し多めに投入されていて、軽く全体を蓋しているような構図。透明感とキラキラ感も演出してくれて、単に古めかしくなりそうなところを上手くカバーしてくれているようです。

　煮干の甘みが生き生きしている一杯ではないでしょうか？　動物系と上手くバランスを取っている程度の軽やかな魚介感。そこも醤油味と絡むところですね。また玉ねぎの汁の甘みとも絡むところかも。考えてみれば軽やかそうで、いろいろ複雑なバランスが取れているのが、八王子系ですね。

【そば配合の中華麺が、何とも汁を吸い込んで味わい深し！】

　こちらの特徴は、麺ですかね。自家製麺なんですが、「卵麺」と「国産そば粉入り中華麺」とで選べることになってます。私は、いつも後者を選ぶのですが、やっぱり、ややボソッとした風合いがたまらなく好き。

　そば粉入りとは言っても、やや褐色が入っているかと思うくらいの色合い。だから言われなければ分からない部分でもあるのだけど、やや汁を吸い込みがちかな〜と思えるところがいい。しっかりと醤油出汁を含んだ味わいと、そば粉が持ち合わせる風合い、そして小麦粉のヌチヌチした感触が、少しばかり高級感を感じさせます。

　また喉越しが良いかも。微妙にザラつくのかと思いきや、そんなことなく表面薄く滑りを醸してスルスルと喉奥へと落ち込んでいきます。前歯の千切りや、奥歯のプレスで時々玉ねぎを巻き込んできて、シャリシャリと感じさせるところも面白いかも。

【バラ肉も定番のタレ香ばしいうまさ！メンマもクラシカルでうまし！】

　チャーシューはバラ肉ロール系。それをかなり薄めにカットされているので、自重で崩れること間違いなし。また醤油ダレが芳ばしくて、脂の甘さと非常によくマッチしている。脂といえば皮の部分もしっかりと保たれていて、独特のぷるるん！とした脂が実に甘くてうまし！

　うまし！といえばメンマもそうだ。しっかりとタレ味が染み込んでいるし、影に隠れてはいるが結構サービス的に入っている。味ももうしぶんなく、見た目よりあっさりした味わい。ビールが進むこと間違いなし。

　総じまして「八王子系武蔵野クラシック醤油麺」と言う感覚でしょうか？何気ない基本形な中華そばという感覚。それでいて、どこかここしかない！と思える武蔵野風というか、八王子系の風合いを醸し出す一杯。価格が安いだけではなくて、この味好きなので、もっと頻繁に食いに来たいものだと強く思いました。最近、日が暮れるのがとても早いので寂しい気もするが、こういう時こそ懐かしの一杯が身にしみます。なので詠います！

　　　しんみりと
　　　駅前老舗
　　　落ち着きて

　　　煮干し啜りて
　　　腹も落ち着く

　お粗末！と言うことで家族にも感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！