こんな日もあったな〜。クソ暑かった8月を回想しながら、自由な日々を思い出す次第・・・・今となっては懐かしい〜。
ただ、ボーッとしながらクルマを流したかったとある週末快晴の正午すぎ。ひたすらクルマを環八で流してみたかったんです。音楽も何もなく、ただエンジン音と風切り音、タイヤと路面の感覚をハンドルから感じ取りながらね。そうとう癒しを求めている私。病んでいるのか・・・。いえいえ、実はクルマを点検に出していて、運転自体が久しぶりだっただけなんです。ひたすら、車線をゆっくりと走りながらトレースしていくこと1時間弱・・・・急に腹が減ってきて、探し当てたところが「ミライゑ」さんだっただけの話。やっぱり、最近の胃袋は、二郎系より、こういうお優しい系を求めて止まないのがわかります。細胞が、旨い醤油を吸収させろと叫んでいるようなので、何も考えず、定番の醤油ラーメンをチョイスです。選んだり、こだわることすら、邪魔臭くなってきたんでしょうな・・・。
【場違いなほどにハイセンスですな!しかし地元民にすごく溶け込んでる店!】
店自体は環八に面してとてもわかりやすい立地なんですが、近いコインパーキングがとても狭小。付近の路地もそんな感じで、どこか馴染みを感じる庶民の住宅街にポツネンとその店は存在します。庶民的なエリアとは裏腹に、どこかハイセンスな雰囲気も醸し出す店内。オークをイメージしたカウンターと、コンクリ打ちっ放しの壁のミスマッチが、妙に落ち着く感じの店内です。清潔感ありあり。そこに、地元の方々が、ちょっと近くのいい感じの店でランチでもしましょうと・・・、熟年ご夫婦やら、親子ずれ、孫とお婆ちゃんなど、バリエーション豊かな客層が、マイペースでゆったりとラーメンをすすっている・・・・、ある意味とても理想郷。ただ、だらだらとクルマを流していただけだったのに、これはとても良い拾い物をしたような興奮を覚えます。この雰囲気は良い!おまけにビールは、私のイチオシ「ハートランドビール」。今回は運転してるから飲めないけど、私の持論「ハートランドを置く店は旨い」に当てはまるかどうかだけが、気になります。
【しっかりしてる、豚鶏エキスの芳醇さ!きっぱりしてる醤油のエッジング!そして全体がすっきりしてるスープ!】
先に結論を言うと「旨い」。アタリの店!だった次第。配膳の瞬間は、今風の背が高く鋭角的な丼から「見栄えだけの一かも?」と不安にさせますが、いやいやどうして・・・・スープを一口すすると、しっかりした味わいと、すっきりした味わいという、真逆同士の成立をありありと感じさせます。
テーマは、「TOKYO醤油」。東京も広すぎてデカすぎて、醤油もいろいろありすぎて、意外にこのくくりは定義ができない。なのだけど、エッセンスとしては「くっきりした濃ゆいめの醤油」としたならば、確実にこれは当てはまります。プラス今風といった感じもします。とにかく、この醤油ダレはなかなか秀逸。熟成度を明るく凛と感じさせる風合いある醤油。手元の説明書きを拝読すると、醤油は千葉・佐貫の「タマサ印」醤油とのこと。これがまた明るい風合いの中に透き通ったカエシを放出します。
どんどん食い続けて、味わい続けるとまた違った感じかたも生まれますね。それは「甘み」。そのボディ自体は醤油の甘みがあるものの、鶏油系のすっきりした動物エキスがふわふわと広がるスープです。そして、豚肉の優しいエキスが溶け出す感覚。鶏がら系の甘みも響くけど、ほんの遠くに甘みが少し後味に残るか・・・・・。入っているとしても微妙な味醂系エキスがいい演出をしています。
【きっぱり醤油スープに負けない細麺の主張!玉子麺の漆喰のごとき質感がナイス!】
「三河屋製麺」・・・わたくしにとっては、ブランド価値を感じます。コカコーラや、IBM、・・・いえいえ「Apple」に匹敵。だから贔屓目でごめん。引き上げるとストレートが美しく、やや黄色めがちな色合いに、練り水や玉子の風合いを感じますが、熟成が効いたグルテンの風味は抜群です。スープのカエシを程よく吸い込んで、麺自体が旨い。前歯で千切るたびに鼻腔にくすぐる風合いが嬉しい!。奥歯のクチクチっとしたつぶれ感も淡白のようで断末魔に風合いを高めますし、すすった加減もツルツル感の中にしなやかさを感じます。
【手抜きない具たち!どれ食ってもハイレベル感がいいね!】
具は、どれも手ぬかりなき。完成度が高いです。まずチャーシュー。最初の麺顔では、お風呂に浸かっているように見えますが、湯上りの姿は実はでかくて厚い。肩ロース肉だと思うけど、皮膚に近い脂身も残っているし、繊維と筋の合間に脂身が甘く差し込んでいるので、とてもジューシー。周囲は醤油ダレの染み込みと炙りの香ばしさがとても強く、人気あるのがわかる。脂自体も甘みとカエシの塩気と、肉本来の柔らかさで、無限大でも食えそうな気がする。なお、お酒というより、ご飯系の方がマッチするという印象です。
メンマが、また材木みたいでとてもいい!肉厚なのに、繊維質が繊細で柔らかい。筋で歯に引っかかったり隙間に入ったりすることがない。味わいも薄味でフレッシュな素材感を楽しめるタイプ。いいことづくめ。気前よく3本投入されているところがまた充実感を高めますな・・・・。
久しぶりに味玉トッピングを施してみました。表面は薄く醤油タレが染み通った感のある「濃い肌色」。割ってみると薄味が深く染み通っている白身がフルフルとしていてまた旨い!秀逸なのは卵黄。熱の通りが絶妙で、完璧に全体がジェル化しております。当然醤油タレも滲んでいてまろやかな味わい。ジェル化していると濁りとか気にせず、醤油の透明感を損なわないので安心して食えます。むしろ一回スープに沈めてスープを吸収させたりする。すると味わい的にも芳醇この上ない・・・。このまま熱々の白飯にのせたとするなら、2杯は食えるはず。そんなうまさ。
その他、海苔も大判で肉厚で乾き具合もグッド!乾いているからこそ、汁の上にのせると風味が立つというもの。白髪葱もさらっとトッピングされてたけど、実際は見た目以上にハイセンスぶりを感じますね〜。
総じまして、「今時な、しっかり質実醤油!どこか秀才的な一杯」という個人的な感想でしょうか。本当に全体的に良くできた一杯と思います。店舗の雰囲気と、ローケーションのミスマッチすら狙いかと思える部分がありありでさすがな戦略かも!? ラーメンもとても上手くまとめているので非の打ち所がない反面、コンテンポラリーでまとまりすぎな一面もあるかと。ま、うまければそれでよし。そして確かにうまかった・・・。また、環八を遠くまで走りたくなったら、立ち寄るかと思います。本当は家族で楽しみたいんだよね〜、こういう店舗は。などといろいろぼーっと考えつつ食ってて美味かった。なので詠います!
気が抜ける
明るい午後の
昼下がり
ぼんやり啜る
東京醤油
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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