晴れた日曜日。こういう日に限ってプライベートでは野暮用で忙しく、また業務もドツボにハマって・・・午後から会社に出ていかねばならないという非常に凹んだ気分です。こういう時は青空が憎いぜ・・・。しかし、心のバランスを取り戻すというのか、少しばかり寄り道をさせてもらい、最近異様に気になるお店「秋もと」さんへと寄らせていただきました。本当はもっと早く訪問するはずだったのですが、夜は終電間際までの残業と、始発出勤が続いたものですから、余裕が全くなかった次第。
【店:少し懐かしさのあるハイソな郊外マンションの一角】
カウンター6席の小さなお店。田園都市線市が尾駅前の少し大きなマンションの一角だけが飲食店入っていて、どこか懐かしい雰囲気のする建物です。訪問時、すでに行列が6名ばかり発生していて、どうも地元の方ばかりのようです。とてもご愛想がよろしい店主ですが、6席とはいえ一人で立ち回っておられるので、少しばかり待ちますが、ここは大目にみるしかないですね。一人で洗い物もあるんですから・・・。日曜日昼下がりのローカルFMが流れていい気分。アットホームさ満点の気楽さがとてもナイスな雰囲気を垂れ流している店内です。
【スープ:ベースの「芳醇さ」と醤油タレの「香ばしさ」が拮抗している深い味わい】
高台で受け渡すことなく、ご店主自らが恭しくカウンターに配置。配膳前の麺顔チェックなど一麺入魂ぶりがうかがえます。その配された麺顔は、実に深みのある醤油ブラウンでなんとなくエキス感の芳醇さがダイレクトに伝わってきそう。これはカエシでキリリと喰わせる一杯と思って啜ってみると、とても伝わわるのは「熱さ」と「芳醇さ」。決して甘くないのですが旨味としての甘さがぶわーーーっと広がるなかなかの味の密度感です。やはり、「ベーススープ」がしっかりとしている上に、「タレ」が負けておらず深いレベルのバランスを感じますね〜。
<丸鶏の芳醇なコクがが全開なベース、香味油の華やかさ>
一口目から「幸せ」を感じる動物感。鶏ガラあっさりタイプが好きな私でも、こういう「芳醇さありありの丸鶏」仕立てのような密度ある円やかさは大好きです。まるで透明なコラーゲンが溶け込んでいるような鶏コクの集まり。実に明るくて美味いと思わせてくれます。この仕掛けには表層を覆う香味油の存在は大きいかもです。薬味がフレッシュ紫玉ねぎであることも視覚的に連想させるのか、この香味にはまるで「エシャロットオイル」のような華やかさがあるのか??? しかしそれと判断できないのは、まるで生姜のような落ち着き感もあったりするから。この落ち着き感があって、単なる華やかさと割り切れないのでしょうね、きっと。駄舌ゆえよくわからんけど、旨いという感覚だけは研ぎ澄まされますね〜。
<マッタリと深い味わいの醤油ダレ、軽く甘い魚介とバランス良し>
しかし香りを楽しませるのは香味油だけではない!この醤油ダレがまたすごく好み似合うのです。塩気に円やかさを保ちながら、熟成を感じさせる味わい。分類的には「淡麗」と区分すべきでしょうが、淡麗イメージを超えた円やかさがあります。また、全体的に落ち着きを感じるのは、魚介系の味わいでしょうか。煮干しというより鰹の風合い。それもしっかりした二番だしのような重厚さもありなむ。冒頭は丸鶏のイメージ一辺倒だったけど、後半に近づくに従って・・・徐々に魚介のバランス感もナイスと思えてきた。
【麺:キラキラしてる麺のツヤ!適度に締まった多加水麺の旨味を改めて知る】
スープもいいけど、麺もいい。チャーシューの下に隠れている麺を引きづり出すと、そこにはゴールデンに輝く平打ち麺のお姿が眩しい。平打ち麺の地肌に、自分の顔が映っているのでは?と思うほどのきらめき感。レクサスの重厚なマイカ系カラーに、コーティングは、高級系ガラスコーティングを施したようなきらめき感がたまりません(レクサスなど一生乗れんだろうけどな)。
<汁吸った多加水平打ちのスベる感覚がサイコー!>
一番印象的だったのは「スベり」です。コーティング仕様のような地肌は口元では何の抵抗もなく、内頬にいたっては高速に滑りすぎてあまり感じない。しかし、舌触りと喉越しの駆け抜けるような滑らかさは一種異様な感じがするほど。つるつるしてて美味しい・・・というのをよく使いますが、「ゆっくりと」「滑らかにすべる」というような感覚で、ちょっと多加水に開眼したかも・・・・。しかも、本領発揮は後半で、汁のエキスを吸い込んだようになってからは、風味を増すあたりが泣けてきます。しかし、その一方でスープがとても熱いので、火傷しそうになりながら、滑らかさを味わうのですが・・・。
<クチリクチリと淡くともしっかり感じる歯応え感覚>
さて滑らかさ・すべりだけで魅了な麺ですが、同時に歯ごたえ感も面白く味わえます。細麺ならクチクチと淡く潰れていくところが楽しいのでしょうが、その感覚がボリューミィー。淡白な潰れ込みが分厚く感じるという背反な歯ごたえが楽しいという感覚。この狭い店舗なら自家製麺というのもあり得ないでしょうが、どこぞの有名製麺所の特製か?
【具:バラ肉のタレと脂の香ばしさがテッパンの安定さ!飯に会うかも!】
まあ、定番のチャーシューですが、作り込みは丁寧。人手がないのに、注文に応じて固まりから切り出すというのは定番とはいえ、大変なことです。こちらのお酒はハートランドビールという私好みなんですが、このチャーシューは、ビールというより「飯に合う」というフィーフィングでしょうね。
<良い醤油タレが深く染み込んで食欲が進む肉>
「深く香ばしい醤油ダレ」と「脂身の甘み」というテッパンの組み合わせ。淡く深く全体的に染み込んでいるというスタイルで全体が柔らかく熟成感すら覚える仕上がり感です。デフォルトで3枚というのもいいね!しかし、できることなら・・・・「低温真空鶏チャーシュー」を一枚でもくれたら評価のボーダーは超えるかも!だって・・・うまそうなんだもん、隣客のそれが(笑)。
<メンマも海苔も良い肉厚感>
本当に隅から隅まで、抜かりがない一杯です。海苔は肉厚で大きさも申し分ない一枚海苔。熱いスープの中にあっても溶け出したりしません。風味も当然よし!またメンマは、スリムな小ぶりタイプで繊維質が細かくて圧縮されている感覚。あっさり仕立てでコリコリ感が均一していて楽しくて美味しい。これなら焼酎に合いそうだな。
総じまして、「香ばしさと丸鶏感覚が深くてスッキリな一杯」と言うそのままの印象なんだけど、ごめんちゃい! いや〜、本音をいうと、「ムタヒロ」の修行経験ということで、ある程度うまいだろうと予測しての訪問だったのですが、ボーダー上げてもさらにその上といった仕上がり感で、ちょっと軽い興奮すら覚える次第です。これは、「あっさり系」を求めたい時や「こってり系」を求めたい時、どちらでも深く胃袋に染みわたるだろうという絶妙のバランス感。しばらくは、小さい店舗ながらも、腰を据えて実績を築いてほしいですな・・・。ここは応援しますよ、遠くてもまた来たいし来るだろうと思います。中央線沿線にあれば、すぐにでも通い詰めるのだがね(笑)。なので詠います!
ほのぼのと
薫風そよぎ
和やかに
過ごしこれから
日曜出勤
お粗末!と言うことで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!
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