【今週のラーメン１７５３】八雲（東京・池尻大橋）エビワンタン麺・白だし

＜年末年始にレビュー整理＞

　これは、塩系を求めていた時期に、塩ワンタン麺に行きつき、塩じゃないと分かっていても食いたかったメニュー。

　ほんと「白醤油」だと分かっていて訪問いたしました・・・・こちら「八雲」さんです。言わずと知れた名店！　実は・・・・もう猛烈に腹が減ったため、「和利道」さんと「八雲」さんで食うしかなかったのです。相当追い込まれ状況。なぜって・・・・午後３時まで昼飯食えなかったから死にそうだったから。昼の部最後にすべりこめる可能性にかけて、「八雲」さんへ・・・。

　しかし、混雑・・・・。どれだけ人気店やねん！　日頃、受注というものに焦がれている私は、受注残を連想させる行列を目にすると実に羨ましいと思えるのです。嗚呼。こういう商売っていいな〜なんて。客層は、半分程度がカップル。女性のお一人様もちらほら・・・。確かに、明るくスタイリッシュな雰囲気もあるし、この点でもウケるわな。味もいいから時間に関係なく行列になるわけやね・・・・。

【スープ：白だしでしかなし得ない、やわらかさとシルキーな味わい】

＜言われて分かる和だしの感覚！昆布や魚介甘みに・・・円やか塩気＞

　それにしても全くブレのない麺顔です。数年前に食した特製とほぼ同じで、決まったものが決まった位置にビチっと配置されているだけで、気持ち良いし、完成度を感じさせます。食う前から、トッピングの質の高さが伺え心の中では小躍りしている私。スープカラーは白だしらしい、落ち着いた透明感・・・といった感覚で、冒頭から心に染み入る状況です。

　いざ味わうと、いやいや〜実に魚介系の出汁の淡さと落ち着き加減がナイスと思えます。煮干しというより、昆布とか淡い節系、はたまた貝類のまろやかさも滲むような感動。塩だれのように見えて、確かに感じる和出汁の風味感が、言われてみれば「しっとり」と来ます。確かに、塩だれも白醤油も、目隠しされてはわかるとは思えませんが、醤油ラーメンの中には醤油も忍ばせてあるよな・・・って感じることも度々ある。カエシの妙技に単に翻弄されているだけ、身を任せるのも楽しいものです。

＜熱々の中に鶏豚のバランス感覚が柔らかく・・・＞

　しっとりと、シルキーな透明感に包まれてた白だしですが、実は少し熱めの温度設定で、通常のラーメンより、いかにもワンタン麺らしいと思えます。多少のやけどをしようとも、ちゅるんとすべり食いたい気分にさせます。冒頭は、カエシのフィーフィングに心を奪われますが、慣れてきて余裕がでてくると、動物系の出汁感もなかなかと気づきます。淡麗というより、しっとりとくる豚肉の出汁、そしてするする〜っと食わせるのは、鶏ガラ系でさっぱりなコク。そこに、ワンタンを食いだすと感じだす肉餡の風合いが滲みます。エビ肉だけど。

　魚介と動物系、動物系の中でも鶏と豚、それぞれがとても甲乙つけがたくバランスをとっているのが、味わい深いかも。わかりやすい味わいのようで、主体がキッパリとしないだけ、味にカオスを感じて味わい深いのかね。

【麺：スープとの相性の良さが最高！粉感のフレッシュさがとても映える】

＜軽い捩れでクスクスした歯応え、粉の風味もダイレクト＞

　出汁が圧巻ですが、麺も実は質が高いです。基本的にはストレート角麺なのだけど、軽い捩れを生じている見栄え。麺の潰しこみはそれほど感じないけど、軽く熟成が効いて粉というかグルテンのフレッシュさを感じる風合いが、とてもすっきりとしています。やさしい白だしスープにはとても映える感覚で、ダイレクトに粉の旨味を感じ取れるようです。

　圧が低くても、スパスパっと小気味良すぎる切れ味でもなく、クスクスっというような淡い芯を感じながら食い進める。奥歯へ運びこんでプレスすると粉の風合いがMAXに感じだすという順序。ヌチヌチっとした水分と圧を感じる麺とは、ある意味対極に感じる素朴さがあるような、ないような・・・。

＜汁吸い込みが抑えめで、ズボボッと捩れが崩れずそのまま啜る＞

　しかし、熱いスープに浸っていながらも、わりと汁の吸い込みでダレることはなく、最後までスキッと食い切れるところが秀逸ですね〜。滑り層があるわけでもないのに、ツルツルっと抵抗なく啜れるし、口当たり、喉越しもやさしくてなんとなく女性的。なんて考えると、こちらは客層の女性比率も高く、しかも食べ慣れたようなカッコ良い方がちらほらと・・・・。渋谷・目黒エリアのセレブリティーも御用達〜？

【具：どれも完璧です！】

＜エビ風味満点の餡！プルプル歯応えもナイス！＞

　うまいエビワンタンを食った！という感覚ですね〜。エビが軽やかに香ばしく、プリプリっとした歯ごたえと、餡のきめ細やかさと弾力が嬉しい。サイズ的には赤ちゃんの耳たぶ程度。形はテルテル坊主タイプで、餡はエビ肉メイン・・・・というか１００％か？　荒くともきめ細かいような練りモノタイプかと思えば、しっかりとエビ身のプリプリさを感じるパーツがゴロッとしている。食べ応えがあり、個数も６つだったっけ？結構満足なボリュームあり。高かったけど、お値段程度はしっかりと感じさせてくれた品質でした。

＜紅を引いた二種チャーシュー＞

　中華を感じる食紅。すっかり記憶が飛んでしまっていたが、二種チャーシューだったのね。どちらもうす味で、肉本来の味わい豊かであったけど。鶏のもも肉タイプは、胸肉のようなパフパフタイプだったし（胸肉だったりして）、豚肉は一転してわりとはっきりと歯ごたえを感じさせるタイプ。お酒とともに食したいタイプ。この出来具合だったら、チャーシュー麺にして埋もれてみたいですね〜。

　また驚くべきは、材木メンマ！これは、最高レベルできめ細かくて、歯ごたえ自体がシルキー感じるほど。メンマでこの歯ごたえはそうそうありませんぜ！驚きを隠せないメンマ！メンマでビールか酒を飲みたいと、これほど感じたことはなかったかも・・・・。

　総じまして、「極楽崇高白出汁！休日か週末のご褒美に是非！！カップルで！！！」という感じでおすすめいたしたいのですが、一応ごめんちゃい。年齢関係なく、なぜかデートで食いたいご馳走麺だと思ってしまいました。しかし、うちの嫁さん外出するの億劫なんだよね〜・・・インドア派な方ですので。年末ともなれば、クリスマスなどイベント関連で、ハートフルなものを求めているだけかもしれませんが、私的には多忙すぎて、反動としてそういうのを求めているのかもしれませんがね。今年もいろいろあったので、年末は何もしないで爆睡してやろうと決意しています。ちゅーか・・・ダルい。なので詠います！

　　　年の瀬の
　　　追い込み時期に
　　　風邪っぴき

　　　ワンタン啜り
　　　芯から温め

　お粗末！ということで家族に感謝しながら合掌！！今日も本当にごちそうさまでした！！！