ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1504】 新橋 纏 (東京・新橋) 特製平子煮干そば


 休日出勤で少し面白いのは、普段スーツ姿でしか知ることの無い仲間の普段着が見られるというところ。大抵、自分と似たようなカジュアルなのだが、ユニクロ系でかぶっている場合もあれば、ゴルフウェア崩れの方もおられたりで、好きな色合いなども分かったりする。意外にカジュアルの方がカッコイイという方は少なくて、それは見慣れていないだけかもしれない。しかし、そんな週末の服選びにエネルギーをかけるほど、みな余裕がないのかもしれないのが実態だろう。


 そんな中、一人スーツ姿で休日なのに出勤する方を見かけて不思議だなと思っていた。もしかして、普段着のダサさを悟られないためか、または終日出勤とは言え気持ちを引き締めんとしているのか、はたまた着て行く服を考えるのが邪魔臭いのか。ま、そんなところだろうと感じていた程度だった。 


 そんな中、退社するタイミングで、たまたまエレベーターが一緒になって、「休みの出勤でも、いつもキッチリしておられますね」と自然とクチから思いが出てしまった。すると、その方の申されますのは、意外な答えだった。


 休日になって、家族に「今日は会社に行って来るよ」と告げるが、子どもは土曜日も学校があったりするわけで、その光景は普段の平日と変わらない。そんな雰囲気で、普段着を着つつも会社へ行くと告げニクいというのだ。普段着でどこか遊びに行くつもりなのを隠す名目で「会社へ行って来る」と言っているのでは?と疑われるのを避けたい。どうどうと会社へ行くために、休日出勤であろうとわざわざスーツを着て、疑いを晴らすのだとのこと。


 そんなの考えすぎですよ〜、って切り返した。すると・・・・確かにそうは思っているとおっしゃる。だが、かなり以前、子どもが学校のある土曜日に出勤しようとしたら、あまりにも雰囲気が平日と変わらないから、無意識でスーツを着てしまったことが以前あった。それが、家庭では既定路線になってしまって、そこから変えられなくなったとも続けられた。


 妙に納得してしまったが、この方は、家族のことを本当にいつも第一に考えているのだろうなと・・・そんな雰囲気を同時に感じた。やさしいパパさんなのだね。かれこれこの数年、休日出勤は当たり前になってしまったが、そんなスーツ姿を見る度に、それ以来妙に親しみを覚えてならない。











 ・・・・そんな先日の休日出勤のひとコマがあって微笑んでみたものの、やはり・・・なんだか個人的には疲れるというか、やりきれない思いがあるものです。気が重い。なのでやはり昼飯では好きなものを食うということで、憂さを晴らすしかないと思い、今回は新橋で途中下車です。目指すは「新橋 纏」さん。先日狙ったメニューが売り切れであった為、心残りでありましたしね〜・・・。それが「平子煮干そば」。憂さ晴らし目的もあって、勢い余って特製とさせていただきましょう!やはり、途中下車した甲斐があるほど旨かった!

  






 うお!これこれ、待っていました!カエシブラウンがスッキリしているカラー、そしてどの出汁具材もほどよく。協調的なバランス感がたまらず旨い!











【スープ:軽やかなのに、しっかりとした食べ応えと洗練されたセンス!】


<軽いようでビシッと決まる!ピントが合った煮干感と醤油風味との程よいバランス感!>


 前回食いそびれたのもあって、ハードルを自ら上げてしまったが、いやはやこれはやっぱり旨いわ〜。何と言っても、平子煮干の何たるかを知らないものの、煮干のエキス感に、濾過したような透明感と裏腹にすっきりした感覚を覚えます。しかし、薄まったという感覚でもない・・・。煮干エキスの上澄みの如くの感覚か・・・・。実際はそんなことをしていないのだろうが、そんな錯覚を覚えるスープ感がたまらん。やはり、来て良かった!GW休日出勤と、午後からの天気の崩れを思うと、居たたまれなかった心が少し軽くなるというもんだ。


 そう、ピントが合っている。そんな感覚も受ける。煮干だけではなく、醤油ダレの揺らめきも似たようなものを感じる。日本一醤油・・・だったか記憶は定かではないが、そんなブランドに拘っているでもなく、品質感がこの一杯と相性がいいのだろう。薄口醤油だ香りと醸造感からくる甘みがなかなかスッキリしていそうだ。そして酸味の当たりが柔らかい。和食の醤油感が、この一杯からは感じられる。そういえば、厨房内のお二方も、どこかしら料理人たる毅然さがあるようにも見受けられる。こういう雰囲気は好きです。







<さらっとした鶏ガラ豚コク感がさりげなさと、味コクを引き締める塩気感が、これまたいい>


 煮干ばかりに気を取られてしまうが、他の味わいのバランス感覚もなかなかイケてると思います。まず、動物系ですが、煮干を邪魔しない鶏ガラのすっきり感がひろがりますし、腹持ち良さそうな脂感もさらっと感じさせる。そこに豚の旨味もそこはかとなく感じるような意味合い。ばら肉チャーシューを多めに投入しているので、その脂分がスープの熱で染み出したのかもしれないが、いやはやすっきり感の中に、たしかな食べ応えを感じさせるいい染み出し具合です。


 そして、ほのかなみつばもいい感じ。淡く、本当に淡く淡く・・・・そこはかとない清涼感を漂わせる。そして後味は、出汁の旨味に包含される。先日、みつばがこれでもか!というほど投入されている一杯を食ってから、みつばのポテンシャルに驚きを隠せない。










【麺:詰まった感じのある中加水でストレートな細麺、それが心象的にも気持ちよく食える 】


<身の詰まった感覚が気持ちよい・・・淡くクツクツとした感覚がナイス!>


 この店に通う理由の大きなひとつとして、やはり麺の密度感だと思う。単に低加水な麺を求めているだけではなくて、しなやかさと裏腹な固さがきっぱりとしているところが好きなのだな〜。決して芯を感じさせなくて、クツクツっとした前歯の当たり方、感覚が心地よいし、咀嚼の度にまるで麺の風合いを鼻孔に送り出してくれるような感覚がいい。


 見栄えも気持ちよいほどのストレート細麺で、切り口が微妙に角っぽいか、角が膨れ上がったような見栄えで、麺をリフトしてからの姿がこれまた流麗です。見ていて、旨さを感じさせる。そんな存在感がいい感じです。







<適度に汁をすって滑らかなスベリ心地!されど全体クッシリ感はあまりかわらず、スルスルと食える>


 さらに、地肌がきめ細かい。湯切りの残りもかんじさせない、つややかなスベリ感とでも言いましょうか。そして、時間の経過とともに染み込むであろうスープの影響だが、これは比較的少ない。吸い込みがあまり早くなくて、最初から最後まで一定したややハードなタッチをキープされます。もっとも、醤油スープをまとって、褐色にも感じる色合いもキレイだが、ともかく、丹精な顔つきをしえいる麺の感覚、そしてスベリ感は、たまりません。







【具:見た通り、見た目とおり、旨いし完成度がどれにもアル】


<ロイヤルストレートフラッシュのようなチャーシュー>


 見た瞬間から、旨いに決まっているような堂々たるバラ肉チャーシューです。そのキレイな並びからは、カードゲームの上がりに見られる痛快な達成感にもにた風貌です。兎に角、王道たるバラ肉。そして肋肉にあたる筋肉質が解れるように柔らかく、味わいも優しく、欠点の見当たらない仕上がり感がナイスです。これほどまでに肉肉しい麺顔なのに、キレイと感じる。






<味玉は、ややトロミが粘度低く、舌の上でまったりと全体を覆う>


 一方の味玉は、これは黄身が少しだけゆるめで、卵黄の旨味と漬け込みダレの染み込みが非常によく出ていると思う。麺よりもライスに乗っけて食いたいくらい。トロトロというより、トローーーーーーっといった感覚がややあるが、スープを濁さないように、丁寧に食うと実に旨しである。






<メンマもみつばも、クツクツとした歯応えは、とても質感を感じる>


 良い一杯というのは、具やトッピングの薬味にいたるまで、存在感がピッチリとしているし、手抜かりが無いと感じさせます。三つ葉の影響は既述ですが、メンマが普通のようで、しっかりとした品質感と共に、コリコリっとした感覚が明確で、これまた旨い。味も見た目よりも薄味で、素材感も感じる旨さです。







 総じまして、「ロケーションと営業時間帯もすごく配慮ある崇高系ラーメン」と言えましょう。こちらは、そこそこ流行ってもう定着化しているものの、開店当時のままの初々しさと、職人の腰の落ち着き度を感じますし、おそらくこれからもずっと御つきあいしていきそうな、お店であります。嗚呼、開いててよかった・・・・、大型連休に出勤ってシャレにならんと思っていた心が、何となく明るくなりました。こういう一杯に出会えるなら、たまにだったら、休日出勤してもいいかなと・・・・。なので詠います!




   連休の
   ひっそり寂しい
   新橋で


   ランチタイムに
   すすりて一人



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!





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