ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1493】 中華蕎麦 きみの (東京・飯田橋) 塩+生びーる・中


 水道橋から四谷にかかるあたりって、前にも語ったけれど、学生生活を送りたかったエリアでした。またこの界隈で仕事が出来ればとも思ったもんでした。夜に酒を一人ひっかけに行き、巨人戦などを眺めながら疲れた心を癒しつつ、穏やかに酒を飲むという余裕も好きです。旨いものが多いのも東京のいいところ。神楽坂でお客さんと飲んではけたあと、一人静かに麺でしめるというのがいい感じです。


 路地裏のまた路地裏という地味な場所に、ひっそりとあるお店が「中華蕎麦 きみの」さん。隠れ家的でありながらも、店内は清潔感に溢れ、接客の女将サンさんも明るくてハキハキとした方。とてもホスピタリティに溢れます。「今夜は気温が上がりませんね」などと、お声がけもまた自然でとてもいい感じです。生ビールをゆっくりとやりながら、まったりと過ごす。仕事帰りに寄り道するようになったのは、関西転勤時代からだけど、この癒しの生活パターンは、やめられない。


  


  




 「そろそろ、一杯いただけますか」と促したところで、テレビモニターの中で長野がヒットを打つ。なんだリプレイか・・・。一瞬少しだけ体温が上がったような気分だったのだが、それはアルコールの仕業だったかもしれません。グラスに残ったビールを一気に空けて、そしてその一杯の味わいへと神経を集中させる。そしてスープを啜るのだが・・・・おお!これは唸るな。旨さに叫びます。バレないように、心の中で。


  




 
 おお!小料理屋気分で〆の一杯としては至極!旨しであるな・・・。これは、再訪確実!日本酒や焼酎ロックにも相性がよさそう!





 



【スープ:鶏のアッサリさと節がとっても滋味と思える胃袋に優しいスープ】


<鶏のアッサリした上品なコクと節系のバランスが凄く良い>


 配膳されたそれは、まさにご店主夫婦を写し取ったかのような、丁寧で真心こもったような素直な雰囲気です。そして、ここ「神楽坂」という土地柄にとても合ったような、大人好みな落ち着き感とさりげない主張を感じます。器の雰囲気やら、チャーシューと麺の色合いコントラスト、松葉のようなネギの配置など、和の心遣いを感じるます。


 味わいは、大人びた淡麗さが溢れ、決してガッツリというものではありません。小腹を満たすという、ちょっと贅沢でわがままな胃袋には、実にしっくりと染み入る塩スープです。塩のバランスがとても気を使っているのが分かるようなスッキリ感あるカエシ。和服美人のような色気を感じる塩ダレですな・・・。


 地鶏の丁寧な煮出しがとても良いです。コラーゲン感というより、肉そのものから出る旨味成分がとてもスッキリしていて、味わい深い。滋味という言葉が個人的にはしっくりと来る感じがいたします。脂分がとてもキラキラとしていて品がよい。最近、塩系を選ぶことが少し増えているような気がするのですが、塩好きな方の気持ちに少し触れたような気もいたします。


 和な雰囲気がするスープ感は、魚介の中でも節系のニュアンスがしっとりとしているからでありましょう。この節系の旨味が鶏コクのあっさりさと非常に良いバランス感覚であります。上品な一杯を食いたいと思うことあれば、ここを推奨いたしたい気分であります。





<滋味な味わいに昆布・椎茸の旨さも前に出て旨し>


 一言で言うなら、「滋味深い」味わいなのかもしれません。鶏と節の他に、昆布とか椎茸の旨味がストレートに感じるようにも思えます。ご飯としては物足りないと思うかも。そういう場合は、炊き込み御飯がオススメのようです。そう・・・・このスープ感の相性なら、決してチャーハンではなく「炊き込み御飯」です。また、冷製というメニューもレギュラーであるよですが、さらさらっと食いたいという感覚には最高に合うと思えます。このスープ感なら、もう少し人気店になってもおかしくないと思うのだが・・・。でも、それはそれで、個人的には遠くに行ってしまいそうで寂しくもあるが。










【麺:しなやかさと歯ごたえの融合!崇高な感じがしてナイスな麺】


<軽くクツリクツリと小気味好い歯応えが、土地柄にも合いそう>


 優しいけれども、筋が通っている。そんな食感が、なんとなく神楽坂という土地に合っているように思うのは気のせいでしょうか。白っぽい小麦色がとても上品でありつつ、日常性も感じさせるという感覚です。上品というのは、コツコツ、クツリクツリと感じさせる前歯での食感。こいつが非常に小気味良く、リズミカルに思えてくる。その一方で、芯のあるような強情さは一切なくて、しなやかな風合いであります。か弱そうで芯の強さを感じる風合いが粋とも思えます。兎に角、寿司や小料理屋やイタリアンなど世界の旨いものが多いエリアで、さくっと旨い〆のラーメンというものには、こういう多少加水が低めでキリリとした麺が似合うと思えます。そういった麺のキャラクターに、神楽坂という土地柄での相性を、何となく重ね合わせてしまいます。






<細目で丹精なしなやかさが、淡くもするすると駆け抜けるスベリ感覚>


 スベリが丹精な麺独特のしなやかさを感じさせます。この麺は、いつものように大衆系で食っているような、ズボボボボボボーっと勢い良く音を立てて食いたくない。静かに、ずずっと言う程度の音で食いたい気分にさせます。淡麗なスープには、淡麗なスベリ感のある麺。そんな相性をどことなく感じる。なかなか私の好みにも合いそうです。ちなみに、こちらは、大盛り同一価格のような記憶。飲んでいなかったら当然大盛りであります。






【具:なかなか皮の部分が恍惚に思えるプルプル感です】


<皮部分が最高にとろりとして、醤油ダレの香ばしさが粋と感じるエッジング


 薄らとした一枚の豚バラ肉は、中々手が混んでいて存在感あります。スープのフィーリングに反して醤油味が深く深く染み込んで皮表面がまるでガーネット色のように黒く光り輝く色合い。しかし中は自然な白めの肉色でして、その対立図式がどこかしら古風とも思えます。脂肪と肉質のシンプルな断面も計算したような感じです。


 ここで深く旨しと思えたのは、外周部分。皮を敢えて削ぎ落としていないのか?本当の皮下脂肪がプルプル揺れて、そして舌の上で溶け込むような感覚。その脂部分には、醤油ダレの深い味わいが染み込んでいて、それとともに旨味が放出されるという感覚になります。大人なチャーシューと言えまして、これなら日本酒でやりたいという気分にさせます。






<薬味が一通り楽しめる愉快さ>


 こちらは、薬味が木箱の引き出しになっていて、ちょと面白い。右から「伊達の旨塩」「黒胡椒」「七味」「一味」となっている。そして、着丼前に、「すだちの搾り汁」を配置されます。後半に少しずつ投入してください。とのこと。


 このうち今回は、「すだち」のみをトライしましたが、なかなか、酸味というより華やかさが増した変化がしていい感じになる。もっとも、デフォルトの状態でも私は大満足なのですが。












 総じまして、「たまに寄りたい隠れ家的良店」と言えましょう!個人的にはもっと評価があっても良いと思いますが、評価が上がり過ぎて隠れ家にならなかったりしても困るので、痛し痒しな思いです。


 最近、ますます時間が取れなくなりまして、こういう神楽坂で飲みたいと思うけど、そういう身銭を切れるような時間もお金も身分でもない。だけど、この店ならちょこっと寄って啜って帰るのもいい感じかもしれません。駅から近いの都合がいいし! あ!!でも実は夏頃に勤務地が変更になるのだった(泣)。御茶ノ水〜代々木あたりのアクセスが辛くなるので・・・ちょっとつらいな。でも、今のうちにできるだけこの界隈で食っておきたいと思う次第です。なので詠います!



   しっとりと
   夜に落ち着く
   神楽坂


   落ち着く一杯
   真心添えて



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にご馳走様でした!!!







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