ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1485】 井田商店 (東京・荏原中延) 特醤油ラーメン 〜濃口醤油に男のやさしさを感じる・・・ネオクラシカルな一杯

 嗚呼、こんなに天気が良いのに休日出勤とは、今年度の先も思いやられます。うまくいかない時ってのは、重なるものでして、自分が悪いというより人のためにやっていることを、なぜか怒られたりしてしまうこともありました。なんだか、どんどんポンコツなオレになってしまいそうで、やってられね〜・・・。でも切れるといいことなさそうなので、じっと我慢のこの一年となりましょう。嗚呼、GW早く来い!(出勤したりして:泣)






 ・・・・などと考えながら、早朝から休日出勤して午前で上がるつもりが、結局ガッツリと一日仕事してしまいました。しかも、昼飯抜きでぶっ通しですぜ。気が擦り切れて空腹感すら忘れる。そんな状況そのものに、なぜか無性に腹が立ちまして、とある駅中のバルでハイボールを一杯だけキューーーーーッ!とやることにいたします。すると空きっ腹に酔いが回りまして、鈍い頭痛を覚えますがな・・・。やはり腹に何か入れておこうと思い立ちまして、酔った頭で考え選び出した店が、ここ「井田商店」さんです。前から気にはなっていたのだが、休日じゃなかったら行けそうもなかったしね。





 さて、荏原中延駅に降り立ち、とぼとぼと歩き出す。翌日?の「仕込中」の真っ最中の「多賀野」の前の前を通り過ぎ、井田商店の濃紺の垂れ幕と、赤い暖簾が目に飛び込みますが、定番のノスタルジーな感じでオッサンとしては、居心地が良さそう。入店すると、券売機という無機質な物体もなく、メニューを告げるという基本動作必定のスタイルがなぜか久しく感じます。


  



 店内のどこか微睡んだ雰囲気がええ感じ。FM J−WAVEがBGM。番組MCで年齢不詳のクリス・ペブラーのええ声が響き渡る店内。すこし暗がりな暖色蛍光灯が落ち着く雰囲気を醸し出します。昔懐かしい・・・・TALKING HEADS の話題などに耳を傾け、ええ気分に浸っていたらいきなり着丼。ラオタスイッチへと切り替わる瞬間を迎えました。おお、中々の面構え!適当に撮影メモを終え、とにかく空腹感MAXでスープを啜って胃にんが仕込むと、実に染み入る感が伝わって少しばかり震える思いです。私は、心の中で叫ぶしかない。



 うお!これはまた濃厚な醤油感!されどどこまでもどこまでも啜り倒せるスムース感!塩気の中に甘コクゆらぐ!旨し!







【スープ:濃口醤油と芳醇な豚コクが濃くもスルスルグビグビと一気に飲み干させる上質感】


濃口醤油でキッパリとしたカエシの味わい!そしてしっとりとした甘味!>


 配膳の瞬間の麺顔とのご対面、少々小ぶりに感じる丼でありますが、非常に重厚感を感じます。特製ならではの具の賑やかさがあるためですが、それ以上にスープに濃厚な醤油色にどこか重量感を連想します。なかなか内容の詰まった面構えであります。


 そしてそのスープの味わいですが、なかなかじっとりとした濃い口醤油の味わいが、ギリリといたします。さっぱり醤油のような軽やかさとは対照的に、醤油ダレのアピール度合いがとても積極的です。それなりに、カエシの主張がある塩分。されど塩っぱいという風には受け取れず、甘いコク味がじっとりと広がります。これは豚コクにも通じるものもがありますね〜。醤油ダレに魚介感は、ほとんど感じず、あったとしても醤油のエッジングの陰に隠れたというほどかと思われます。


 全体的に冒頭から、しっかりとした味で楽しませてくれるタイプ。塩分とマイルド甘コクのバランスで、濃ゆいけど喉の乾きをそれほど感じないという逸品であります。






<豚コクの豊かな煮出し感覚に食べ応えを感じる>


 全体的には、豚コクが非常によく効いていると感じます。しかしながら、豚骨醤油のようなギトギト感とはかけ離れています。昔ながらの中華そばにコラーゲンとかラード感が強く響いているという感じと思ってしまう。多少の濁りの揺らめき、それによる細かい油の輪煌めく。そんな風貌が旨さを演出しています。


 よくよく見てみると、丼の壁との接点にやや透明な油の層がある。ほのかにクリアーなラードがスープ表層を覆っているようです。それがレンゲで掬うとか、麺を啜る度に撹拌されて、濁りへと溶け込み、やがて麺の粉風合いもスープに溶け込む。食べ進めると、強さの中にしっとりさが段階的に引き立つ微妙な感じが実に嬉しくも旨しな感想であります。 何となく全体的に、男気のある店内の雰囲気をそのまま移したような、男気のやさしさをこのギリリとした醤油スープに、印象を重ね合わせてひたすら食い進めた次第であります。







【麺:クッシリ感で最初から最後まで楽しませてくれる弱縮れ麺】


<加水低めで弱縮れな細麺が少しノスタルジック>


 ひさしぶりに、クッシリな細麺を食った感じで楽しい。全体的にストレートなのですが、弱い捩れとも縮れともつかないウェーブがかったフォルムが、とても印象的です。そして、濃口醤油に染まった感じで、全体的に飴色に輝く姿が、見ていて食欲を一段とそそります。


 歯応えが気持ちよい!低加水というほどでもないが、ほのかに加水はいつも食っている麺よりも低めかと感じます。前歯を当てるその瞬間は、クシクシっとしたテンピュール感を感じて、切り口を覗き込むとそこには、芯が明確に存在する。だけどもパキパキとした感じはなくて、しなやかさある腰つきも持ち合わせる。


 奥歯で束になってすり潰す段階では、クッシリと感じる。ここで粉の風合いが微妙に鼻孔を駆け抜けますが、これがまた高い品質感を感じます。この麺の風合いが醤油ダレの味わいと結合して、とても旨い。大盛り100円とのことだが、これは頼んでおくべきであったかもとプチ後悔をいたします。






<ラード感を仄かに感じるスベリ心地>


 意外に汁を吸い込まない。スープはラード感あるもののそれほどヘビーではない。しかし、そのラードをくぐり抜けて微妙にコーティングを施したような地肌です。よって、多少の抵抗感あるかと思ったけれども、そこそこなスベリ感。そして、その弱い縮れ感が、啜りの過程で内頬と舌に心地よいタッチ感があって実に楽しい啜りであります。







【具:大いなるオーディナリーさを感じる上質感溢れるチャーシューと味玉】


<歯応えと柔らかさの両立するロース肉の質感がいい!>


 どちらかと言えば、オーソドックスなチャーシューかもしれません。肩ロースと推察するスライス肉がとても安心感をあたえる大きさと色合いです。レアではないが、しっかりとしたピンク色が実に旨そう。スープを透かして見ると繊維のスキマに味が入り込むのがよく分かります。ホロホロと崩れるようなバラ肉チャーシューがもてはやされ気味ですが、定番なるしっかりとした歯応えの本来の肉味が楽しめます。そしてその肉味は、割としっかりとした歯応えでより強く体感できるし、実はしっかりとした歯応えの中に、上質な柔らかさも持ち合わせているような感覚を覚えます。固さと柔らかさの両立といいましょうか・・・。特製で4枚というボリューム感も嬉しい。






<味玉の黄身のマイルドさが醤油スープで一層コク豊か!>


 味玉のセンスも絶妙といえましょう。深くもなく、浅くもない程よいタレの染み込み具合です。そして白身はもとより黄身のまったりとした味わいが絶品であります。特に黄身の仕上がり具合がよくて、全体的に均一的なジェル加減が良いと感じます。黄身本来の濃ゆいコクが、濃口醤油と混じるところが、一段と旨さの広がりを感じ、ジェルっぽい体質が舌にヌペっと貼り付くように広がるところが、実に旨しなのです。





 ちなみに、メンマは細く染み込み具合を感じるタイプですが、見た目以上に塩気はなく、歯応えもシャクリと気持ちよく千切れて旨し。海苔は微妙に肉薄なタイプですが、風合いもそこそこ旨し。また、定番でありながら、久しぶりのメンマを眺めてどこか心がほっこりとしますね〜。




 総じまして、濃口醤油に男のやさしさを感じる・・・ネオクラシカルな一杯」という感想かな? いやはや、この味をこれまで後回しにペンディングしていたことを思わず反省してしまう旨さであります。


 それにしても、久しぶりに、ラーメン屋らしい雰囲気で、ラーメンらしい男気を感じさせていただいて、一日の終わりに充実した次気分であります。松田優作原田芳雄、ボクシンググローブのデッサン等、店主のセンスに深く親しみを感じますな。やや暗い店内に安らぎも覚えますし。これは再訪確実であります。荏原中延・・・・、「多賀野」と「つるん」とどこ行くか悩ましいエリアです。なので詠います!



   ヘトヘトな
   気分で下車する
   下町の


   男気溢れる
   質実醤油



 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!








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