組織の中で生きるとは、呑みこんでぐっと辛抱することも必要であると改めて思いますな。完璧に梯子を外されたような事態に遭遇しまして、責任丸かぶりで罵倒叱咤という状況。しかも、直属の上司が同じように私をアホ扱いですから。説明しても、そんなの仕方ねーですからね。絵に描いたようなフルボッコでありました。しかも、尻まくりすら許さんという強硬姿勢ですので、久しぶりに声が大きくなりましたよ。イライラ最高潮の夜でございました。
こういう時って、電車の窓に映る自分自身も情けないような面構えをしているもんだね。そんなとき、いつも心を静めるために思い出すのは、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」だ・・・・。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル ・・・・
この中で「決シテ瞋ラズ、イツモシヅカニワラツテイル」が今に当てはまるのだけど、この先にあるこのフレーズも好きだ。
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
人間としては理想ですし目指したいものです。今の私では、これを思い出して心を静めることに相当苦心している。まだまだ発展途上の未熟な人間であります・・・・。
・・・などと考えながらも、山手線の神田で途中下車。「雨ニモマケズ」を唱えてみても心がどうもしっくりと静まらず。出来る事なら「雨に歌えば」な気分。そうだ、ラーメン食って詠おう!そんなわけで元気補給気分で「俺のあぶらそば select 神田支店給油所」にピットインなのであります。
入店時先客ゼロ。お若い店主がなにやらセッセと仕込やら作業に没頭でして、丁寧でやさしい対応で、心が少し落ち着く思い。巷で有名なビールという、心を落ち着けるドリンクを頂きながら、その日半日の出来事を反芻します。また眉間にシワが戻りそうなとこでタイミングよく「青ネギと玉ねぎ、お苦手ではありませんか?」と、すーっと隙間に入り込んできそうな優しい応対に現実に戻ります。「よろしく」と短く伝え、いかんいかん、目の前の難題の前に、まず目の前の油そばに集中すべきと気合を入れ直しです。そんな気合混じりで食った油そばだが、なかなか予測よりは質実な出来でして、良かった良かった(笑)。私は、また心の中で今日も叫びます。
めさめさ旨いがな!!程よいオイリー感覚と醤油の基本系がしっかりしている!そして、仄かなニンニク系の香り!!旨し!!
【タレ:ありふれ系なクリア醤油なれど、基本が実にしっかりしていると感じ入る】
<さらさら過ぎない油感覚に、醤油の程よい甘味感覚がナイス>
さて配膳ですが、「撮影用?」と思うほどナチュラルに整っているのに戸惑ったりいたします。何せ「俺」「あぶら」「神田」「給油所」などのキーワードがてんこ盛りな店名でしたし、てっきりパンチ系のギトギトか、ボリューム一本勝負の店かと先入観ありました。こうやってネギも青ねぎ・玉ねぎ微塵なと奇麗に区分けされて、カイエンふりかけなどあしらわれていて、チャーシューも並列的に整っている。中々、センスがいいかもとオヤジ心に気を許したりいたします。
と思って改めてタレの味わいを感じてみるが、確かにバランスがいい。この手のタレ系って、あっさり醤油で薬味で「どうぞご自由に!」という半放置プレイ前提のもよくあります。また、基本的に、背脂投入前提で、その上プラスでいくらニンニクを投入するかの前提もあったりする。後半の例は別世界かもだが、いやいやどうして、醤油ダレの味わいが割とキッパリとしているのに、濃ゆくない。そして、油は、植物系のようなサラサラまでとはいかないが、軽やかさがある一方、撹拌していくとやや白濁して適度にコクがプラスされるような円やかさも広がる。塩気と粘度のバランスにとても気を使っていることが伺えるかもしれませんな。
<ほんのり程度のニンニク感! パンチ系とは一線画する余裕感がナイス>
しかし、もう一点気になったのは、「軽いニンニク風味」であります。これ、本当に絶妙なバランス感覚と思えてなりません。ニンニクのジリジリとくる辛さは皆無。しかし、そこそこ、ほんのり程度にはニンニクを感じて、それが醤油のカエシのエッジと絶妙に結びつく味わいなのであります。妙にクセになる系。しかし、濃ゆくない。そいうところが、一般にニンニクパンチでいわす型とは一線を画する「余裕」というものも感じたりもします。
この味わいに、ビールは合うね。中瓶ビール450円は、ここ神田のラー店ではちょいとリーズナブルな感じもしませんか? しかも、プレモルもいいけど、普通のモルツというのも実は名作かもしれないかもと、思えてしまいました。キンキンに冷えたグラスも気持ちよかったし、このガード下では入りやすさもあって、ちょくちょく止まり木したいかも。
【麺:細すぎず・・・・太すぎず・・・・ツルツルほどほどで、しっかりとした噛心地】
<細過ぎず、ゴワゴワせず、所作が中々良い噛み心地なのだ>
麺顔・醤油タレ、と無難にこなしてきた一品ですが、実は「麺」がいい感じです。この手の油そばは、細麺〜標準麺でさらっと食わせるか、太麺のモッチリ系でボリューム持たせてワシワシと楽しませる傾向が多い中で、適度な固さとツルツルさで勝負に出たという感じがします。細麺では頼りない系にも配慮して、中太い系な麺。ワシワシとたのしませ過ぎないように、やや弱めの縮れと捩れで演出。そしてモチモチ度合いは一時控えて、ややカタメのテンピュール感でクニリと食わせる。
要するに、つけ麺のようなクッシリ感まではいかないものの、定期度な粉の密度感というものと、麺の風味というものを同時に感じることができよう、という麺スタイル。噛み心地が意外に快感な「定番醤油ダレ系油そば」と言えましょう。
<ぬめりが少ない凛とした高速すべり!何気に食べやすい>
スベリも良い!油そばでは当たり前なエッセンスと承知して、敢えて言いたいかも。ややザラザラした表面の感覚は覚えますが、基本的に表面はコーティングしたかのご時のツルツルが印象的です。しかも、醤油タレの浸透もいささか早めであり、光沢感もそそります。卵黄無くして、タレとの絡みの一本勝負している麺としては、中々の出来映えでは?
【具:よくある油そば3兄弟の「肉・ネギ・メンマ」なれど・・・どこかキレイ】
<なかなか綺麗な関東ローム層のようなバラ肉>
バラ肉スライス・三枚が均等に並べられているのが、すごく印象が良い。しかも、肉の脂と赤身の部分のストライプ感がキッパリとしていて、それでもって、醤油ダレの浸透も深い。そして柔らかくて、ちょいと脂に甘みを感じる。日本酒か、焼酎が欲しくなるところだが、ここはモルツで勝負。肉とアルコール、そして炭水化物。メタボな素性物でありあすが、切れない仲でありましょう。
<ありふれたメンマがなぜか綺麗に決まっている>
ありふれたメンマです。しかし、テレビに出る前のメイクを施したかのような・・・余裕の日常テイストを醸し出すいい眼の「映り」を感じます。おそらく、醤油ダレに深く漬け込まれているものの、浅めのタレで時間をかけ丁寧に浸透させてたメンマかもしれん。そう考えると実にありがたく味わうことができます。実際に、醤油タレと辣油&お酢とのバランスは最高でしたし!何気にメンマも捨てがたし。
また「青ねぎ」「玉ねぎ微塵」は、ネギ嫌いな方ように事前にご店主が投入確認をされますので、苦手な方はご心配無用。気軽に、どなたでも、会社帰りでも、むしゃくしゃした一人の夜でも、立ち寄れるのでは無かろうか。
総じまして「これは時間ない時にちょい寄りで油そば!」という感じでいい穴場かもしれませんな。どうしても「ほうきぼし+」に目が粋がちですが(特にまぜそば狙いなら)、私の行くときは大抵混んでいるため機会損失が多かったのよ。これで神田で汁なし難民にならずに済むな。
一杯を食ってとても気分が良く、瓶ビールも丁度空いたところで退店。「また来ますね」と自然と声が出た。すこしインターバルあろうとも、再訪は必須だな。などと考えていたら、なんとなく明日への力というか、種火の程度が「ポッ!」と点いたような感覚。さあ、明日も早く出勤してやるだけやるか!ということで、なので詠います!
イライラと
気分高まり
憂さ晴らし
俺流通すぜ
腹は座った
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!

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