「エレベーター・トーク」って苦手中の苦手。ハッキリ言って口べたな私が、度肝抜くVIPを待ち構えて、10分以内の超短い時間で、とっても難しく不利な・・・・リスクを取る話を理解してもらって、承認を得る。ダレもやりたがらない仕事をやるハメになりましたが、引き継いだきっかけは、何だかドロドロしたものを感じましたぜ。私は、これに詳しいはずはなく、ハメラレタと感じておりました。
例えば、日本の財界人の中でも有名なる人であれば、話をするのも当然そんな10分足らずの限られた時間であるはず。更に例えるなら・・・孫正義氏や、カルロス・ゴーン氏のアポ取りには、10分も取れないはずなのであります。そんな中・・・・・、どうしても会うしかないのなら、きっと朝駆けなど当たり前なのでありまして、必死な思いがあれば皆やっているはず。ビジネスにはそんな状況と出来事も必要である。そう考え直すと私も腹をくくって対応するしかなさそうです。「エレベーター・トーク」・・・・VIPに偶然遭遇するのを装って、その短い間に効果的に自分の意志を伝えて、相手と合意形成を果たす。そんなミッションに、ビビっている暇もないと感じるこのごろであります・・・・。
・・・・などと考えながらも、通常では考えない状況で何やら自分自身が、いつもより興奮していることを自覚します。そして腹が減ってガス欠状態で体が震え出す。また、何かいつもとは違う特別なものを食いたいような気分になる。こんな夜は、しみじみとした大衆中華系な・・・東京醤油ラーメンでは、治まりがつかないのだわ!どこかエキストリームな一杯を食って気を鎮めたい。しかも、遠征はしたくない。という訳で、うだうだと東京駅から中央線にのって最寄りの駅に向かいながら・・・・考え導き出したのが、こちら「五ノ神製作所」さん。ここで油そばが提供されていたことは、見逃しておりました。
訪問時、先客は女性コンビ客と、サラリーマン2名程度の寂しくもない空いたような雰囲気。みなさん、こちらのお店の趣向を理解した方ばかりのよう。大変見栄えがよろしい麺顔を配膳されても、そう驚嘆することもなく、しずしずとそのインパクトあるお味を楽しんでおられます。私もその一員に入れてもらってしばし待つこと・・・10分後。それが供される。おお・・・以前食った汁系と共通した華やかな麺顔は流石であります。一通り撮影を終えて、しずしずと味わい出しますが・・・やはりいつもとは違います。私は味わいながら心の中で叫びます・・・・。
うわ〜!めさめさ、旨いがな!濃厚海老のエキストリームという言葉だけで語り尽くせない独自世界観がありまっせ!!いやはや旨し!!!
【タレ:濃厚海老系の中では最右翼な香ばしさ!唯一無二な「甲羅エキス」を感じさせる問題作】
<甲殻類のフェチ度を感じるまでの濃厚な香ばしさは比類なき哉>
それにしても・・・いつもながら遠慮がない!という感じの濃厚な甲殻類独特の香ばしさであります。海のエキス感が香ばしいと感じるのは甲殻類特有というか特権というべきか・・・。出汁を煮詰めただけでなく、細かくすり潰して、絞りきったかのような濃厚さであります。それがまた、醤油ダレに交じり合って・・・観念的にタレが海老茶に見えたように感じさせる。それほど、存在感のあるこちらの「海老系の出汁」が、油そばになってもよく表現されております。この濃厚度合が、もし煮干しだったら「極ニボ!」などと賞せられて人気がうなぎ上りにもなりましょうが、極海老!というのは他にチャレンジャーがあまりおらん、なので、この味を完成した時点で、既に唯一無二と思える。そんな完成度を感じさせるタレ。さてさて、これは万人ウケするのかというと、そうでもなさそうだが・・・・。
つまり「フェチ」なのだわ・・・・。ド変態な私にはまさにピッタリ! (´・Д・)」 そして、そんなアウトローさが好きで、またここにやってきたのかもしれませんな・・・。
さて、汁系でこちらの一杯を啜ったのはいつのころか・・・・。それでも、毎日は食えんなと思える濃厚さがとても鮮烈。今回の油そばは、その毎日は食えないわというくどさが、とても身近な親近感ある仕上げと感じました。この海老香ばしさは油そばにはすごくマッチするというのは、今回の訪問の収穫ですかな。ここで普通なら辣油とか酢をいれたくなるのが、油そばの人情というものだが、それをさえてれないのがこちらの流儀。備え付けられたテーブルセットは、一味パウダーとカレーパウダーだったりする。もやは、油そば風の海老料理を食っている気分にすらなる。まあ、海老が好きという方は多かろう。でも甲羅の香ばしさが好きというのは、そうもおるまい。おるなら・・・是非この油そばを食していただきたい。ラーメン類としてではなく、海老料理として(笑)。
<僅かばかりで仄かな醤油感を蹴散らす・・・クリームチーズ!>
しかし、今回の驚きは海老度のフェチ度ではなかった。むしろ対極的ともいえる、クリームチーズ!海老だらけのタレにあって、食べ進めると仄かに・・・醤油ダレのエッジングを感じるのだが、ここにクリームチーズを投入するなど思いもよらない。もし、海老度の濃厚さがあまりにもだったら、後半はカレーパウダーでガッツリ胃袋に落としこもうと企んでいた。だが、店員さんが、後半にこちらを試してくださいと、別皿でクリームチーズを供してくれるものだから、試さない手はなかったのだ・・・・。
そもそも、店員さんが厨房内の冷蔵庫から、しろいタッパーを取り出して、それをアイスクリームデッシャーで丸く掬い取りお椀に乗せた時点で、それは誰かさんのデザートだと思うのが普通だ。次にその上にブラックペッパーをゴリゴリしたのだが、その時点でもちょっとスパイシーなデザートとしか思えん。それが、そのまま私の配膳に並ぶのだから・・・油そば本体より、そっちが気になるではないか。
・・・などと考えてはビビッて食し続けたのだが、カレーパウダーにクリームチーズは合わんでしょ・・・。どちらか選択なので、ものは試しと後半クリームチーズを投入。茶褐色の麺と具に。真っ白な固いネバネバが、とろけるようなとろけないような・・・感じで不自然に交じり合う(笑)。そして食う!・・・・・・。うーん・・・・マッタリ度合が増す!?というか、濃厚海老エキスの香ばしすぎる度合の角が取れた感じは確かにする。しかし、ボディ感がさらに濃厚になる感覚(笑)。クリームチーズの塩気もほどほど。
いややは・・・・クリームチーズも悪くない!だが、まったり度合を増すなら、卵黄でも良かったのかもしれない。またコスト的には、バジルソースでも良かったのかも・でも・・・そんなどこにでもある方程式は、この店には似合わない。やはり、クリームチーズを食った方が、嗚呼、五ノ神製作所にきた!っていう充実感があると言えばある! これで良かったのだと思う・・・・。
【麺:個性が強いタレに負けない懐の深さか、海老のみならず乳製品にも負けない実力度がよいね〜】
<すでに海老ソースが染み込んだかのような褐色の中太麺!>
タレが濃厚なのですでに味噌ダレが混じったのではと思えるほどの、麺の地肌にはりつくペタペタ間。それが褐色に輝き、実に旨そうですし・・・・。この時点で来てよかった感がありますもん。
アメリケーネ・ソースが混じったようなお子ちゃまなタレではない。この妙な大人ぶった海老タレを上手く受け止めるのが、この中太麺でありまして・・・・役者としては大合格ですよ。つけ麺でもなかなか性能を発揮しそうな、質実な仕上がり。多加水系とは一線を画する、カツカツとした歯あたりと、ヌチヌチっとした奥歯の潰し感覚。麺の密度感もあり、そこそこクッシリとして食えるところが、汁なしやつけ麺系では実力麺として認められましょう!
<白亜のクリームチーズがとろける・・・独特な滑り感覚>
さて・・・・ここがスベリにおいても語るべきところですな。固く溶けにくいバターに似ているようで、粘り度合があるのがクリームチーズなので、心配するほどダマになって交じり合いにくいというところは少ないです。むしろ熱で溶けるのが円やかというべきか。白と茶色が不完全に交じり合うところが、ウルトラQであります。
などと完全に交じり合うのも待てずに、一気にすすりこむ!なるほど・・・・麺のスベリに粘りを感じるね(笑)。これもありか?単に気持ち良く淡麗に滑るのが最高と思い込んでは人生損する思いかもですぞ。まるで固く粘りすぎるジェラートのごときな表情のクリームチーズを麺に張り付かせてズボボボボボーと食えるのがこれまた唯一無二の楽しみかもしれません。
【具:隙なしというレベルではない、一品料理クラスのハイレベル!その他演出も豊かなり!】
<グリルドポークとでも呼びたし・・・ゴロゴロチャーシュー>
敢えて言いましょう!具は完璧であります、この一杯!その中で最初は豚肉から触れておきましょう。ばら肉部分をかなり厚く切り出した一枚肉。それを大胆にごろごろっとした形状で多少ワイルドで大き目切り刻んであります。その肉片はというと・・・・赤身主体であったり、80%が脂身であったりまちまちなのですが、それぞれが微妙な肉と脂の配合で旨し! 」
その仕上げ方が、まるでグリルドポークのようでありまして、塩味主体でカリッとした部分もあり、ジューシーなエキス部分もあった理で食っていて正直楽しい。それに具とかトッピングという扱いはもったいないと思える、完成度もありなむと・・・・。この肉が最初から頭にあったのなら・・・・、迷わず今宵は「ハートランドビール」の券売機ボタンを押しておりましたよ! 柔らかさ、表面の弱いカリカリ感。そして締った肉の旨さと、脂身のとろけるコラーゲンがどれも舌にまとわりつくような旨みで、泣きそうなくらい上手く思える。
<系列を感じるアイデンティティ・・・三角肉厚メンマ>
わざわざ源流を訪ねて青梅までクルマを飛ばしたっけ・・・・。その時であった三角形のメンマを懐かしく思う。あのころは、また別のプロジェクトで死んでいた・・・・。そんな遥か昔ではなかったけど、しんどいときに食った旨い一杯は印象に残る。そのメンマが今この目の前にある・・・。一人よがりで泣いてしまうけど、何気ない三角メンマでありましょうが、不通のようで、分厚いシャリシャリ感としっとり感が共存する歯応え。味付け浅目で素材の味感がたかまって旨し。酸味や醤油っ気もなく、ナチュラルなメンマの旨みってやつを堪能できるかも・・・。
<彩りだけでない高品質な温野菜>
紫キャベツがこんもりとトップの位置に存在するだけで、何か特別感を感じてしまう。だけど、食うとそれだけの価値はあったと感じる。家系でもどこでもよくあるキャベツの温野菜トッピング。されど、温野菜なのにシャキ度をまだ失っていなくて、適度なフレッシュ感ある甘味を放出する・・・。単なる箸休めとしてとらまえていては、もったいないかもですよ!分量的にも、歯ごたえ的にも、味わい的にも、満点を差し上げよう!だから・・・もっとくれ!
<その他細かい薬味も文句無し>
さて、すべてにおいて手抜かりがなかったこの一杯。薬味の隅々までそんな感じです。フライドオニオンクラッシュ!大抵、この香ばしさが味の後半メインだったりするけど、今回は黒子に徹した感覚か・・・。時折奥歯で噛みつぶすクランチ状のフライドオニオンの香ばしさが嬉しい。分量もそこそこ遠慮なく入っていると思えて心意気を感じる。そして、陰に隠れて見えないが、青ネギもなかなか良かった。よくある資本系の取り放題のネギとは全くべつもの。輪っかの内側に甘味すら感じるフレッシュさがまだキープされていたとは・・微かに覚えているが・・・・真実を確かめていない。
総じまして、「これは他に比類なき独自世界な・・・油そば」なりと申せましょう。油そばに限らず、このブランドのポジショニングは独特でして、好きか嫌いかハッキリと分かれる。思うのはそんな万人受けせずに突き進んでいるところに、ハイセンス感を感じますな。価格的にもリーズナブルですし、これは定点観察をせねばなるまいと思えます。
しかし・・・・これほど、独自の世界を突き進んで仕事ができれば気持ちよいだろうな・・・。ひとと違うことをするっては、それなりにしんどいかと思うけど、突き抜ける感覚はどこか見習うというより羨ましくも思えるしね。同じことをきっちりと遂行するより、多少荒削りでも変わったことをして新しい世界を創っていくほうが、感動するのだよ、今の心境としては・・・・。なので詠います!
海老香る
滲むエキスの
染み渡る
もはや枠なし
甲羅も脱ぎ捨て
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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