ラーメン食べて詠います

ご訪問いただきありがとうございます。仕事の合間や、休日余暇を利用してラーメン探訪をつづけております。ラーメン食べて感じる、小さな喜びやストレス解放を、最後に詠って締めくくりますー。

【今週のラーメン1401】 らーめん文蔵 (東京・三鷹) 得らーめん

 小学生の息子に、年の離れた友達ができた。知ったのは少し前だったのですが、かれこれ知り合って1年半くらい経つとのこと。
 何で私が知ることになったのかというと、息子が唐突に「定年退職って何?」と質問してきたから。よくよく事情を聞くと、どうもそのお友達自身が12月末日で定年退職らしい。なんだそういうことかと、ちゃんと「定年退職」の意味を教えてやりました。すると息子は、血相を変えて自分の部屋に戻っていきます。少し心配で様子を見に彼の部屋を覗き込むと、何やら絵手紙を描いていました。久しぶりの集中力。親としては驚きを隠せないが、分からないように、そーっとしておきました。
 

 しばらくして、彼がリビングに戻って来て、私は何気に訪ねます。
「何を描いたの?」
「え!?・・・ひみつ!」
「何だよ、さっき意味教えてあげたじゃん」
「いいの!お父さんには、関係ないの!」


 ちょっと寂しい父親の心境。実はあとでお母さんにだけは、そっと絵のことを教えたそうだ。そこで、お父さんにも見せてあげようよということになり、見せてもらったのが、「関東バスの絵」。お友達と一年と半年間、一緒に通い続けた思い出の関東バス。終点の三鷹駅までの短い時間で、その友人達は、毎朝何を語り合ったのだろう・・・。


 さて、二学期の終業式の朝。どうなったかというと、いつものように知り合ったバス停で、ちゃんとその友達に手渡せたようす。何より、何より。
 親としては、感謝の気持ちと安堵の気持ち。そして同じサラリーマンとしては、最後の朝の暖かい贈り物に、すごく羨ましいものを感じる。


  








 ・・・などとしみじみと考えながら、青空の下にある三鷹駅を見上げた。そしてその思いを大切にしまい込んで、お年始の挨拶がてらいつもの三鷹駅南口を突き進み・・・「中華そば みたか」さんへと歩を進めます。しかし、良い気分は続かない。営業は七日の火曜日からだとの張り紙に泣く。まあ仕方なし、年始に格好つかねーな・・・・と思いつつ、行列覚悟で正午というピーク時に「文蔵」さんへ切り返します。

  



 ところが、いつも文蔵の店の前に遠くから視認できる行列が見当たらない。あーーーここも年始休業かと思いきや、なんと「営業中」!まさに拾う神でありまして、今回もいつもの一杯!「らーめん文蔵」とくれば・・・・「得らーめん」! いや〜、その思い出と同じくその味わいはやはり染み入ります。私は心の中で叫びます。



 もはやトレードマークのような定番さと落ち着き!旨し!







【スープ:何となく・・・大勝軒から少々ざらついた豚魚の加減が、むしろ高級感感じるね・・・・】


 今更ながら感じる・・・サラっと系な大勝軒風の豚魚感。グビグビとスープを飲み干しても不安を与えない質実な味わいと丁寧な作り込みが、相変わらず良いですね〜。豚魚のパンチとか、醤油タレの風合いの甘さと塩気のバランス良く、甘みとも塩気とも付かない「旨味」がダイレクトに味蕾に染み渡ります。そして魚介の香ばしさを引き連れて来るのは粉感でして、微妙なざらつきがまたこちらのスープの特徴と感じています。スープの舌触りで「文蔵のスープ!」と脳裏で感じるところがあまして・・・そういうところが、トレードマークのような安定感を与えます。



 特に・・・上振れというやつか・・・・、妙に今回のスープは旨味を感じますが、私の体調がそう思わせるのか? イワシの甘さが特に良いです。そして濃厚な節系のようなエキス感も平行して感じられ・・・・豚の煮出しを旨くコーティングしているかのように感じ入りました。そうそう・・・豚エキスがしっかりしているのに、さらっとしているのがとてもいいのね・・・・。再認識いたしましたわ(笑)。









【麺:ぷりぷり感の中に、ちょろっとシルキーさを感じる繊細さがナイス!】


 このプリプリ感も非常に滑らかですな・・・・。中太麺でストレート系ですが、ややハンドメイドを感じさせるゴツゴツ感がいい感じです。捩れのあるかないかの微妙さが、同じストレート麺でもスベリ感のたおやかさを感じさせてグッドですやん。あかん・・・・、今日は何を食っても旨いと感じてしまう(笑)。


 基本的に、加水が低くてパツパツした麺が好きな自分でありますが、ここ数年は、こういう分かりやすいモチモチ麺がとても気楽であり、等身大の親しみを覚えるのです。モチモチっとした中にも、抑え気味なクッシリ感があるようにも感じて、麺の密度感も忘れさせない。前歯で千切るその感覚もプツリ&スパスパっと小気味良い。奥歯の潰しにおいてもクニリと淡い抵抗感の後に感じさせる潰れ込みがしっかりとしているようにも感じてしまう。大量生産にはない、質実さがここにはきっちりとある。そんな感じが、私を通わせる由縁でしょうな(笑)。








【具:多少カスった肉がスポンジのようで旨し!味玉は・・・流石の染み込み具合と風合い】


 得らーめんにすると、2枚チャーシューが追加されるのですが、ここのチャーシューも中々良い。大勝軒系でよく感じるスポンジ系な柔らかさがいいね〜。スープを逆に吸い込ませて奥歯の咀嚼でじゅわーっと旨味を放出させるのがとても良いです。言わずもがな柔らかさもすばらしい。タレの浸透度合いも深く、そして熟成すら感じるしっとり感ある旨味が広がります。




 また味玉は、悶絶しますな。白身の部分を見るだけで、この浸透の深さがよくわかります。白身がフルフルと崩れて風味が増して旨し!そして黄身においてもそのトロトロ加減の中に旨味の深さが濃厚。お値段以上の満足感を感じますし、酒のアテにもご飯のお供にも通用するテッパンの旨さがそこにあります。この黄身だとスープと混じってもそれもまた良しと思わせるところもありまして、スープと少し絡んだ黄身を食すると・・・・ただ唸るのみです。








 総じまして、「再訪問は確実!次回はエビス小瓶とともにゆっくりするか・・・」と思わせる居心地の良さであります。ことよろでございます。


 とは言ってもね・・・・やはり、仕事が始まるとうかうかとしてられんのですね。インターネットと隔離された環境であれば、腹をくくってゆっくりとできるかと思っていた年末年始だったけど、やはり気になる仕事虫。引退をするまではこの気持ちからは、解放されません。じたばたしたって始まらないし、この気持ちと旨くつき合って行くしかなさそうと思う・・・・年始の冬空に思うのであります。なので詠います!




   冬晴れに
   言祝ぎ気分で
   麺一杯


   そろそろ始動
   心の螺子巻き




 お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!


  PS 後日、年が明けて、そのお友達から年賀状を頂いた。妻がちゃんとご住所を聞いておいてと言い聞かせたらしい。感謝の言葉が綴られていたが、ご職業が研究者であることを知った。通うバスの中で、さぞ、かわいい講義がたくさん聞けたことだろう。





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