どこもかしこも・・・今年の総決算でござます。本屋へ行くと、どうしてもTRY大賞をパラパラとめくってしまいます。今年は殺されるほど忙しいとか嘯きながらも、ここ行った・・・・あそこも行ったと走馬灯のごとく今年の活動を振り返ったりしてみたりします。そんな中、こんな近場で、見逃していた店など発見すると、非常に心残りであります。このこだわり・・・・来年は、仕事にぶつけてみたいと思います(笑)。今年いっぱいは、このまま「なすがままなり」ということで突撃してみるかと、今回はこちらへ。それは「繋」さん。店の名前から今はなき、蒲田のお店に思いを馳せるが、いつまでも頑張っていただきたいです。
・・・などと思い食う気満々で訪問したのだが、久しぶりの徹夜した翌日だったので、体調的にはヘロヘロだ。折角店の前まで来て、退散するわけもなく、一番軽いものでまずは様子を見てみたいと考えます。でもね・・・・「ど・みそ」関係者と分かっていて、味噌を外すかどうかで迷うわ迷う。で、結局選んだのが「つなスペ中華そば」なる一品! 味噌も、背脂も外して軽くしてみたが、だったら近くの坂内で食えよと言われそう(泣)。
【スープ:濃厚得意な店らしい・・・しっかりとした豚煮出し感がとてもマイルド】
<一番ライトとは言え十分かつ丁寧な煮出し感ある豚骨>
濃厚背脂拉麺と銘うっている店で、「背脂無」メニューを選んだ私ですが・・・食券を手渡してしばらくの間は、「しくったかな・・・」と心細くなるもんです。しかも、味噌得意な店で、わざわざ味噌外ししてますからね。なおかつ、一番高いメニューになっとるわけでして、これは肩すかしを食らうと3重に悔やむ(汗)。・・・などと悶々としていると、想像以上に早くに配膳が完了いたします。半球体に近い形状の器に、てんこ盛り感ある麺顔。なかなか賑やかでして、この時点で価格に対する疑念は払拭されますな・・・。
一通り、儀式のように絵撮りを終えていざレンゲからスープを啜り出します。すると、意外にボディー感あるスープ感覚でして、食べ応えを感じるしっかりとしたスープ感覚です。あ、ちょうど良い濃さかもと思えてきたぞ!その瞬間に、「背脂無」とした後悔は消え失せます。
これが中々としっかりとした動物感を感じるのです。明らかに豚肉というより豚骨の煮出し。さりとて臭みは一切ない丁寧な仕上げぶりが伺えます。背脂が無くとも・・・うっすらとした脂感覚が表層を覆い尽くしますし、それは食べ応えがあるはずです。一般的に「中華そば」と言われて想像するスープ感とは、豚のコクの差が明らかに違うけど、コッテリとまでは行かない。この店で一番ライトなものを注文してしまったという後悔はもはや無く、「背脂無」に関する後悔も完璧に晴れます。
<想像以上にまいるどな醤油ダレとほんの微かな魚介感>
ほとんど魚介を感じません。しかし、豚のコクが支配している一品に、これだけの落ち着きを感じるところに、魚介の仕業をちょいと空想したりするのです。ひとさじくらいの魚介感・・・。ほのかなその風合いは、醤油ダレの風味で埋め尽くされるような気もするのですがね・・・。
さて醤油の感覚ですが、背脂投入を計算に入れてか、とてもマイルドなタレ感でして、むしろ後味に甘みすら感じる。しかも濃口醤油なのにそのパンチ感が円い。豚骨と結びついたような感覚あるのだけど、東京豚骨醤油ともまた違う。穏やかな醤油感覚が隠し味のような存在感。確かにスープカラーの写真を後で整理しながら確認してみると・・・まるでその色合いは味噌系そのものではありませぬか。豚骨に混じるカエシブラウンといったところです。
【麺:細いシルエットのイメージに、スパスパとした歯応えが、マイルドスープに馴染む】
<面白いほどにスパスパとしっかり千切れる細麺ストレート>
実は、これほどしっかりとしたボディー感があると、てっきり太麺系かなと思っていたのですが、完璧に読み違えのような細麺ストレート麺です。なかなかいい色合いでして、カンスイ感じない白めなクリーム色の地肌がとても印象的。しかも、丸い形状がとても優しげです。箸でたぐって一気に啜り上げて、そして咀嚼する。すると・・・何と!面白いほどに、スパスパと小気味良く千切れることかと、本当に楽しくなる。
麺の潰し込みとか、麺密度が高くはない。それがまた功を奏していて、マイルド系なスープには非常によく合うと思えるのです。奥歯のすり潰しにおいても、淡くクシリクシリと感じるだけ。咀嚼感もほどほどに、あとは嚥下の楽しさを待つのみです。
<少しザラついたかのごとくシルエット残す喉越し>
その嚥下ですが、見た目に感じさせないザラツキ度合いが印象的。それが喉奥にささーーーと滑り出すととても快感でしょうな・・・。潰し込みが低い分、汁の吸い込みが早いかと思っていたけどそれほどでもないかも。もっとも、私の食うスピードが早すぎて、吸い込む暇もなかったかもしれませんが。細い麺は、蕎麦の如く小ロットでずずずーーーーと食えるからいいね〜。喉を通り過ぎるその瞬間が、妙に印象的でして、まるで一本一本の残像を感じるよう。ザラツキがあるのかないのかは不明。確認したいなと思っていたときには、ほとんど麺が食い終わりそうだった。
【具:迫力ばかりでなく・・・・バランスと質感もあるトッピング達】
<迫力有りつつ極柔らかなチャーシュー>
こちらの特製「つなスペ」ですが、最初の文字面を呼んだときの心証は、「シーチキン(ツナ)の山盛りトッピング」かと勘違いしておりました。実は「つな」とは、店名「つなぎ」から来るものだったのですね(笑)。その「つなスペ」ですが、特徴は、3枚の大きな海苔と、3枚の大きなチャーシューのツインなのですね。
そのチャーシューですが、大きさと厚さについては申し分なし。また、柔らかさも極上でありまして、自重で勝手に解れてしまうほどです。最近のチャーシューは、こういうの多いなと感じつつも、実につけダレの風味がいい。醤油ダレの風合いがどこか若い熟成を感じさせる。サッパリとしながらも食欲をそそる風合いがまたいい。塩気もホドホドで脂身の甘さを引き出す仕上がりが実にナイス!
<深いタレ染み込み感じる味玉>
この魔法の醤油ダレは、味玉にも当然流用されておりまして、黄身の旨さは言わずもがなだけど、白身の染み込み具合も中々なのであります。こちらもまた熟成度合いを感じさせる良い仕事ぶり。黄身は、少しハードボイルドな部分と、トロトロな部分が断層的によく表現されておりますし、万人に受けるし上がる具合です。
<全部バランス良く手抜かりないトッピング>
改めて言うが、実に全体的にいい仕事ぶりであり、丁寧さを感じます。海苔の風味も実に良いし、スープ熱でグダグダになることは決してない。加えて、メンマの大きさがとても目を引き、シャクリとした感覚がまた良い。筋に沿って千切れれて解れていく感覚がいいし、味付けも薄めで素材の味わいも感じる。 ホウレンソウもグダグダにならない手前の絶妙な茹で上げ、ネギの薬味もなかなかで九条ネギ期待なれど、白い茎の部位もフレッシュ感覚を放出しております。
総じまして、「やはり・・得意分野の濃厚&背脂への期待が高まる」・・・・と、やはりちょっぴり悶々としてしまった夜。これは再訪問必須ですな。
それにしても、年末は忙しいのは自分だけではないものの、やはり疲れが溜まります。なので体は疲れるものの、気持ちは晴らしたい気分に支配される時期だと思うのです。皆さんはどうでしょう。この一年、プレッシャーの数だけ、食い続けたような気がします。この夜もそういうことかな・・・・、などと感じつつ、なので詠います!
疲れても
ガッツリ食いたい
夜もある
体と意思が
違いを繋ぎ
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!!今日も本当にごちそうさまでした!!!
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