【今週のラーメン１３１９】味噌屋与六（東京・秋葉原）朝塩らーめん

朝、始発の三鷹から中央・総武線で座って出勤するのが私の日課。疲れがピークに達したか、朝から寝過ごして目覚めれば錦糸町。全くアホな私。引き返す仕方ないね。やれやれと秋葉原を目指しましてそこで乗り換えです。ちょっと遅れると連絡いれて・・・・。こうなれば立食いそばでも引っ掛けてと考え、駅ナカフードコートに向かいますが・・・なんとそこにはラーメン店！吸い込まれましたわ。味噌専門か・・・、重いけどまいいやと入店すると、朝は「塩」と「醤油」しかないとのこと。妙な肩すかし・・・・。

【スープ：朝に染み入るスケルトン塩系！優しく揺らめく鶏コク】

＜クリアータイプなスッキリ鶏塩！朝の胃袋に染み渡る＞

配膳の瞬間は、何よりもスープのキラキラ感がとても印象的です。ワックスをかけたような艶がありまして、しかもクリアー度が高い。スケルトン塩スープが、当初期待をしていなかっただけに旨そうに感じられます。早起きは一文の得でしょうが、寝坊で一杯を拾うと言ったところ。朝からラッキーであります。

味わいとしては、非常にすっきりとした鶏塩といったところでして、動物感が非常に緩やか。まさに朝の胃袋に合わせたというレベルです。それでいて頼りないという感覚もなく、お出汁といった感覚ありと言えば褒めすぎか・・・。量産的でもあるのですが、許容範囲。白飯にかけて出汁茶ずけにしても成立しそうなすっきりコクを感じます。

＜塩気が非常に円やかでエッジが丸い仕立て上がり＞

動物系コクも緩やかですが、塩加減もこれまたマッタリ。非常に緩やかに感じるほど、円やかな味わいであります。朝の胃袋でも引っかかりなく、一気に最後までゴクゴクとイケるという感覚です。表面に浮いた油の輪がコクのサラサラ度を象徴しているように、レンゲで透かして見た時の微かな濁り加減に、塩ダレの優しさを感じたりしてしまう。

それはそうと、この店は味噌専門店のはずだが、朝限定の二毛作メニューというのも少々残念。この感覚なら夜遅く、晩飯食いそびれた時にでもさらっとすすりたいと思えるのだが。生ビール450円とコンビでね。

【麺：あっさりスープには軽やかさが合うと再認識させる一般系】

＜大資本系の感覚あれど適度なスパスパ感覚ある多加水捩れ麺＞

麺は少しばかり黄色みがかった多加水捩れ麺。麺箱に「日本食堂」とあるようにマスプロダクト性は確かに感じる。だけれども、味噌スープも濃厚さに負けないようなしっかりサポート感覚もありなむ。非常に前歯の当たりがスパスパっとして小気味良く千切れる一方で、適度な密度感もある。暖めてハイ出来上がり的な、通常の駅ナカ麺とは一線を画すると思えます。高級ではないけれど、値段に見合った質実感というやつか。奥歯の潰しにおける弾力感も淡くもっちりとしている。熟成の風味とまではいかなくとも、しかっりらーめんしているのであります。

＜非常にスープにマッチしてスルスルとスベり、ストレスフリー＞

どちらかと言えばややライトな麺。表面も光沢感ありスープをまとってツルツルと高速に滑るといったよくある印象。でもこのスープ感覚なら、このマッチングがベストでありましょう。朝からざらつきたっぷりな低加水太麺は重いし、さらっと食って出勤に備えたいもの。そんな「朝ラー」コンセプトがバッチリなスベりということですな。

【具：ワンコインの中での精一杯】

＜ワンコインでしっかりと「ひと玉」というサービスが嬉しい＞

驚くべきことに、味玉が一個丸ごとデフォルトで投入ですよ。妙にモヤシでかさ上げして薄味バランスを崩すよりずっといい感じであります。500円ワンコインの中でのサービス精神を感じたりします。やや固めのボイルですが、塩スープと混じるとほのかに醤油ダレの漬け込み感もフワッっと楽しめたりする。