プレゼン技術というのは、ビジネスマンにとってかなり重要なエッセンス。だけど、これはいろいろ社内利用に限定すれば、なかなか使いこなしているなと思うことは非常に少ない。社外向け資料などは、目を見張るほどに完成度が高く、なるほどパワーポイントというのはこういう風に作成するのかと勉強にもなる。でも、そのまま日常業務には使えるわけでなく、結局はいつもの説明チックな資料作成となってしまう。こうやってツールに頼ること自体が、ビジネスの表現力が退化していく理由になるのかもしれません。
特に、VIPクラスが使う資料作成となると、いろいろと注文を言う人も入れば、ひっくり返す人もでてくる。そういう中で作成して当のVIPに見せたりするとコテンパンにやられたりする。真面目にやっているのに凹むことこの上ない。つまり・・・・結局、実際の話し手と、実際の聞き手をイメージできていないからこうなるのだと、最近痛感する。何がこの人が言いたいだろう、この人の好きそうな言い回しは何だろう。そして、それは聞き手にとって心地よい内容か?サウンドか? そんな配慮が足らなかったなと最近思うのです。常に情報を収集し、幹部等の人となりをイメージしておくこと。これを茶坊主というか、そうでないのかは、私本人の意識次第と思うわけ。年食うといろいろと面倒なことをやらされる。誰かがやらねば、誰かが迷惑したり困ったりするのだ。何と言われようとやるしかないのだ。・・・・・・・この一週間、激務に耐えている中、そんなことをずーっと感じて仕事をしておりました。
・・・・などと考えながらも、まだ仕事の興奮が冷めやらぬ土曜日の午後。午前中は子供を市営プールに連れて行き、昼飯食いにマクドに立ち寄るものの食いたいものが見つからず、結局チキンクリスプとコーヒー。子供の話し相手をしてまったりと過ごす。午後は自由行動をさせていただき、このまま本屋か図書館へ行くかと思うが、まずは自宅に帰りゆっくりとテレビでも見ようかとする。しかし・・・・なんか刺激的なものを欲して・・・・結局、いつもの行動を起こしてしまう。刺激を求めて・・・・荻窪界隈をまた攻略。昼だけ営業のレアな一杯をいただきました。それにしても環八に面しているというのに・・・この地味な感じは何よと言いたい店構え。近くにパーキングもあるとも思えず、なかなか車に載っていれば見つけにくいです。私もラーメン本などの情報がなかったら訪問することもなかったでしょう。
【スープ:味に厚みを感じる勝浦式!山椒しかり辣油しかり・・・・・醤(ジャン)も感じる???】
<サラリと辣油攻撃かと思いきや・・・・中国山椒の絨毯爆撃!>
店の外観は地味だけど(暗いという意味ではなくありふれたという意)、店内はこじんまりしていて、音楽も軽快。なかなか快適です。難をひとつだけ言えば、カウンターと椅子の高さが妙にマッチしていないかもというだけか・・・・。などぶつぶつ言っているとあっという間に配膳完了!その瞬間、見た目以上に熱々なのに驚きます。これは油の熱さだと知りまして無意識に防御の構えを心の中でする。さて・・・まずその真っ赤たるその正体の辣油を味わおうとレンゲを沈めていざ実食。さてさてどんなシャープな切れ味かな・・・と啜りだして、結果として泣くハメに。中国山椒の熱風が一気に鼻孔と喉奥に駆け抜け、ゴホゴホと蒸せてしまうではないか。しかも香りとか匂いというものでなく、湯気に「味がついている」という感覚を覚えるほどのパンチぶり。日頃、ド変態級のMとして仕事に押しつぶされている私としては、少々の無茶ぶりや梯子外しに慣れているとは言え、この衝撃度はなかなかと感じ入ります。
しかし、同じ激辛といってもハラペーニョ系の辛さとはまた別の香ばしい系ですから、個人的にはまだ耐性があります。この辛さには旨さというのを分かりやすく感じます。びりびりと響く痺れの奥に肉系の旨味を感じますし、ニラの苦さがまた山椒と結合している。そこに玉ねぎのフレッシュな甘さが対立しているようで、上手くリカバリーしているようです。食感としては、やはり山椒の痺れの奥にシャープな辣油の辛さと油のサラサラっとしたコクを感じるという感覚。甘い担々麺を期待してこの店に入ってくる方は少ないと思われるが、ニッチな担々麺市場の中でも、勝浦式というこれまたニッチな世界。メジャーになったり、有名店になったりするとどこか寂しいカテゴリーですな。
<最後半に食い慣れて・・・醤(ジャン)の味わいを知る>
さてさて、食べ慣れて来てバクバクと食い進めることができるようになるのは、半分少し食べ進めたあとぐらいからかな・・・。痺れにも慣れて来て、辣油の味わいにもコクを感じたりする余裕が生まれる。そうするとスープが分離するようになりまして、具をサルベージすると同時に、奥に溜まった層の味わいをダイレクトに感じたりいたします。なるほど・・・・ここに来てタレの存在を感じますな。甜麺醤のようなネットリとした感覚が出汁で融かれたような揺るやかな感覚を感じたりする。そうそう・・・何か醤(ジャン)を感じるような甘みがそこにあるような気がする。舌が本当にバカになっただけかも知れないが・・・・そんな気がする。
【麺:まるで汁なし系を食っているようなモサモサ感が非常にナイス!】
<もさもさもさ〜っとした風合いが汁なし系のように感じて旨い>
麺を撮影しようと箸で底からサルベージ!底引き網のように、いろいろな物が引っかかって浮かび上がります。玉ねぎ、挽肉、ニラ、辣油の欠片など・・・・見ていて投網を連想してしまう。さてその投網(麺)ですが、風貌としては「旨そうな汁なし担々麺」のように思える。きっとそういうシーンを思い出しているのだろうけど、確かに汁なし系でも成立するような、クシクシとした麺でありましたな・・・・。
標準より少し細めの縮れ麺。丸麺系でして縮れがよくスープと具に絡み付くようです。表面には辣油の成分たる粉が貼り付いており、なかなか賑やかなような、風流のような見栄え。歯ごたえとしても、前歯感覚では抵抗感が一律的でスパスパと食えるといった感覚だが、熱さと痺れで蒸せ変えてそうは簡単に問屋がおろさない。どちらかというとハグハグと食い進めるしかない。奥歯のすり潰しでは、意外にもクシりとした歯ごたえで粉感ある。これは気のせいだと思うが、気分的には爽快なクシクシ感でして、見た目のモサモサ感とは少しだけ違和感を覚える。
<スベリを楽しもうとすると蒸せる(笑)>
これはスベリを楽しむものではないなと感じます。出来る人もいるようですが・・・。蒸せるのがその理由。表面的には高速に滑るという感覚なく、どちらかというと汁をすったり貼り付いたりするのかもと思う。だけども、辣油でコーティングされ具をかなり引き連れてくるので、ゴツゴツしてしまう。しかし箸でハグハグというのもいいもんだ。何故かというと、日頃のラーメンとはまたひと味違う「担々麺」を食っているという感覚が増すから。
【具:瓶詰めにして売り出だそう!一時期流行りましたあの味わいがフレッシュに味わえる!】
<前半は玉ねぎ粗微塵がまた旨し>
具は至ってシンプル!挽肉と、ニラ、粗微塵されたフレッシュオニオン。それがスープに染まって全体的にオレンジ色に見えます。これは無意識に変わった食べ方をしてしまう。まずスープに大量に漂っているこれらを無造作にすくい上げ、それを手前の丼のふちに当てて、汁だけ濾す。具だけで汁なしになった状態で、そのままクチの中へ運ぶか、ライスの上に乗せて食うかは選択自由。これはなかなかご飯が進むクンなのであります。この時点で玉ねぎの甘さに大変救われていると、思い知ることでしょう。まさに・・・・重い汁だったわけですな(笑)。
<後半は挽肉サルベージに徹する・・・更にライスに合うはず!>
さらに食べ進めると、最後半には挽肉が大量に発掘されます。やはり挽肉とは言え・・・肉のパワーは認めざるを得ませんな。これらをライスにトッピングするとますますライスを食うスピードに拍車がかかるというもんです。麺の大盛りもいいですが、ライスとのセッティングをお勧めしたいと個人的には思えます。
総じまして、残暑厳しい時節にわざわざ汗をかいても食いたしと思い訪問したものの、更に上いく辛さで汗だくになって食ったという顛末。二年越しの宿題をようやく叶えたので何となく大きな充実感を感じています。昼だけ短時間営業の店とは、実にラオタ泣かせであります。西荻窪の「はつね」や、大久保の「めとき」など、あと何回行けることやら・・・・。ここもそんな感じになってしまうのか・・・・。できるだけ、食いたいものであります。きっとまた来ます。なので詠います!
秋暦
秋味麦酒
秋の虫
未だ汗かく
暑さと辛さに
お粗末!ということで家族にも感謝しながら合掌!今日も本当にごちそうさまでした。

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